現代社会で少しずつ認知が進んでいる「発達障害」という言葉。
その中でもADHD(注意欠如・多動症)やASD(自閉スペクトラム症)を抱える方々の中には、二次障害として「うつ病」を併発してしまう方が少なくありません。
今回は、発達障害とうつ病の関係性、そしてなぜ発達障害を持つ方がうつ病を併発しやすいのか
――その2つの主な理由について、分かりやすく解説いたします。

発達障害とは、生まれつき脳の機能の一部に偏りがあるため、日常生活や社会生活に困難を感じやすい障害の総称です。
代表的なものとして、以下の3つに分類されます。
主な特徴
主な特徴
主な特徴
これらの特性が生活や仕事、学業に影響を及ぼし、本人が「自分は周りと違う」「うまくいかない」と感じることが多くなります。

うつ病は、誰にでも起こり得る「こころの病気」です。
気分の落ち込みが続き、生活や仕事に支障をきたすようになる状態を指します。
発達障害の方は、特性ゆえに日常的な困難に直面しやすく、それが積み重なることで「二次障害」と呼ばれる新たな精神的問題を引き起こすことがあります。
二次障害の中でも最も併発リスクが高いのが「うつ病」です。
このように、発達障害を抱える人の半数近くが、何らかの形でうつ症状を併発しているというデータがあります。うつ病以外にも、睡眠障害、双極性障害、パニック障害など、複数の精神的問題を併発するケースも見受けられます。

では、なぜ発達障害の方がうつ病を発症しやすいのでしょうか?
大きく2つの要因に注目することで、その理由が見えてきます。
発達障害の方は、特性に起因する「失敗体験」を日常的に繰り返してしまうことがあります。
こうした失敗の積み重ねが、「自分はダメな人間だ」「何をやってもうまくいかない」といったネガティブな自己評価につながりやすくなります。
その結果、自己肯定感が極端に低下し、心が疲弊してしまうのです。
自己否定の感情は、やがてうつ病の発症リスクを大きく高めます。
発達障害の方は、環境や人間関係に対して「過敏」に反応しやすい傾向があります。
こうした日常的なストレスの蓄積は、精神的な消耗につながります。
さらに、発達障害の方は「ストレス耐性」そのものが弱いため、心身が疲れやすく、休息をとっても回復しづらい傾向があります。
その結果、慢性的なストレス状態が続き、うつ病へとつながっていくのです。
うつ病を未然に防ぐためには、周囲の理解とサポートが不可欠です。
以下のような配慮が大切です。
また、本人自身も「自分の特性を正しく理解すること」が、心の健康を守る第一歩になります。
無理に“普通”に合わせようとするのではなく、「自分に合ったスタイルで生きる」ことが大切です。
発達障害を抱える方がうつ病を併発しやすいという現実は、決して本人の努力不足ではありません。
特性ゆえの困難さと、それに伴うストレスが複雑に絡み合って起こることなのです。
だからこそ、私たち一人ひとりが「理解する努力」をすることが、社会全体の心の健康を支える力になります。
この記事が、あなたやあなたの身近な方が少しでも心穏やかに日々を過ごすきっかけとなれば幸いです。