最近では、自分がADHDではないかと感じ、精神科を訪れる人が増えています。
仕事でのミスや家事がうまくいかないことで、ネットの記事を読んだり、周囲から指摘を受けたりして受診するケースが見られます。
ADHDは正式には「注意欠如・多動症」と呼ばれ、脳の発達の偏りが原因で、不注意、多動、衝動という3つの主な症状が特徴です。
例えば、落ち着きがなく、衝動的に行動してしまう人が該当します。
性格の一部と考えることもできますが、その程度が過剰で日常生活に支障をきたす場合に「障害」として捉えられます。
小学生の時期に診断されるのが一般的ですが、子供の頃には気づかれず、大人になって初めて診断されることもあります。これを「大人のADHD」と呼び、今回はその特徴を5つ紹介します。
これらに当てはまる場合、大人のADHDの可能性があります。

通常、子供は集中力が持続しにくく、様々なことに興味を示し落ち着きがないものですが、成長するにつれて集中力をコントロールし、欲求を抑えられるようになります。
個人差はありますが、小学生頃には45分間は座って授業を受けられるようになります。
しかし、授業中に落ち着きがなく、注意をされても話を続けたり、席を立つことが頻繁にある場合、ADHDの疑いがあります。
大人になってまでこの障害に気づかれない場合、次の3つのケースが考えられます。
1つ目は、症状が軽いために見過ごされた場合です。
多くの人が多動の症状が成長とともに和らぐため、問題なく学生時代を過ごせることが多いです。
しかし、学校生活ではじっと座っていることに強い苦痛を感じていた記憶を持つ人が少なくありません。
2つ目のケースは、不注意が主な症状で、多動がほとんどない場合です。
このタイプは特に女性に多く見られます。授業中はおとなしく座っていられるものの、常にぼんやりしていて、ミスや忘れ物が多いのが特徴です。成績に大きな影響が出なければ、性格の一つとして受け入れられ、気づかれないまま大人になります。
3つ目のケースは、家庭の問題や非行、引きこもりによって病院に行く機会を逃した場合です。
これらのケースに該当する場合、大人になってから社会での困難を感じ、大人のADHDと診断されることがあります。
仕事や作業に集中することが苦手で、気が散りやすいのが特徴です。
集中しようとしても、頭の中で次々と他のことが思い浮かび、仕事に手がつけられないことがあります。同じミスを繰り返すことも多く、注意されても改善されません。
また、スケジュールや約束を忘れがちで、スマホや財布などの忘れ物が多いのも特徴です。
運転中に注意が散漫になり、交通事故を起こしやすい傾向もあります。
さらに、アスペルガー症候群を併発している場合、興味のあることに過度に没頭してしまう「過集中」の症状が見られることもあります。この場合、作業に没頭するあまり名前を呼ばれても気づかず、周囲から無視されていると思われることもあります。
中学生頃には、じっと座っていられないといった多動の症状は軽減しますが、大人になっても待つことが苦手で、貧乏ゆすりや体を動かし続ける行動が残ります。
退屈な作業に耐えられず、せっかちでおしゃべりが多い傾向があり、余計なことを言ってしまい失敗することもあります。
コツコツと地道に努力することが苦手で、すぐに結果や報酬が得られないと我慢できません。
手軽に利益を得ようとして、リスクの高い賭けに出ることがあり、一攫千金を狙うこともあります。
計画や準備が苦手で、急に大きな決断を下し、トラブルを招くこともあります。
衝動的にお金を使いすぎることがあり、例えば【衝動買い】や【無謀な投資】、【課金ゲーム】、【キャバクラやホストにお金を使いすぎる】などがその例です。
さらに、恋愛においても後先を考えずに行動してしまい、異性問題でトラブルに巻き込まれることがあります。また、毎日繰り返す家事が苦手で、子育てに悩むことも少なくありません。
ADHDの母親は、子供を叱りすぎる傾向があることも指摘されています。
感情のコントロールが難しく、短気な傾向があります。ストレスや不満を耐えることができず、すぐにイライラしてしまいます。
興味のないことを我慢して続けるのが苦手で、嫌なことがあると急に激怒することもあります。
ADHDの原因はまだ完全には解明されておらず、決定的な検査方法もありません。
医師が日常生活に支障をきたすかどうかを聞き取り、診断を行います。
CTやMRIなどの検査は補助的なもので、それらの結果だけでADHDと診断されるわけではありません。

いくつかの治療薬はありますが、これらはあくまで症状を緩和するためのもので、根本的な治療ではありません。また、処方には専門の資格を持つ医師が必要です。
ADHDは性格の一部とも言え、健常と障害の境界線は曖昧です。
症状があっても社会で成功している人は多く、職場の環境によって症状が和らぐこともあります。
まずはADHDを自分の個性として捉え、適した仕事や生活スタイルを選ぶことが重要です。
夢を追うことや憧れの人を真似ることも大切ですが、それ以上に、自分の強みと弱みを理解し、うまく社会と関わっていく方法を見つけることが肝心です。