【受診するのはこっち】精神科と心療内科の違い【大人の発達障害】

日々の生活の中で、心や体に不調を感じることは誰しもあるものです。
特に、強いストレスや悩みが続くと、「これは精神的な問題なのか、それとも身体的な問題なのか」「病院を受診した方が良いのか」「精神科か心療内科、どちらに行けばいいのか」と悩む方も少なくありません。

本記事では、精神科と心療内科の違いをわかりやすく解説し、どのような場合にどちらを受診すればよいのか、また迷った際の対処法について丁寧にご紹介いたします。

精神科とは何か?

精神科とは何か?

精神科は、心の病気や精神的な不調を専門的に扱う診療科です。
以下に、精神科で扱う主な病気や症状を挙げます。

  • うつ病
    持続的な気分の落ち込み、無気力、食欲や睡眠の変化などが見られる疾患です。
  • 統合失調症
    幻聴や被害妄想、思考の混乱などが現れる病気で、社会生活に大きな支障をきたすことがあります。
  • 不安障害
    日常生活に支障が出るほどの強い不安や緊張を感じる状態です。パニック障害や社交不安障害などが含まれます。
  • 双極性障害(躁うつ病)
    気分が高揚する「躁状態」と、落ち込む「うつ状態」が繰り返し現れる病気です。
  • PTSD(心的外傷後ストレス障害)
    事故や災害、暴力などのトラウマ的出来事の後に、強い不安や回想、過覚醒などの症状が続く状態です。
  • 認知症
    高齢者に多く見られる、記憶や判断力の低下などの症状を伴う疾患です。

このように、精神科では「心そのものの病気」が主な対象となります。
たとえば、「幻聴が聞こえる」「理由のない強い不安に襲われる」といった場合には、精神科での受診が適しています。

心療内科とは何か?

心療内科とは何か?

一方で、心療内科は「心と体のつながり」に着目した診療科であり、特にストレスが原因で体に症状が出ている場合を対象とします。
このような症状は「心身症」と呼ばれています。

心身症とは、心理的なストレスや葛藤が身体の症状として現れる病気の総称です。
心療内科で扱う代表的な症状には、以下のようなものがあります。

  • 吐き気や胃の不快感
  • 頭痛
  • 動悸
  • 下痢や腹痛
  • 肩こりやだるさ
  • 手足の冷え
  • 息苦しさ

また、高血圧、慢性胃炎、アトピー性皮膚炎なども、ストレスが要因とされる場合には心身症として診断されることがあります。

たとえば、「胃の調子が悪くて病院で検査をしても原因が見つからない」「慢性的な体調不良が続くが、身体的な病気が否定されている」などの場合、心療内科での受診が検討されます。

うつ病のような精神疾患でも、吐き気や疲労感といった身体症状が現れることがありますが、心療内科はあくまでストレスを原因とする身体的な症状を扱うという点で、精神科とはアプローチが異なります。

精神科と心療内科の違いと受診先の選び方

精神科と心療内科の違いと受診先の選び方

精神科と心療内科の基本的な違いは、以下のように整理できます。

  • 精神科:心の病気そのもの(精神障害全般)を対象とする
  • 心療内科:ストレスが原因で身体に症状が出ている状態(心身症)を対象とする

ただし、実際には多くの心療内科で、うつ病や不安障害といった精神疾患の診療も行われています。
また、精神科と心療内科の両方を併設しているクリニックも増えており、患者側が明確に線引きをする必要は必ずしもありません。

たとえば、「最近気分が落ち込みがちで、胃の調子も悪い」という場合には、精神的な問題と身体的な問題の両方が関与している可能性があるため、精神科・心療内科併設のクリニックを受診するのが安心です。

さらに、精神科と心療内科の間で、診断基準や治療方法に大きな違いがあるわけではなく、扱う疾患が重複するケースも少なくありません。
したがって、どちらを受診すべきか迷った際は、以下のポイントを参考にするとよいでしょう。

  • 身体症状が中心で、検査では異常が見つからない場合:心療内科が適している可能性あり
  • 幻覚や妄想、強い不安やうつ状態がある場合:精神科の受診が望ましい
  • 判断が難しい場合:精神科・心療内科の併設クリニックを選び、医師に相談

また、受診を検討しているクリニックのホームページなどで、診療内容や対応している疾患を事前に確認するのも有効です。
専門性や方針が明記されていることが多いため、自分に合った医療機関を選びやすくなります。

まとめ:迷ったときは気軽に相談を

精神的な問題やストレスが原因で体に異常が現れることは、決して珍しいことではありません。
しかし、病気の分類や症状の性質によって、適切な診療科を選ぶ必要があります。

とはいえ、患者自身が明確に「これは精神科」「これは心療内科」と判断するのは難しいこともあります。そうしたときには、精神科と心療内科の両方を備えた医療機関を受診し、まずは相談することをおすすめします。

初めての受診に不安を感じる方も多いかもしれませんが、早めの相談が症状の悪化を防ぎ、回復への第一歩となります。