知的障害をお持ちの方やそのご家族にとって、「障害年金が受け取れるのかどうか」は、とても大切な問題です。しかし、制度は複雑で、「本当に自分が対象になるのか」「どうやって申請すればいいのか」と迷ってしまう方も少なくありません。
この記事では、知的障害のある方が障害年金を受け取るために必要な条件や、申請時のポイントについて、やさしく丁寧にご説明します。
障害年金とは、病気やケガ、あるいは先天的な障害によって、日常生活や仕事に支障をきたしている人が、国から受け取ることができる公的年金制度です。20歳から64歳の人が対象で、老齢年金や遺族年金と並ぶ「年金の三本柱」のひとつです。
障害年金には、大きく分けて次の2種類があります:

知的障害は、その程度によって以下のように分類されます。これは、IQ(知能指数)を目安にしたものです。
| 重症度 | IQの目安 |
|---|---|
| 軽度 | 約50~70 |
| 中等度 | 約36~49 |
| 重度 | 約20~35 |
| 最重度 | 約19以下 |
※あくまで目安であり、日常生活や社会生活への影響の程度によって判断されることもあります。
知的障害をお持ちの方でも、障害年金の受給は可能です。しかも、知的障害の場合は「先天性」として扱われるため、通常の申請に必要な「保険料納付の要件(加入期間の2/3以上を納付していることなど)」が免除されるケースがあります。
なぜなら、知的障害における「初診日」は、基本的に出生時(あるいは明確に障害が確認された幼少期)とみなされるためです。この点は、後天的な病気や事故による障害とは異なります。
ただし、知的障害のある方が受給できるのは、原則として障害基礎年金(1級または2級)です。障害厚生年金の対象にはならないケースが多いですが、稀に就労経験がある場合などは別途確認が必要です。
障害年金の審査においては、「障害認定基準」という国のガイドラインがあり、療育手帳の等級も参考資料となります。
あくまで「手帳の等級=障害年金の等級」ではないため、審査では実際の生活状況や医師の診断書が重要になります。
軽度知的障害(IQが50〜70程度)であっても、日常生活に支障がある場合には、障害年金を受給できる可能性があります。
たとえば、次のような点が判断材料となります:
これらの状況を的確に伝えることが、受給の大きなカギとなります。

知的障害のある方が障害年金を受け取るためには、次の2点がとても大切です。
診断書には、日常生活での困りごとや援助の必要性が詳細に記載されます。医師には、普段の生活でどのような場面で支援が必要なのか、具体的に伝えましょう。たとえば、「食事の準備ができない」「職場での指示を理解するのに時間がかかる」といったことです。
年金申請には多くの書類が必要です。ポイントは、「本人にどれだけの支援が必要であるか」が客観的に伝わる資料をそろえること。家族や支援者が記載する「日常生活の状況」や、「療育手帳」「通所施設の報告書」などが役立ちます。
障害年金の申請は、用語や書類が多く、ハードルが高く感じられるかもしれません。そのような場合は、社会保険労務士(社労士)などの専門家に相談するのがおすすめです。中には、障害年金の申請に特化した社労士もいます。
また、自治体の障害福祉課や地域包括支援センター、障害者就労支援施設などでも相談できる場合があります。一人で抱え込まず、周囲の力を借りて進めていきましょう。

知的障害のある方でも、障害年金の受給は十分に可能です。特に、軽度の方でも日常生活に支障があるなら、2級の対象となる場合があります。
受給のためには、
が重要です。
制度は少し複雑ですが、正しく準備すれば、多くの方が必要な支援を受けることができます。あなたやご家族が安心して暮らせるよう、ぜひこの記事を参考に、申請に向けた一歩を踏み出してください。