統合失調症の接し方5選【大人の発達障害】

統合失調症の人との接し方|症状の理解と5つのポイント

今回は、「統合失調症の人との接し方」についてお話ししていきます。まず、統合失調症とはどのような病気なのか、その特徴を簡単に解説したあとで、統合失調症の方と関わる際に心がけたい5つの接し方について紹介します。


統合失調症とは?

統合失調症は、「考え・感情・行動」がまとまりにくくなる精神疾患の一つです。発症のメカニズムには、脳内の神経伝達物質(特にドーパミン)の異常が関わっているとされ、決して「性格」や「本人の努力不足」などが原因ではありません。

統合失調症とは?

統合失調症の症状は主に3つに分類されます:

1. 陽性症状

現実には存在しないものを知覚したり、信じ込んだりする症状です。

  • 妄想:特に「被害妄想」が多く、「誰かに監視されている」「悪口を言われている」といった考えに強くとらわれます。
  • 幻覚:特に「幻聴」が多く、「誰もいないのに声が聞こえる」といった体験が典型的です。他に「幻視」(見えないはずのものが見える)などもあります。

2. 陰性症状

感情や意欲の低下がみられる症状です。

  • 感情鈍麻:表情や感情の動きが乏しくなり、反応が薄く見えることがあります。
  • 意欲や思考力の低下:自発的な行動が減ったり、考えをまとめるのが難しくなったりします。

3. 認知機能障害

情報を処理する力が低下し、日常生活に支障をきたすことがあります。

  • 注意力・記憶力・計画力の低下:会話の内容を忘れてしまったり、段取りを組み立てるのが難しくなることがあります。

統合失調症の人との接し方 5選

統合失調症の方と関わる際には、以下の5つのポイントを意識すると、良好な関係が築きやすくなります。


① 相手の話を最後まで聞く

統合失調症の方は、思考がまとまりにくいため、会話が支離滅裂に聞こえることがあります。唐突に話が始まり、何を言いたいのかがわかりづらいことも多いです。

それでも、「わからないから」と話を遮ったり、「意味がわからない」と切り捨てたりせず、まずは話を最後まで聞く姿勢を持つことが大切です。

話の中には、本人なりの「文脈」があり、話をじっくり聞いていくうちに断片がつながって、伝えたいことが見えてくることがあります。

📌 相手の真意をくみ取るには、まず聞く姿勢から。

「つまり、こういうことかな?」と答え合わせをするように、丁寧に言葉を返していくことで、信頼関係が築かれていきます。


② 批判的になりすぎない

統合失調症の方が語る内容には、非現実的に聞こえることが少なくありません。たとえば、「電波で監視されている」「盗聴されている」などの妄想を本人は真剣に語ります。

ここで、「そんなわけないよ」と否定してしまうと、「また信じてもらえなかった」「この人も敵だ」と感じさせてしまい、不信感が強まってしまいます。

本人にとっては、それが「現実」なのです。否定するのではなく、「そう感じているんですね」「それは怖い思いをされましたね」と共感を示すことが大切です。

📌 妄想や幻覚を“否定”するのではなく、“気持ち”に寄り添う。

妄想や幻覚を“否定”するのではなく、“気持ち”に寄り添う。

病気の症状と、本人の人格は切り離して考えることが支援の第一歩です。


③ 治療や社会復帰を焦らせない

ご家族や支援者としては、一日も早く元気になってほしい、社会復帰してほしいと思うのが自然です。

しかし、回復には個人差があり、治療には長い時間がかかることもあります。本人自身も「早く元に戻りたい」と思っている一方で、焦りや不安を感じています。

そのような中で、周囲からの「いつになったら働けるの?」「もっと頑張って」といった言葉は、強いプレッシャーになり、かえって症状を悪化させてしまうことがあります。

📌 「本人のペースを尊重する」ことが、回復を支える大事な姿勢。

焦らず、見守り、必要な支援を続けていくことが大切です。


④ 適度な距離感を持つ

統合失調症の方との関係では、支援者側が「なんとかしてあげたい」と思いすぎて、感情的に巻き込まれてしまうことがあります。

しかし、過度な共感や介入は、支援者の心身の負担になったり、相手との関係が依存的になる危険性もあります。

ときには、本人がつらい気持ちをぶつけてくることもあります。そういったときでも、必要以上に感情移入せず、「必要な距離感」を意識することが大切です。

📌 「近すぎず、遠すぎず」。安定した関係のためには距離感も大切。

支援者自身が自分のメンタルを守ることも、長く関わる上ではとても重要です。


⑤ はっきりと簡潔に伝える

統合失調症の方は、情報処理のスピードが落ちていたり、注意力や記憶力が低下していることがあります。

はっきりと簡潔に伝える

そのため、長々と説明したり、曖昧な表現を使うと、混乱させてしまうことがあります。

  • 一度に伝える内容はひとつずつ
  • 結論から話す
  • はっきりとした言葉を使う

こうした工夫が、よりスムーズなコミュニケーションにつながります。

📌 情報はシンプルに、わかりやすく。


まとめ

統合失調症の方と関わるには、「病気の特性を理解したうえで、人として丁寧に接する」ことが大前提です。支援においては、以下の5つのポイントがとても大切になります。


統合失調症の人との接し方【5選】

  1. 相手の話を最後まで聞く
     ➡ 話がまとまっていなくても、丁寧にくみ取る
  2. 批判的になりすぎない
     ➡ 妄想や幻覚を否定せず、気持ちに寄り添う
  3. 治療や社会復帰を焦らせない
     ➡ 本人のペースを尊重する
  4. 適度な距離感を持つ
     ➡ 感情的に巻き込まれないようにする
  5. はっきりと簡潔に伝える
     ➡ 一度に一つのこと、明確な表現を使う

これらを心がけることで、統合失調症の方との関係性がよりよいものになり、支援や日常の関わりが円滑になります。症状の背景にある苦しみや混乱を理解し、「人」として向き合っていくことが何よりも大切です。