「うっかりミスが多い」「集中力が続かない」「つい時間を忘れてしまう」――こうした悩みを抱える大人の中には、発達障害のひとつであるADHD(注意欠如・多動症)の特性が背景にある場合があります。
ADHDの特徴は、子どもの頃だけでなく、大人になっても続くことがあります。特に社会に出てからは、時間管理や人間関係、仕事の進め方などで困難を感じることも少なくありません。
この記事では、「ADHDとは何か」という基本的な理解から始めて、大人のADHDに見られがちな「あるある」5つを、具体的な対策とともにご紹介します。

ADHD(Attention-Deficit / Hyperactivity Disorder、注意欠如・多動症)は、発達障害の一種であり、脳の機能に生まれつき偏りがあることによって生じる特性です。
主な症状は、以下の3つに大別されます。
これらの特徴は人によって程度や現れ方が異なります。また、大人になると「多動性」は目立たなくなることも多く、「不注意」や「衝動性」の困りごとが前面に出てくる傾向があります。
では、実際にADHDの方が日常生活で直面しやすい「あるある」な困りごとを、具体例とともに見ていきましょう。
ADHDの方の多くが、時間感覚のつかみにくさに悩まされています。
たとえば、出発する時間を逆算して準備するのが苦手で、気づいたら出発時間を過ぎていた……という経験が頻繁に起こります。
こうした工夫により、時間管理の見通しを立てやすくなり、遅刻のリスクを減らすことができます。
ADHDの特性として、短期記憶の保持が苦手という傾向があります。
たとえば、会議の時間を忘れてしまったり、持っていくべき資料を置き忘れてしまったりすることが日常的に起こります。
小さな忘れ物でも積み重なると大きなトラブルにつながるため、仕組みづくりと習慣化がとても大切です。
ADHDの人は集中力が散漫になりやすい一方で、一度集中し始めると極端に集中しすぎる「過集中」が起こることもあります。
たとえば、ゲームや趣味に没頭して食事を忘れてしまう、気づいたら朝になっていた――というようなケースです。
過集中は「才能」ともいえる強みですが、生活を犠牲にしてしまっては本末転倒です。コントロールする意識を持つことが大切です。
ADHDの方は、相手の話を早合点してしまう、確認を怠って独断で動いてしまうなど、コミュニケーションで誤解を生むことがあります。
たとえば、「Aだと思ったからBをしておいたよ」と言ったら、実はまったく違う意図だった…というようなケースが多く見られます。
人との信頼関係を築く上で、確認と報連相(報告・連絡・相談)は非常に重要です。
仕事や家事をしていても、すぐ他のことが気になってしまう――これもADHDの典型的な特性です。
スマホの通知、窓の外の景色、周囲の会話など、あらゆる刺激に気が取られやすくなります。
ADHDの方は一つのことに長く集中するのが難しいため、短時間集中を繰り返す「ポモドーロ・テクニック」なども有効です。

ここまでご紹介してきた「あるある」は、多くのADHDの方が日常的に直面する現実です。
しかし、「だから私はダメなんだ」と落ち込む必要はありません。
それぞれの特性に合った工夫と習慣づくりによって、生活の質は大きく向上していきます。
また、周囲の理解も重要です。ADHDの方が「なぜそうなるのか」を理解することは、本人の心の負担を減らし、職場や家庭での関係性も円滑にすることにつながります。
大人のADHDに見られやすい「あるある」には、
といったものがあります。
どれも日常の中で起こりうることですが、ちょっとした工夫と意識の持ち方で対処が可能です。ADHDという特性をネガティブに捉えるのではなく、自分に合った環境と習慣を整えることが、より快適な生活への第一歩となります。
一人ひとりの特性に寄り添った支援や工夫が、発達障害とともに生きる人たちの力強い支えになりますように。