発達障害の一種であるアスペルガー症候群(現在では自閉スペクトラム症:ASDに統合)には、性別によって現れ方に違いがあるといわれています。
とくに女性は、特性が目立ちにくく診断が遅れることも少なくありません。
今回は、「女性のアスペルガー症候群の特徴」について詳しく解説していきます。
周囲に該当する方がいる場合の理解の一助としてもご活用いただければ幸いです。

アスペルガー症候群は、発達障害のひとつで、生まれつき脳の機能に偏りがあることによって、対人関係や社会的なやり取りに困難を感じる特性を指します。
かつては「アスペルガー症候群」という診断名がありましたが、現在では「自閉スペクトラム症(ASD)」という名称に統一されています。
ASDの主な特徴には以下のようなものがあります。
知的障害や言語の遅れが見られないケースも多く、特にアスペルガー症候群と呼ばれていた方たちは、外見上は「普通」に見えることが多いため、特性に気づかれにくい傾向があります。
発達障害は男性の方が多いと言われており、ASDの診断比率も一般に「男性4:女性1」とされています。しかし、実際には女性の診断がされにくいだけで、見逃されているケースが多いのではないかとも考えられています。
その理由として、以下の点が挙げられます。
これらの背景から、ASD女性の多くが、社会人になって仕事や人間関係に困難を感じるようになってから初めて、自身の特性に気づくケースも多く見られます。

ではここからは、女性のASD(アスペルガー症候群)に特有の特徴や困りごとについて、具体的に5つご紹介します。
女性同士の人間関係は「共感」や「空気を読む」ことが求められる場面が多くあります。
例えば、職場のランチやガールズトークなど、表面的には仲良く見えても、そこには微妙な空気の読み合いや暗黙のルールが存在しています。
ASDの女性は、こうした「察する」スキルに苦手さを持つことがあり、「なんとなく馴染めない」「一人だけ浮いてしまう」といった経験をしやすいのです。
ASDの方には感覚が非常に敏感な方が多く、女性においては特にその影響が日常生活に強く出やすい傾向があります。
たとえば
などがあります。
これにより、体調不良やストレスが蓄積しやすくなる場合もあります。
家事や育児は、マルチタスクや曖昧な判断が求められる場面が多く、ASDの方には非常に負担となることがあります。
特に母親になると、子どもと過ごす時間が増えるため、コミュニケーションの難しさが顕在化しやすくなります。
ASDの女性は、一般的な流行や世間的な嗜好に合わせることが難しいと感じる方が多いです。
結果として、同世代の女性たちと話題が合わなかったり、距離を感じてしまったりすることがあります。
女性のASDには、身体的・心理的な不調を抱えやすいという傾向もあります。特に、
といった症状が見られることがあります。
感覚過敏や強いこだわりが背景にあることも多く、自身でもうまく対処できずに苦しんでいるケースもあります。

ASDの女性は、一見すると「普通」に見えることが多く、周囲から困っていることに気づかれにくいという難しさがあります。
だからこそ、本人も「自分が悪い」「自分だけがうまくできない」と自分を責めてしまいがちです。
しかし、ASDは本人の努力不足ではなく、特性による困難です。
特性を周囲が理解し、必要に応じた配慮を行うことで、女性たちが自分らしく生きられる環境をつくっていくことができます。
女性のアスペルガー症候群には、特有の特徴と困難さがあります。
特に以下の5つは代表的な困りごとです。
こうした背景を理解することで、女性のASDの方が社会で生きやすくなるためのヒントになります。
本人だけでなく、周囲の人々も一緒に「困難の正体」に目を向け、共に歩んでいく姿勢が大切です。