【発達障害】止まらない怒りを瞬時に沈める方法4選【ADHD・ASD・アンガーマネジメント】

発達障害の方にとってのアンガーマネジメントとは? 〜感情と上手に向き合うために〜

発達障害の方にとってのアンガーマネジメントとは? 〜感情と上手に向き合うために〜

発達障害のある方にとって、「怒り」といった強い感情のコントロールは、日常生活や人間関係において大きな課題となることがあります。怒りをうまくコントロールできず、後悔した経験がある方も多いのではないでしょうか。そこで今回は、発達障害のある方が実践できる「アンガーマネジメント」について詳しくご紹介します。

怒りをうまくコントロールできず、後悔した経験がある方も多いのではないでしょうか。

発達障害とは?

発達障害とは、生まれつき脳の機能の一部に偏りがあり、その影響で日常生活に困難を感じやすい状態のことを指します。知的能力に問題がない場合でも、社会的なやり取りや注意力、感情の調整といった面で支障が生じることがあります。

主に以下のようなタイプに分類されます。

  • ADHD(注意欠如・多動症):不注意、衝動性、多動性が特徴です。思ったことをすぐに行動に移してしまい、怒りの感情も瞬間的に表れやすい傾向があります。
  • ASD(自閉スペクトラム症):対人関係が苦手で、自分なりのこだわりが強い傾向があります。自分の思い通りに物事が進まないと、強いストレスを感じやすいです。
  • 学習障害(LD):読む・書く・話す・聞く・計算するなどの特定の領域で著しい困難があります。学校や職場での理解不足によりフラストレーションが溜まりやすくなります。
発達障害とは?

これらの特性により、発達障害の方は感情、特に「怒り」や「悲しみ」といった強い感情を調整するのが苦手な傾向があります。

「アンガーマネジメント」とは、怒りの感情を無くすのではなく、「適切にコントロールする」ための心理トレーニングのことです。

「アンガーマネジメント」とは、怒りの感情を無くすのではなく、「適切にコントロールする」ための心理トレーニングのことです。

怒ってはいけない、ということではありません。怒るべき場面ではしっかりと怒り、逆に怒る必要のないところでは冷静でいられるように、自分の感情を上手に扱うことが目的です。発達障害のある方にとっても、怒りを適切にマネジメントできるようになることで、対人関係のトラブルを減らし、より良い人間関係を築きやすくなります。

怒りのコントロールには2つのアプローチがある

怒りを抑える方法は大きく分けて2つあるとされています。

  1. 怒りの原因を取り除く
  2. 怒りを溜める「心の容量」を大きくする

現実的には、怒りの原因そのものをすべて取り除くのは困難です。例えば、社会で生活している限り、ストレスやトラブルを完全に避けることはできません。そこで重要になるのが、「心の容量」を大きくして、怒りの感情を溢れにくくすることです。これは訓練や自己理解によって習得することが可能です。

自分の「怒りの傾向」を知ろう 〜6つのタイプ〜

怒りのコントロールには、まず「自分が何に怒りを感じやすいのか」を理解することが大切です。日本アンガーマネジメント協会では、怒りの傾向を以下の6つのタイプに分類しています。

  1. 外柔内剛タイプ:断ることができず、怒りを溜め込みやすい
  2. 公明正大タイプ:他人のルール違反や不正行為に強い怒りを感じる
公明正大タイプ:他人のルール違反や不正行為に強い怒りを感じる
  1. 博士多才タイプ:他人の非効率ややる気のなさにイライラする
博士多才タイプ:他人の非効率ややる気のなさにイライラする
  1. 威風堂々タイプ:自分が評価されないことに不満を感じやすい
  2. 天真爛漫タイプ:物事がスムーズに進まないと怒る
  3. 用心堅固タイプ:他人への不信感から対人関係にストレスを感じる
自分の「怒りの傾向」を知ろう 〜6つのタイプ〜

これらのタイプを知ることで、自分の怒りの傾向に気づき、適切な対処がしやすくなります。日本アンガーマネジメント協会の公式LINEでは、無料で簡易的な診断も可能ですので、気軽にチェックしてみるのもよいでしょう。

怒りのコントロール方法 〜実践的な4つの方法〜

① 6秒待つ

人間の怒りのピークは「6秒」と言われています。この6秒間をやり過ごすことで、怒りの勢いを弱めることが可能です。

対処法として、「深呼吸をする」「心の中で“だいじょうぶ、だいじょうぶ”と唱える(コーピングマントラ)」などがあります。

対処法として、「深呼吸をする」「心の中で“だいじょうぶ、だいじょうぶ”と唱える(コーピングマントラ)」などがあります。

怒りを感じた瞬間にこうした方法で気持ちを落ち着けることで、大きな爆発を防ぐことができます。

① 6秒待つ

「〜すべき」思考を手放す

怒りの根本には、「〜すべき」「〜でなければならない」という“べき思考”があります。これは特に発達障害のある方に強く見られる傾向です。

たとえば、「集合時間の10分前に来るべき」と思っている人がいたとして、他の人が5分前に来た場合に怒りが湧いてしまうことがあります。しかし、その人は集合時間には遅れていないのです。つまり、自分の「べき」と他人の「べき」の違いから、怒りが生まれているのです。

すべての人が同じ価値観を持っているわけではないという前提を持ち、ある程度の「許容範囲」を自分の中に設けることが、怒りの予防につながります。

怒りの場面から物理的に離れる

どうしても怒りが収まりそうにないときは、その場から物理的に距離を置くことが有効です。一旦席を外したり、別の場所に移動したりすることで、感情の高ぶりを抑え、冷静さを取り戻しやすくなります。

③ 怒りの場面から物理的に離れる

アンガーログをつける

アンガーログとは、「怒りの日記」です。怒りを感じた出来事について、以下のように記録していきます。

  • 日時
  • 出来事の内容
  • どんな気持ちになったか
  • 怒りの強さ(10段階評価など)

こうした記録を継続することで、自分がどんな場面で怒りやすいか、どのようなパターンがあるかを客観的に見つめることができます。継続的な自己分析によって、怒りへの対処法も見つけやすくなります。

アンガーログとは、「怒りの日記」です。怒りを感じた出来事について、以下のように記録していきます。

おわりに

発達障害のある方にとって、感情のコントロールはとても重要なテーマです。特に「怒り」の感情は、対人関係や日常生活に大きな影響を与えるため、適切にマネジメントすることが求められます。

アンガーマネジメントは一朝一夕で身につくものではありませんが、日々の意識やトレーニングによって、徐々に習得することが可能です。まずは自分の怒りのタイプを知り、自分に合った方法で怒りと向き合うことから始めてみませんか?

書籍や研修、無料の診断ツールなども活用しながら、少しずつ「怒りとの上手な付き合い方」を身につけていくことが、自分自身をラクにし、人との関係もスムーズにしていく鍵となるはずです。

書籍や研修、無料の診断ツールなども活用しながら、少しずつ「怒りとの上手な付き合い方」を身につけていくことが、自分自身をラクにし、人との関係もスムーズにしていく鍵となるはずです。