あなたの周りに「なんだか最近、元気がない」「いつもの様子と違う」と感じる人はいませんか?
その変化、実はうつ病のサインかもしれません。
うつ病は誰にでも起こりうる精神疾患であり、見た目には分かりにくい心の病です。しかも、本人が「自分は大丈夫」と思い込んでいたり、「気の持ちようでなんとかなる」と我慢してしまい、適切な治療を受けないまま悪化するケースも少なくありません。
この記事では、うつ病にみられる心や身体の症状、そして特に周囲が気づきやすい「行動の変化」について解説します。また、早期の医療機関受診の重要性や、周囲の人の関わり方についても紹介します。
うつ病は、脳内の神経伝達物質(セロトニンやノルアドレナリンなど)の働きが一時的に低下することで、気分や意欲、思考、身体機能にさまざまな影響を及ぼす病気です。
こうした症状は、「気のせい」や「怠け」ではありません。うつ病は医学的な治療を必要とする病気であり、決して本人の気合いや心の持ちようで乗り越えられるものではないのです。

うつ病の症状のなかでも、周囲が比較的気づきやすいのが「行動の変化」です。本人は気づいていなくても、これまでの様子と比べて違和感があれば、注意を払う必要があります。
これは、エネルギーの枯渇や人付き合いに対する億劫さ、自分に自信が持てなくなることが背景にあります。
外見への無頓着は、無気力状態の現れであり、本人の心の疲弊を物語っています。
うつ病では、朝に症状が重くなる「日内変動」という特徴があり、出勤が難しくなるケースもあります。
これらは「精神運動制止」と呼ばれる状態で、深刻なうつ症状の可能性があります。
うつ病では思考力や集中力が低下するため、普段なら問題なくできる作業が困難になります。
「楽しい」「うれしい」といった感情が湧かなくなるのも、うつ病の特徴のひとつです。
もし、周囲の人にこのような行動の変化が見られたら、すぐに「うつ病じゃない?」とストレートに伝えるのは避けましょう。本人が抵抗を感じたり、否定されたと受け取ってしまう可能性があるためです。
● 自然なサポートの仕方
また、職場であればストレスチェックの結果をふまえて、労務担当者や産業医への面談を勧めることも有効です。本人が「誰かが気にかけてくれている」と感じるだけでも、大きな支えになります。

うつ病は早期の医療機関受診によって改善が見込める病気です。以下のような治療や支援を受けることで、症状は次第に和らいでいきます。
治療法は症状や体質に応じて医師が調整します。副作用なども丁寧にフォローされるため、まずは医療機関で相談することが大切です。
無理に今の生活を続けるのではなく、一度立ち止まって心と身体を回復させる時間をつくることが、再発防止にもつながります。
うつ病で休職すると、「収入が減る」と不安に感じる人は少なくありません。ですが、会社員や公務員であれば、「傷病手当金」という制度を利用できる場合があります。
これは、健康保険に加入している人が病気やケガで働けない場合に、給与の約2/3が最長1年6か月支給される制度です。職場の労務担当者や健康保険組合に相談して、必要な手続きを行いましょう。
うつ病は、外から見えにくい病気だからこそ、周囲の人が行動の変化に気づくことが早期発見の鍵になります。
何気ない「最近元気ないね?」という一言が、本人にとって救いとなる場合もあります。大切なのは、うつ病は誰にでも起こりうる病気であり、専門的な治療が必要だという認識を持つことです。
我慢せず、早めに医療機関を受診することが、回復への第一歩となります。あなたの気づきと声かけが、誰かの未来を変えるきっかけになるかもしれません。