今回は、軽自動車を使って商品を配送・納品する仕事に従事している発達障害をお持ちの方へのインタビューを通じて、日々の仕事内容や工夫、やりがい、そして今後の目標についてご紹介いたします。
一人で現場を任される責任の重さの中で、どのように日々の仕事をこなしているのか。
その真摯な姿勢をご紹介いたします。

この方の現在の仕事は、軽自動車でお客様のもとへ商品を届ける配送業務です。
主に取り扱う商品は、お菓子、ペットボトル飲料、アイスクリーム、カップ麺など、私たちの日常に欠かせない食品類です。
ただ物を運ぶだけでなく、お客様とのコミュニケーションも仕事の大切な一環です。
特に、新商品が登場した際には、その情報をお客様にお伝えすることで、商品に興味を持っていただけるように工夫しています。
また、大口の顧客には、箱単位で納品することもあり、業務は多岐にわたります。
こうした中で、相手のニーズを正確に把握し、期待に応える対応力が求められています。
この仕事の特徴の一つは、基本的に一人で作業を完結させる点にあります。
商品を積み込む作業から、配送ルートの確認、スケジュールの管理に至るまで、すべて自身の手で行います。そのため、自律性と責任感が強く求められます。
特に難しいと感じるのは、時間内に業務をすべて終わらせることです。
帰社時間がある程度決まっているため、その中でどのように配送を効率よく進めるか、常に時間配分を意識する必要があります。
交通状況や天候、現場での想定外のトラブルなども起こり得るため、柔軟に対応しながらも確実に仕事を終える力が必要とされています。
一人で業務を進めるとはいえ、すべてを孤独に行うわけではありません。
例えば、その日の配送件数が多すぎると判断された場合には、電話で上司に相談し、ルートの変更や配送件数の調整を依頼することができます。
また、毎朝の出発前には、大まかなスケジュールを立てるようにしています。
午前中のルートや休憩時間をあらかじめ決めておくことで、日中の業務を円滑に進めることができます。万が一スケジュール通りにいかない場合には、その都度報告を入れ、適切な指示を仰ぐことで問題解決につなげています。
日々の業務を行う上で特に意識しているのが「整理整頓」です。
車の荷台は外から見えることもあるため、常に清潔で整った状態を保つことを心がけています。
きちんと整えられた荷台は、仕事の効率を高めるだけでなく、お客様に対して「信頼できる人」としての印象を与えることにもつながります。
配送のプロとして、お客様に安心して任せていただけるよう、細部にまで気を配る姿勢は、日々の積み重ねによって築かれているのです。
以前は製造業で働いていた経験を持つこの方。
製造現場では、作業の工程や一日の流れが厳格に決められており、柔軟な対応が求められる場面は少なかったといいます。その中で、なかなか結果が伴わず、悩んだ時期もあったそうです。
しかし、そうした経験があったからこそ、自分に向いている働き方や環境を見極めるきっかけにもなりました。現在の配送業務では、自分のペースで動ける範囲が広く、業務ごとに工夫の余地がある点が合っていると感じているようです。

現在の仕事をする上で、とても役立っているのが「メモを取る習慣」だと語ります。
お客様からの細かな要望や、ちょっとした会話の中で出てきたリクエストなど、すぐに書き留めておくことで、次回の訪問時にきちんと反映することができます。
記憶に頼るのではなく、確実に記録に残すという姿勢は、仕事の信頼性を高めるだけでなく、お客様との関係性をより良いものにするためにも大きな効果を発揮しています。
仕事を続けていく中で、一番のやりがいを感じる瞬間は「お客様からの感謝の言葉をいただいた時」だそうです。
「いつも助かっています」「ありがとう」といった一言が、日々の努力を報われる瞬間だと語ります。
人との接点が多い仕事だからこそ、直接的な反応が返ってくることも多く、その一つひとつがモチベーションとなり、自信にもつながっているといいます。
将来的には、他のスタッフと同じだけの業務量をこなせるようになることを目標に掲げています。
そのためには、日々の体調や業務状況を的確に把握し、自分自身をしっかりとマネジメントすることが大切です。
また、短期的な目標だけでなく、長期的に働き続けられるように、一日一日を大切に過ごすことを心がけています。積み重ねによってしか得られない信頼と経験を糧に、より良い働き方を模索していきたいという前向きな姿勢が印象的でした。
一人で現場を回るという責任の重さの中にも、自分らしい働き方を見出し、周囲との信頼関係を築きながら日々の業務を丁寧にこなしている姿がありました。
派手ではなくとも、確かな一歩一歩が、社会の一部を支える大切な力になっていることを感じさせてくれるインタビューとなりました。
このような働き方を通じて得られる充実感と、地道な努力の尊さが、多くの方に伝わることを願っています。