職場の人がアスペルガー症候群【ASD】だったときの対応の仕方5つ【大人の発達障害】

会社はチームワークによって支えられています。
メンバー同士がどれだけスムーズにコミュニケーションを取れるかで、業務の効率にも影響が出ます

しかし、いつも何を考えているのか分からず、こちらの気持ちが伝わらない、問題が発生すると感情的になり話し合いが困難になるなど、コミュニケーションに問題を抱える人が職場にいることはないでしょうか。
特に、そうした人と職場で上下関係にあり、密に関わる必要がある場合、悩みが増えてしまいます。何を考えているのだろう、なぜ気持ちを理解してもらえないのだろう、なぜ怒るのか、といった悩みが続くと、仕事の成功どころか、人間関係で精神的に疲弊してしまいます。

実際に、上司や部下とのコミュニケーションに問題があり、対応に気を使いすぎてうつ病になる人も少なくありません
職場でのコミュニケーションに難がある人は、アスペルガー症候群の可能性も考えられます。

アスペルガー症候群は、相手の感情を読み取ることが難しいため、場の雰囲気を掴めず、比喩的な表現や間接的な言い回しを理解しにくい特徴があります。自分の話を中心に進め、時には無意識に相手を傷つけることもあります。

この症状は脳の発達の問題に起因しており、現在では自閉症スペクトラム障害(ASD)の一つとして分類されています。

この症状を理解せずに普段通りの方法でコミュニケーションを取ろうとすると、うまく伝わらないばかりか、お互いに傷つけ合うことになります。
極端な例ではありますが、日本語を話せない外国人に対して、日本語だけで話しかけても通じないのと同じです。
アスペルガー症候群の男性と結婚した女性が、その障害に気付かずに日々の生活を続けていく中で、意思疎通ができないことに心を痛めることがあります。

これは「カサンドラ症候群」と呼ばれていますが、職場の上下関係においても同様の状況が発生することがあります。

今回は、職場において上司や部下がアスペルガー症候群である場合に、どのように対応すれば良いかを説明していきます。

職場でのアスペルガー症候群の人への対処方法

1.失礼な発言をされても感情的にならない

挨拶が苦手だったり、社会的なマナーを知らなかったり、時間を守れない、無意識に失礼な発言をしてしまうことがあります。そのため、一緒にいる相手がイライラすることもあります。
しかし、これらの行動はやる気がないとか、相手を軽んじているわけではなく、自分の言動が相手を傷つけていることを理解できないために、悪気なく行っているのです。
このような言動に出会ったときは、相手がコミュニケーション能力に課題があると考え、「おかしいな」と感じても冷静に受け止め、こちらは感情的にならないように心がけましょう。

2.明確で具体的な指示や返事を心がける

冗談や比喩をそのまま受け取ることがあります。
例えば、上司が「頑張れ」と言ったつもりでも、それが嫌味に受け取られることがあります。言葉の裏にある意図を読み取れずに誤解することがあるため、曖昧な表現や冗談は控えましょう。
報告や指示は口頭ではなく、書面やメールで伝えるようにし、具体的かつ簡潔にまとめましょう。図や表など、視覚的な手段を使うのも効果的です。

3.無理に飲み会や食事会に誘わないこと

集団での場が苦手で、話にうまく加われなかったり、場の雰囲気に気づかず一人で話し続けることがあります。本人も集団での活動が得意ではないと理解していることが多いため、無理に飲み会などに誘わないようにしましょう。

4.部下がアスペルガー症候群の場合

頭ごなしに叱られると、強い拒絶反応を示すことがあります。基本的には褒めて成長を促す方が効果的です。
同じミスを繰り返すこともありますが、本人に任せるのではなく、「これで3回目だから、何が問題だったのか一緒に考えよう」といった形で、具体的に改善策を提示しましょう。
仕事がうまくできないのは本人の努力不足ではなく、職場との相性が合っていないだけです。個性は変えられないので、どうやってその個性を職場で生かすかを考えることが重要です。
アスペルガー症候群の人は、規則正しい業務やデータ処理、細かい作業が得意です。興味がある分野においては、集中して全力で取り組むことができます。
また、彼らは緊張無理をすると体調不良を起こしやすいため、遅刻や欠勤が続く場合は、精神的な問題があるかもしれないので、優しく精神科の受診を勧めましょう。
もし体調が長く改善しない場合には、今の職場が適していないことを伝えるのも必要かもしれません。

5.上司がアスペルガー症候群の場合

職場での評価や効率が低くても、自分のやり方に固執することがあります。独自のルールに対する強いこだわりがあり、突発的な指示や思いやりに欠ける行動が見られることもあります。
これらを指摘しても、非を認めず、むしろ感情的に反発することが多いです。
こうした上司とは距離を置き、感情的な発言を真に受けないようにしましょう。
職場にはうまく対応できている人もいるはずなので、その人に仲介を頼むのも一つの手段です。
ただし、場合によっては上司の言動がハラスメントに当たることもあります。ハラスメントは犯罪ですので、そのように感じた場合は、さらに上の上司や人事に相談しましょう

以上、職場におけるアスペルガー症候群の人への対応の仕方を紹介しました。

人によってコミュニケーションの取り方は違いますが、自分にストレスがかからないよう相手の特性を見極め上手につきあっていきましょう。