うつ病と診断されたとき、まず大切なのは「休むこと」です。しかし現実的には、休職や退職にともなう経済的な不安が大きくのしかかるものです。そんなとき、あなたの生活を支えてくれる公的制度や支援機関の存在を知っておくことは非常に重要です。
本記事では、うつ病をはじめとする精神疾患において活用できる【3つの代表的な支援制度】と【心の病気を支える支援機関】について、丁寧に解説します。
うつ病は、気分の落ち込みだけでなく、日常生活にさまざまな影響を及ぼす「こころとからだの病気」です。主に以下のような症状が見られます。
心の症状
身体の症状
うつ病の回復には、何よりも「しっかりと休むこと」が不可欠です。しかし、その過程で生まれる経済的不安は、心の回復を妨げてしまうことも少なくありません。そこで、まず押さえておきたいのが以下の支援制度です。
① 傷病手当金 —— 休職中の生活を支える制度
「傷病手当金」は、病気やけがで仕事ができなくなった際、健康保険から支給される手当金です。うつ病も対象となっており、会社を休職している間も生活の支えとなります。
重要なのは、休職中でもこの制度を活用することで経済的な心配を少しでも軽減できることです。制度を知らずに我慢して働き続けるのは、自分をさらに追い詰めることにもなりかねません。
② 自立支援医療制度 —— 医療費の負担を軽減する制度
精神科や心療内科の通院治療には時間と費用がかかります。そんな時に役立つのが「自立支援医療制度」です。
通院や投薬が長期間にわたることもあるため、この制度を活用することで家計への負担を大きく減らすことができます。

③ 障害年金 —— 長期的な支援が必要な場合に
うつ病によって長期的に就労が困難となった場合、「障害年金」の受給を検討できます。
申請手続きは煩雑なため、社会保険労務士など専門家のサポートを受けるのも一つの方法です。
失業手当(雇用保険)
失業後、再就職までの生活を支える制度です。うつ病などで働けない状態にある場合でも「就職困難者」として認定されることがあります。
ただし、傷病手当金と失業手当は同時には受け取れません。順番を工夫することで、どちらも活用できる可能性があります。
労災保険
職場の環境や働き方が原因でうつ病を発症したと判断されると、「労災」として認定されることがあります。
該当する可能性がある場合は、早めに労働基準監督署などに相談しましょう。
生活保護
経済的に非常に困難な状況にある方が利用できる制度です。うつ病によって働くことができない場合も対象となる可能性があります。
こちらも、単独での申請が難しい場合は、支援機関のサポートを受けるとよいでしょう。
相談できる支援機関も心強い味方
制度の利用や回復の道のりをひとりで歩くのはとても大変です。以下のような支援機関を頼ることで、社会的な孤立を防ぎ、回復をサポートしてくれます。
精神保健福祉センター
各都道府県に設置されている公的な相談窓口です。
アクセスが難しい場合は、地域の保健所や保健センターでも相談が可能です。
就労移行支援事業所
就職が困難な方に対して、就職に必要な訓練や支援を提供します。
就労への不安がある方にとって、安心してステップを踏める環境です。

地域障害者職業センター・障害者就業・生活支援センター
いずれもハローワークや医療機関と連携し、総合的な支援を提供しています。
うつ病という病気と向き合うことは、決して簡単なことではありません。ですが、あなたのそばには支援制度や機関が存在しています。そして、それらはあなたが「一人ではない」と教えてくれる心強い味方です。
少しでも「つらい」と感じたとき、経済的な不安が頭をよぎったとき、今回ご紹介した制度や支援機関を思い出してください。助けを求めることは、弱さではなく、生きていくための大切な一歩です。