今回は、「発達障害の上司との接し方」というテーマでお話ししていきます。
本記事をご覧いただきたい方は、発達障害のある上司と関わることがある方、あるいは発達障害を持つ方との接し方に不安や疑問を感じている方々です。
ここでは、発達障害を持つ上司の特徴や、そのような方と円滑に接するためのポイントについて詳しく解説いたします。

まず前提として、「発達障害」とはどのような障害なのかを簡単にご紹介します。
発達障害とは、生まれつき脳の働きに一部偏りがあり、それによって日常生活や仕事の場面で困難さや生きづらさを感じやすい状態を指します。
発達障害には大きく分けて、以下の3つの主なタイプがあります。

ではここから、発達障害を持つ上司に見られやすい特徴を5つに分けてご紹介します。
特にASDの方に見られがちな特徴として、予想外の事態に直面した際、パニックになってしまう傾向があります。これは「想像力の弱さ」に起因しており、未知の出来事への対処法が思いつかず、不安を感じることで強いストレス反応を起こしてしまいます。
「適当に」「なるべく早く」「できれば」など、曖昧で抽象的な表現は、特にASDの方には通じにくいことがあります。その結果、こちらの意図が正しく伝わらず、業務上のミスやトラブルにつながってしまうことがあります。
ASDの方は他人の感情を想像することが苦手である一方、ADHDの方は衝動的に言動してしまう傾向があります。
このため、部下に対して無意識に強くあたったり、ミスを責めたりしてしまうことがあります。
怒りの感情をうまくコントロールできず、問題の解決よりも感情の発散になってしまうケースもあります。
ADHDの方には、整理整頓が極めて苦手という特性があります。
書類や私物がデスクに散乱していたり、重要な書類を紛失したりすることが多く見受けられます。
これは空間や物の管理が苦手であることに起因しています。
ASDの方には「こだわりが強い」という傾向があります。
自分なりのやり方やルールに強く固執し、そこから外れることを極度に嫌います。
これは、新しい事柄や想定外の出来事に対する不安からくるものであり、ある意味では自己防衛的な対応でもあります。

ここからは、上記のような特徴を持つ上司とどのように接すれば良いかについて解説していきます。
あくまで「部下として」という視点からの提案になりますが、上司との関係構築に悩まれている方に参考になれば幸いです。
まず大前提として、発達障害を持つ上司自身も、会社からの適切なサポートや配慮を受けながら働くべき存在です。現実には、そのような体制が整っていないケースも多く、本人もストレスを抱えていたり、十分に力を発揮できていなかったりする可能性があります。
そのため、部下の立場としては「この人は発達障害だから厄介だ」と思うのではなく、「この人も困っている可能性がある」と考えることが出発点です。
抽象的な言い回しではなく、「〇月〇日までにこの資料を完成させてください」「この書類は、A→B→Cの順に処理してください」といった具体的な指示を出すことが効果的です。
また、話す際にも、単純明快な表現を意識すると、相手の理解がスムーズになります。
上司からきつい言葉をかけられたとき、その背後にある「特性」や「感情コントロールの難しさ」を理解することで、自分自身が冷静さを保ちやすくなります。
もちろん、不当な扱いを受けた場合には、適切な相談窓口(社内の人事や外部の相談機関)を活用することも必要です。
例えば、上司が整理整頓に苦手意識を持っている場合、「この書類はこのファイルに入れておきました」など、さりげなくフォローすることが関係性の改善につながる場合もあります。
ただし、部下が過度に気を遣いすぎたり、自分の業務に支障が出るようでは本末転倒です。
無理のない範囲で、できることを行う姿勢が大切です。
発達障害のある上司と接する際には、まずその特性を正しく理解することが何より重要です。
そして、トラブルを未然に防ぐためには、明確で丁寧なコミュニケーション、冷静な対応、そして無理のない範囲での配慮が求められます。
一人ひとりが互いの違いを理解し合い、安心して働ける職場をつくることが、これからの多様性のある社会には欠かせません。
発達障害のある上司も、部下も、双方にとって働きやすい環境を目指して、少しずつ前に進んでいきましょう。