親に愛されてこなかった5つのサイン【大人の愛着障害】

親子の感情的なつながりは、心理学的に「愛着」と呼ばれています。
幼少期に親から無条件の愛情を受けることで、愛着は形成されます。
この愛着が基盤となり、自己肯定感や信頼感といった、社会で生きるために必要な心理的要素が育まれていきます。
愛着は、成人後の性格形成や対人関係の基礎となります。

しかし、子どもの頃に親との死別や虐待、ネグレクトを経験すると、正常な愛着は育ちません。
その結果、人に対して心を閉ざし、怖がる子どもになったり、逆に警戒心がなく誰にでも簡単について行ってしまう子どもになる場合もあります。
このような状態は「愛着障害」と呼ばれます。
症状は小学校に入る前から現れますが、生まれつきのコミュニケーション障害とは異なり、良好な人間関係を通じて回復することが可能です。

また、親から無視されたり、他の兄弟と差別的に扱われると、正常な愛着が築かれず、愛着障害には至らなくても情緒が不安定になり、人間関係における適切な距離感がつかめなくなります。
親以外の大人が愛情を注いでくれた場合、愛着を再学習することができますが、学校でのいじめや適切な教育者に恵まれないと、愛着を形成できないまま大人になることがあります。
こうした場合、社会生活で生きづらさを感じることが多く、うつ病などの精神疾患を発症することもあります。

ここでは、愛着に問題を抱えたまま大人になった場合の5つの特徴を紹介します。

ここでは、愛着に問題を抱えたまま大人になった場合の5つの特徴を紹介します。
  1. 感受性が強く、傷つきやすい
    他人の言動に非常に敏感で、常に自分がどう思われているかを気にします。
    些細なことで「嫌われている」と思い込み、傷ついたり、怒りを感じたりします。
    また、一度感じた怒りや恨みを長く引きずることがあり、特に親に対する恨みが消えない場合もあります。
  2. 強い劣等感
    常に他人と自分を比較し、自分に自信を持てません。
    成功しても「どうせ失敗する」と思い、喜びを感じられません。
  3. 極端な思考
    物事を「すべてか無か」で捉える傾向があります。
    人に対しても「好きか嫌いか」「敵か味方か」で判断し、少しでも否定されると心を閉ざしてしまいます。
  4. 人間関係の距離感がつかめない
    他人を心から信頼することが難しく、人間関係で必要以上に気を遣い、疲れてしまいます。
    親しい人との関係では、相手を束縛することがあります。
  5. 自分の決断に自信が持てない
    自分が決めたことに自信を持てず、後悔しがちです。
    そのため、どんな職業についても満足感を得られないことがあります。
そのため、どんな職業についても満足感を得られないことがあります。

以上、愛着に問題がある大人の5つの特徴を挙げましたが、愛着の問題は時間をかけて修復できます。
良好な人間関係を築くことで、愛着は大人になってからでも回復可能です。
また、仕事を通じて信頼関係を築くことで、愛着の問題も改善されます。
親との関係で愛着が築けなかった人でも、その後の人間関係によって新たな愛着を形成することができるのです。

うつ病などの精神疾患を抱えた場合、その治療過程での人間関係が愛着の問題を解決するきっかけになることもあります。
そのため、愛着の問題とともにうつ病になることは、必ずしも悪いことではありません。
うつ病が回復する中で、愛着の問題も同時に改善されることが多いのです。

自分が親に愛されなかったことを恨んでいる人もいるかもしれませんが、親自身も愛着の問題を抱えていたか、何らかの精神的な困難があった可能性があります。
回復の過程で、親を許すことができれば、より早く回復できるでしょう。