発達障害を抱えながら社会で働いていくことに不安を感じている方は少なくありません。
特に大人になってから診断を受けた方や、学生時代から人とのコミュニケーションに苦手意識を持っていた方にとって、「働く」ということは大きな壁に感じるかもしれません。
今回は、そうした方々にとって新たな選択肢となる「IT特化型の就労移行支援」について詳しく解説していきます。
就労移行支援とは何か、どのようなサービスが受けられるのか、そしてどのように事業所を選べばよいのかを丁寧にご紹介します。

まずは「就労移行支援」そのものについてご説明します。
就労移行支援とは、障害のある方が一般企業への就職を目指す際に利用できる福祉サービスの一つです。主に18歳から64歳までの就労を希望する障害者の方を対象に、スムーズに社会復帰するための支援を行います。
就労移行支援を利用するためには、以下のような条件があります。
発達障害、うつ病、双極性障害、統合失調症、知的障害、身体障害など、さまざまな障害を持つ方が対象となります。
就労移行支援では、事業所ごとに内容は異なりますが、以下のようなサポートが一般的です。
利用にかかる費用は、住民税非課税世帯や生活保護受給世帯であれば自己負担は0円となる場合がほとんどです。経済的な不安がある方でも、気軽に相談できます。

最近注目されているのが、「IT特化型」の就労移行支援です。
これは、一般的な支援内容に加えて、ITスキルの習得に力を入れている施設のことを指します。
IT分野は、パソコンがあれば場所を問わず働くことができる、成果で評価されやすい、コミュニケーションの負担が比較的少ないといった特徴があります。
こうした点が、発達障害を持つ方の特性と相性が良いとされており、就労支援でもIT特化型のニーズが高まっています。
IT特化型の事業所では、以下のような専門的なスキルを学ぶことができます。
このような内容を通じて、「IT系の職種で働きたい」という目標に近づくことができます。

就労移行支援は全国に数多くありますが、「IT特化型」として本当に適切な支援をしているかどうかは、しっかり見極める必要があります。
以下のポイントを参考に、事業所を選ぶ際の判断基準としてください。
自分が「プログラマーになりたい」「デザインの仕事がしたい」など、目指す職業像に合ったカリキュラムが用意されているかを確認しましょう。
施設によっては、基礎学習にとどまり、実践的な内容が少ないところもあります。
IT分野は日進月歩で進化しています。そのため、最新の技術や現場経験を持つスタッフが在籍していることは大きなポイントです。講師や支援員の経歴やスキルもチェックしましょう。
過去にその事業所から、IT企業や関連職種に就職した人がいるかどうかも重要な判断材料です。
就職実績が豊富なところは、それだけ実践的で成果につながりやすい指導が行われていると考えられます。
ITスキルだけでなく、コミュニケーション能力や生活スキル、体調管理の支援がしっかりしているかも見ておきましょう。長く働き続けるためには、技術だけではなく心身の安定も必要不可欠です。
IT特化型の就労移行支援は、これからの時代にマッチした新しい働き方を目指すうえで、とても有効な選択肢です。特に発達障害のある方にとっては、自分の強みを活かせる分野でもあります。
就労移行支援を選ぶ際には、自分に合ったスキルが学べるか、専門的な支援が受けられるか、そして将来的に安定して働けるサポート体制があるかをしっかり確認しましょう。
「働くのが怖い」「自分にできることが分からない」と感じている方も、一歩踏み出すことで未来が開けるかもしれません。まずは、見学や相談から始めてみてはいかがでしょうか。