今回は、「統合失調症の人との接し方」についてお話ししていきます。まず、統合失調症とはどのような病気なのか、その特徴を簡単に解説したあとで、統合失調症の方と関わる際に心がけたい5つの接し方について紹介します。
統合失調症は、「考え・感情・行動」がまとまりにくくなる精神疾患の一つです。発症のメカニズムには、脳内の神経伝達物質(特にドーパミン)の異常が関わっているとされ、決して「性格」や「本人の努力不足」などが原因ではありません。

統合失調症の症状は主に3つに分類されます:
現実には存在しないものを知覚したり、信じ込んだりする症状です。
感情や意欲の低下がみられる症状です。
情報を処理する力が低下し、日常生活に支障をきたすことがあります。
統合失調症の方と関わる際には、以下の5つのポイントを意識すると、良好な関係が築きやすくなります。
統合失調症の方は、思考がまとまりにくいため、会話が支離滅裂に聞こえることがあります。唐突に話が始まり、何を言いたいのかがわかりづらいことも多いです。
それでも、「わからないから」と話を遮ったり、「意味がわからない」と切り捨てたりせず、まずは話を最後まで聞く姿勢を持つことが大切です。
話の中には、本人なりの「文脈」があり、話をじっくり聞いていくうちに断片がつながって、伝えたいことが見えてくることがあります。
📌 相手の真意をくみ取るには、まず聞く姿勢から。
「つまり、こういうことかな?」と答え合わせをするように、丁寧に言葉を返していくことで、信頼関係が築かれていきます。
統合失調症の方が語る内容には、非現実的に聞こえることが少なくありません。たとえば、「電波で監視されている」「盗聴されている」などの妄想を本人は真剣に語ります。
ここで、「そんなわけないよ」と否定してしまうと、「また信じてもらえなかった」「この人も敵だ」と感じさせてしまい、不信感が強まってしまいます。
本人にとっては、それが「現実」なのです。否定するのではなく、「そう感じているんですね」「それは怖い思いをされましたね」と共感を示すことが大切です。
📌 妄想や幻覚を“否定”するのではなく、“気持ち”に寄り添う。

病気の症状と、本人の人格は切り離して考えることが支援の第一歩です。
ご家族や支援者としては、一日も早く元気になってほしい、社会復帰してほしいと思うのが自然です。
しかし、回復には個人差があり、治療には長い時間がかかることもあります。本人自身も「早く元に戻りたい」と思っている一方で、焦りや不安を感じています。
そのような中で、周囲からの「いつになったら働けるの?」「もっと頑張って」といった言葉は、強いプレッシャーになり、かえって症状を悪化させてしまうことがあります。
📌 「本人のペースを尊重する」ことが、回復を支える大事な姿勢。
焦らず、見守り、必要な支援を続けていくことが大切です。
統合失調症の方との関係では、支援者側が「なんとかしてあげたい」と思いすぎて、感情的に巻き込まれてしまうことがあります。
しかし、過度な共感や介入は、支援者の心身の負担になったり、相手との関係が依存的になる危険性もあります。
ときには、本人がつらい気持ちをぶつけてくることもあります。そういったときでも、必要以上に感情移入せず、「必要な距離感」を意識することが大切です。
📌 「近すぎず、遠すぎず」。安定した関係のためには距離感も大切。
支援者自身が自分のメンタルを守ることも、長く関わる上ではとても重要です。
統合失調症の方は、情報処理のスピードが落ちていたり、注意力や記憶力が低下していることがあります。

そのため、長々と説明したり、曖昧な表現を使うと、混乱させてしまうことがあります。
こうした工夫が、よりスムーズなコミュニケーションにつながります。
📌 情報はシンプルに、わかりやすく。
統合失調症の方と関わるには、「病気の特性を理解したうえで、人として丁寧に接する」ことが大前提です。支援においては、以下の5つのポイントがとても大切になります。
これらを心がけることで、統合失調症の方との関係性がよりよいものになり、支援や日常の関わりが円滑になります。症状の背景にある苦しみや混乱を理解し、「人」として向き合っていくことが何よりも大切です。