統合失調症はいつ治るの?【統合失調症は治るのかについて解説】

統合失調症は、自分のものでない思考や感情が心に出入りし、それに振り回されてしまう病気です。心を守る壁がなくなったように、他人の考えが自分の中に入り込んだり、自分の考えが他人に伝わると感じることがあります。
本人は、自分の心の壁が壊れていることに気づかず、周りの何かが自分に侵入していると感じてしまうため、病気に気づくのが難しいのです。

症状は心に現れますが、統合失調症は脳の機能の障害です。
神経伝達物質の分泌が異常になり、脳全体が通常とは異なる覚醒状態になると考えられています。遺伝的要因が基盤にあり、それに加えて心配事孤独虐待いじめ過労などのストレスが引き金となって発症します。

脳の機能の問題であるため、カウンセリングなどの心理療法はあまり効果がなく、治療は抗精神病薬で脳の異常な覚醒を抑えることが中心です。抗精神病薬は、神経伝達物質に作用し、脳の覚醒状態を改善します。代表的な薬としてリスパダール、セロクエル、エビリファイ、ジプレキサなどがあります。

発症直後に薬を服用すれば、約1ヶ月で脳の活動は正常に戻ります。しかし、病気に気づけないため、治療までに数年かかるケースが多く見られます。
受診までの期間が長いほど、改善に時間がかかることがあり、一度良くなっても薬の治療をやめると、脳の過敏状態が続き、再びストレスが原因で再発することがあります。

例えば、花粉症などのアレルギー反応が体に記憶されると、アレルゲンに触れるたびに反応が出るのと似ています。
統合失調症もこれと同じように再発しやすいため、症状が良くなっても薬を続けることが重要です。

ストレスで再び覚醒スイッチが入らないよう、薬で脳の過敏さを抑えるのです。最低でも2年間再発した場合は5年以上の服用が推奨されますが、これは目安であり、受診までの期間が長いと服薬期間もさらに延びます。
統計では、最初の2年間の服薬で治療を終えられる人は全体の20%に過ぎず、残りの80%は再発し、10年、20年、さらに長期にわたり薬を飲み続ける人が多いです。

脳の過敏状態が一度記憶されると、生涯にわたって続く可能性もあります。
抗精神病薬は長期服用しても健康に害はありませんが、体重が増えることがあり、それに伴う糖尿病高脂血症には注意が必要です。食事や運動を意識した生活が大切です。

また、薬がホルモンに影響を与えることもあり、女性では生理不順が起こる場合もあります。薬による副作用にはすべて対策があるので、主治医とよく相談することが大切です。

再発の主な原因の一つは、薬を自己判断でやめてしまうことです。この行為は「自己断薬」と呼ばれます。
理由はさまざまで、通院が面倒になったり、体重増加が嫌でやめてしまったりする人もいます。また、家族や友人から「薬に頼らずに働くべきだ」と言われ、やめてしまうケースもあります。

理由は異なりますが、共通している背景には、病気に対する劣等感があります。精神科に通い薬を服用することを、自分が「負け組」と感じてしまうのです。
しかし、統合失調症は怠けや努力不足によるものではなく、脳の機能に問題がある病気です。不運にもこの病気になってしまいましたが、薬で症状をコントロールしながら生活できるなら、それを「治った」と捉えても良いのではないでしょうか。

薬を飲まなかった過去の自分に戻る必要はなく、薬を飲みながら新しい価値観を持って生きていけばいいのです。
病気を抱えながら生活することは、非常に立派なことです。
健康な人よりも何倍も努力して人生を生き抜いているということを、改めて自己認識しましょう。