私たち人間は身体の健康を維持するために、バランスの取れた食生活や十分な睡眠や休息を取り、適度に運動することを意識しながら生活をしています。また、体に悪影響を及ぼす過度な飲酒、喫煙には注意を払い、年に一度職場や地域で行われる健康診断を受け、身体に不調を覚えた時はかかりつけや地元の病院を受診します。
このような形で身体の健康を守っている方が多いと思います。ですが心の健康、メンタルヘルスとなると、あまり多くの方が身体の健康ほど、意識を向けている訳ではありません。
メンタルヘルスも身体の健康同様、日ごろから意識することと注意することがあります。
今回はメンタルヘルスのために必要なことを4点お話しします。
「何がメンタルヘルスに良い、悪いかを知っておく」
身体の健康維持に必要な、バランスの取れた食生活、十分な睡眠や休息、適度の運動はメンタルヘルスにも良い効果をもたらします。なぜなら心の安定化には、脳が健康的に働くことが必要なのです。
心理的側面で、メンタルヘルスにとって最も大切なことは、喜びと安心感がある生活です。
生きがいを持って、家族や友人と交流を深める。時間を忘れて楽しいことに没頭したり、自然に触れて心を癒したり。常に人に感謝し、人のために生きる。時には瞑想をして心を落ち着かせる。
こういった生活はメンタルヘルスに良く、心の安定化に繋がります。

逆にメンタルヘルスに悪影響をもたらすのは、孤独や不安、怒りや恨みといった負の感情を抱えたまま、我慢をし過ぎることです。こういった感情は放置せず、早めに解消するのが望ましいと言えます。悩みや問題は一人で抱え込まず、相談できる人や場所を頼る、利用するなどで心を軽くしましょう。
「精神疾患に対する知識を身に付ける」
癌は早期発見、早期治療をすることで命を守ることができます。心の病気も同じです。そのためには、うつ病をはじめとした精神病の初期症状を知っておくことが重要となります。
特にうつ病に関しては、今や誰もが掛かってもおかしくない心の病気といえます。気分の落ち込みや不安感が2週間以上続いている場合は、うつ病が隠れている可能性があります。また食欲や睡眠に異常が出ている場合も、早めに医療機関を受診することが大切です。
心の病気は放置しておくと、最悪命に関わる状態まで進行する可能性もあります。ここ最近ちょっとおかしいな、と思ったら、一先ず受診に向けて動いてみましょう。
「メンタルが不調の時に相談する場所を見つけておく」
メンタルが弱ったときは、身体の不調と同じでまずは、休む事が何より大切です。それでもメンタルが回復しない場合は、医療機関や心理カウンセリングで相談してみることをおすすめします。
気分の落ち込みや不安といった症状は精神科、悩みの相談は心理カウンセリングで聞いてもらえます。どちらを使えばいいのか分からない場合は、利用を検討しているところへ事前に問い合わせて聞いてみるのが良いでしょう。

医療機関で心の病気を診てもらえるのは、精神科と呼ばれる科です。病院によっては心療内科、神経科、メンタルヘルス科、心療科といった別の名称を用いているところもあります。
近頃は精神科がたくさんあるので、どの病院を選ぶと良いか迷ってしまうかもしれません。選び方のポイントとしては2つあります。
1つは「担当医が精神科専門医である」ところです。なぜなら精神疾患の治療は医師の人格や人生経験が診察の場に反映されやすく、他の科に比べると治療の内容に差が生じやすい傾向にあるからです。精神科専門医である場合、その専門医は学会のガイドラインに沿った、標準的でかつ有効な治療を行ってくれることでしょう。
もう1つは「公的な医療機関案内サイトを利用する」です。精神科を探す際は、知人からの紹介や近所で見かける、ネット検索で知るといった様々な手段があります。もしネット検索で探す場合は、公的な医療機関案内サイトを利用するのも一つの手です。都道府県ごとに医療機関の検索ができ、情報を多く扱う公的なサイトなので、情報も信ぴょう性があります。2つの点を注目して病院を探せば、きっと心の病気に寄り添ってくれる医師が見つかるかもしれません。
また、パニック症によるパニック症状、過呼吸の発作といった緊急を要する場合は、救急車を呼んで病院の緊急外来で見てもらうことが出来ます。逆に興奮状態が生じたときは、警察に見てもらった方が良いかもしれません。
「メンタルヘルスに関する、間違った知識を信用しない」
現在も精神科の治療には、ある誤解が残っています。それは、精神科で処方される薬は体に悪影響をもたらすので、服用しない方が良い、ということです。このような偏見があることにより、心の病気の症状が現れているのにもかかわらず、受診を拒む人もいます。近年、精神科で処方される薬は副作用が少なくなっていて、長期の服用でもほぼ問題がない薬が多種あります。逆に服薬治療を恐れて症状を放置した結果、心の病気を慢性化させることの方が、心と体に強い悪影響をもたらします。
また人によっては、精神疾患でスピリチュアルな治療を受ける方も多く見受けられます。これらは軽症のうつ気分や不安感に効果が見られることもある一方、確実に良くなる保障はありません。また、統合失調症や双極性障害には効果がありません、むしろ悪化することもあります。現在もイタリアのカトリック教会で行われている、エクソシストと呼ばれる悪魔祓いの儀式を受けるには、まず精神科で統合失調症・双極性障害でないことを診断する必要があります。スピリチュアルな治療は必ずしも効果を発揮する治療方法ではありませんので、確実に治すならば、精神科での受診が最も確実といえるでしょう。
現在は、知らないことは気軽にスマホやネットで調べることが出来る時代となりました。しかしネット上にはデマと呼ばれる間違った情報も多数流れてくるのも事実です。デマに振り回されることなく、正しい知識を得るように注意を払うのもまた、メンタルヘルスにとって大切なことでしょう。