家庭で気づかれる女性のADHDの6つのサイン【大人の発達障害】【注意欠如・多動性障害】

はじめに

 注意欠如多動症、略してADHDは、集中力を維持する能力や感情を抑制する力に偏りがあるため、常に気が散ってしまったり、じっとしていられなかったりする状態を指します。この障害の主な特徴は、「不注意」「多動」「衝動」という3つの症状に分類されますが、不注意が特に目立つ「不注意優勢型」のADHDも存在します。

ADHDは、主に小学校時代に気づかれることが多いですが、特に女性においては不注意優勢型が多いため、子どもの頃には障害に気づかれないまま大人になってしまうことがあります。親のサポートがなくなり、一人暮らしや結婚して家庭を築く中で、日常の家事が上手くできないことをきっかけに、ようやく自身の異常に気づく場合もあります。

もしこれを障害として受け入れることができれば良いのですが、周囲からは「だらしない」と注意され、自分でも努力しても思うようにできないために、「自分はダメな人間だ」と自己嫌悪に陥ることも少なくありません。大人になってからADHDに気づくことを、「大人のADHD」と呼びます。今回は、家庭生活における女性のADHDの特徴を6つ紹介し、それぞれに対処法も提案します。

女性のADHDの6つの特徴

女性のADHDの6つの特徴

1. 毎日の家事が苦手
ADHDの女性は、料理、掃除、洗濯などの家事が苦手であることがよくあります。これは不器用であるとか、料理が下手というわけではなく、優先順位を立てるのが難しく、思いつきで行動してしまうためです。また、やるべきことをうっかり忘れてしまうことも多く、その結果として計画的に家事を進めることができません。そのため、「主婦なのに家事ができない」という自信喪失につながることが多いのです。

家事が得意でないことは脳の機能の問題なので、無理に変えようとせず、同居している家族に理解を得ることが重要です。そして、生活をスムーズに進めるために、1日のスケジュール表を朝のうちに作ると良いでしょう。例えば、「9時から洗濯、14時から買い物」といった具合に具体的に予定を立て、それをメモに書くか、スマホのカレンダー機能を活用すると便利です。平日は最低限の家事にとどめ、週末にまとめて行うようにすると、負担を軽減できます。

2. 片付けが苦手
ADHDの人は片付けが苦手で、部屋が常に散らかってしまう傾向があります。エアコンのリモコンや大切な領収書が見つからない、着たい服がすぐに見つからない、といった状況が日常的に起こります。これらの原因は、物を使ったらそのまま放置してしまうことや、無計画な買い物によって物が増えすぎてしまうことにあります。

これを解決するためには、「使ったものは必ず元の場所に戻す」という習慣をつけることが効果的です。例えば、脱いだ服はハンガーにかけ、リモコンは決まった場所に戻し、食器や飲み物の容器はすぐに台所に持って行くといった、小さな習慣の積み重ねが大きな変化を生みます。また、物が増えすぎないように、シーズンごとに断捨離を実践することも有効です。

3. 家計管理が苦手
ADHDの女性は、家計の管理にも苦労することが多いです。欲しいものを優先して買ってしまったり衝動買いをしてしまうことが多く、また、手元にお金があればあるだけ使ってしまうという傾向があります。さらに、買ったことを忘れてしまい、同じものをいくつも購入してしまうこともあります。

キャッシュレス決済が主流になっている現代ですが、ADHDの人はできるだけ現金払いを心がけると良いでしょう。クレジットカードで気軽に買い物ができる環境は、家計管理においてリスクが高いため、家族と一緒にお金の管理をすることが推奨されます。

4. 手続きが苦手
役所や学校への書類提出、公共料金の支払い、税金の手続きなど、細かい事務作業が苦手です。面倒だと感じ、つい後回しにしてしまい、結果として提出期限を過ぎてしまうこともよくあります。

この対策として、重要なことは「後回しにせず、その場で処理する」という習慣をつけることが大切です。また、病院や歯科医の予約を忘れてしまうこともありますが、スマホのカレンダー機能や、目につきやすい場所にメモを貼るなどの工夫で、これらの問題を解決できます。

5. 自分の楽しみを優先してしまう
ADHDの女性は、自分の楽しみを優先しがちです。例えば、家族を連れて買い物に出かけても、家族の要望を無視して自分のショッピングに集中してしまうことがあります。こうした行動は、周囲から不評を買ってしまいますので、家族の意見に耳を傾ける習慣を持つことが大切です。

6. 子育てが苦手
ADHDのお母さんは、子育てに苦労することがあります。子どもの行動をじっと待つことができなかったり同じことを繰り返し教えることが苦手なため、子どもに対してイライラし、衝動的に怒鳴ってしまうことがあります。また、一度怒りのスイッチが入ると感情を抑えられなくなり、子どもが泣き続けても叱り続けてしまうこともあります。

おわりに

おわりに

すべての女性が自然と子育てをうまくできるわけではありません。家族は、ADHDの特徴を理解し、積極的にサポートすることが求められます。また、保育園や学童保育などの公共サービスを有効に活用することも重要です。

ADHDの人は、その特性から家庭生活や家事に支障をきたすことがありますが、これは「だらしない性格」だからではありません。自分の特性を理解し、無理に変えようとするのではなくそれを前提にした生活スタイルを工夫することが大切です。また、周囲の人々にもその特性を理解してもらい、適切なサポートを受けることで、より充実した日常を送ることができるでしょう。