近年、障害者の雇用に関する制度は大きく変化しています。企業にとっても、障害のある方々にとっても重要なテーマである「障害者雇用の法定雇用率」について、今回は詳しくご紹介します。特に2026年(令和8年)に向けての法改正を踏まえ、今後の動向や影響についても解説していきます。
まず「障害者雇用」とは何かをご説明します。
障害者雇用とは、障害のある方がその特性や能力に応じた配慮を受けながら働ける雇用制度のことを指します。一般の求人とは異なり、「障害者手帳」を所持している方を対象に設けられた特別な求人枠であり、企業側は採用や就労環境において合理的配慮を提供することが求められます。
これに対して「一般雇用」とは、障害の有無に関わらず誰でも応募できる求人枠です。
つまり、障害者雇用は法的に認められた「合理的配慮」のもとで、障害のある方が安心して働けるよう整備された雇用の形と言えるでしょう。

「法定雇用率」とは、企業や団体が一定の割合で障害者を雇用することを義務づける制度です。これは障害者雇用促進法に基づいて定められており、雇用の機会を広げ、障害のある方々の社会参加を促す目的があります。
具体的には、企業全体の従業員数のうち、一定割合を障害のある方が占めるようにしなければならない、という制度です。この割合が「法定雇用率」と呼ばれるもので、事業主の義務となっています。
なお、対象となるのは「一定の規模以上」の企業です。具体的には、従業員が43.5人以上在籍する企業が対象となります。ただし、この「43.5人」という数字は単純に人数を数えるのではなく、勤務時間に応じて計算されます。
つまり、正社員かパートかではなく、労働時間がカウント基準となっているのです。
障害者の法定雇用率は、1976年に制度として導入されて以来、段階的に引き上げられてきました。その推移を振り返ってみましょう。
ご覧の通り、長年にわたり障害者雇用率は少しずつ上昇しています。これは、障害のある方々がより多くの場で就労できる社会の実現を目指しての取り組みの一環です。
2023年(令和5年)時点での法定雇用率は以下のようになっています。
今後、法定雇用率はさらに引き上げられることが決定しています。これはすでに国の方針として発表されており、段階的に適用される予定です。
このように、2026年までにさらに引き上げが予定されており、企業側の対応が求められることになります。
また、もう一つ大きな変更点があります。それは、対象企業の基準人数が引き下げられるという点です。
これにより、障害者雇用の義務が発生する企業の数が大幅に増える見込みです。中小企業を含め、より多くの企業が障害者雇用に取り組むことになるでしょう。

こうした法定雇用率の引き上げや対象企業の拡大は、障害のある方にとって大きな追い風となります。
特に、今まで障害者雇用の求人が見つからなかった地域や業種においても、採用のチャンスが広がることが期待されます。
一方で企業側には、障害のある方に対する理解やサポート体制の整備が求められます。これまで以上に「共に働く」ことへの意識改革が必要となるでしょう。
今後、障害者雇用をめぐる制度はより前向きな方向へと進んでいきます。法定雇用率の引き上げや、対象企業の拡大など、障害のある方が働く場を得やすくなる施策が次々と進められています。
国としても、働く障害者の方々を支える制度整備を進めており、これからさらに「働きやすい社会」へと進んでいくことが期待されます。これから就職や転職を考える障害のある方にとって、ポジティブなニュースが続いていますので、ぜひ前向きにチャレンジしていただきたいと思います。
障害のある方も、ない方も、互いに理解し合い、支え合える社会の実現に向けて。私たち一人ひとりができることを考え、行動していくことが求められています。