こんにちは。今回のテーマは「アスペルガー症候群と遺伝との関係」についてです。
この話題に関心をお持ちの方の多くは、「自分がアスペルガー症候群と診断された」「家族にそういった診断を受けた人がいる」といった経験をされており、「この障害は遺伝するのだろうか?」という不安を感じていらっしゃるかもしれません。
この記事では、アスペルガー症候群(現在では**自閉スペクトラム症(ASD)**に分類されています)について基本的な理解を深めながら、遺伝との関係性、そして最後には「アスペルガー症候群が持つ強み」についても触れていきたいと思います。
アスペルガー症候群は、発達障害の一種で、生まれつき脳の機能の一部に偏りがあることによって、社会生活の中で「生きづらさ」を感じやすい障害です。

具体的な特徴としては、次のような点が挙げられます。
また、アスペルガー症候群の大きな特徴は、知的発達や言語発達に遅れが見られないという点です。これが、自閉症スペクトラムの中でもアスペルガーと呼ばれていた所以ですが、現在は診断名としては「ASD(自閉スペクトラム症)」に統一されています。
多くの方が気になるこの疑問、「アスペルガー症候群は遺伝するのか?」という点について、現代の研究では**「遺伝的な要因がある可能性が高い」**という見解が主流になっています。
特に有名な研究として「双子研究」があります。

この結果から、同じ遺伝子を共有する一卵性の方が一致率が高いことがわかり、発達障害、そしてアスペルガー症候群には遺伝的要因が深く関係していると考えられています。
ただし、「この遺伝子があれば必ずアスペルガーになる」というような単一の遺伝子によるものではありません。複数の遺伝子が複雑に絡み合って発症する可能性があるという、多因子的な仕組みだと考えられています。
アスペルガー症候群の発症に関わるのは、遺伝だけではありません。
実は、出生前後の環境も影響を及ぼすとされています。代表的な要因には以下のようなものが挙げられます。
つまり、「家族にアスペルガー症候群の人がいるから」といって、必ずしも子どもに遺伝するわけではありません。遺伝と環境、どちらの要因も複雑に絡み合って影響するのです。
ここまで、アスペルガー症候群の特徴や遺伝との関係についてお話ししてきましたが、最後にぜひお伝えしたいことがあります。
それは、アスペルガー症候群の方々には「強み」もあるということです。発達障害=弱点という見方は一面的であり、多くの人が持つ才能や個性の一部でもあるのです。
以下に、アスペルガー症候群の方によく見られる「強み」をいくつかご紹介します。

アスペルガーの方は、一度興味を持ったことに対して非常に強い集中力を発揮します。特に、単純作業やルーティンのある作業には抜群の適性を持っており、正確で丁寧な仕事ぶりが評価される場面も多いです。
興味のある分野に関しては、専門家レベルの知識を持つことも珍しくありません。たとえば、プログラミング、鉄道、歴史、数学など、一つのテーマをとことん追求する力があります。
細部にまでこだわる傾向があり、高精度・高クオリティの成果物を生み出すことができます。ミスを防ぎ、品質を維持するような業務では、アスペルガーの特性が大きな武器になります。
感情よりも理論を重視する傾向があり、論理的な思考に長けている方も多く見られます。これは、IT系、研究職、分析系の仕事などにおいて、大きなアドバンテージとなります。
アスペルガー症候群は、生まれ持った脳の特性によって生じる発達障害の一つであり、遺伝的な要素と環境的な要因の両方が複雑に絡み合っていることがわかっています。
たしかに「遺伝する可能性」はありますが、それは必ず発症するというものではありませんし、ネガティブな側面だけを見る必要もありません。
アスペルガー症候群を正しく理解すること。そして、本人が持つ「強み」に目を向けて支援すること。それが、社会の中でお互いを活かし合いながら生きていくための第一歩になるのではないでしょうか。
ご家族やご自身の将来について心配されている方も多いかと思いますが、不安なことは一人で抱え込まず、専門家や支援者に相談することをおすすめします。知ることで、きっと見えてくるものがありますよ。