発達障害を抱えており、現在転職を検討している方、あるいは休職中でこれからの働き方に悩んでいる方にとって、「自分に合った仕事とは何か?」という問いはとても重要です。自分の特性を理解せずに仕事を選ぶと、働き始めてからさまざまな困難に直面し、再び離職に追い込まれてしまう可能性もあります。
今回は、発達障害の方が「得意とする仕事」と「苦手とする仕事」の特徴を具体例とともにご紹介し、苦手な仕事への対処法についてもお伝えしていきます。

発達障害とは、生まれつき脳の一部に機能の偏りがあることによって、日常生活や対人関係などに困難が生じる状態を指します。主に以下の3つのタイプに分類されます。
これらの特性に応じて、向いている仕事・向いていない仕事が大きく異なるため、自分の特性に合った仕事を見極めることが大切です。

やるべきことが明確で、作業の手順が決まっている仕事は、発達障害の方にとって大きな安心材料になります。特にASDの方は、ルールを守る力が強く、手順が決まっている作業を得意とする傾向があります。ADHDの方でも、マニュアルが整備されていることで作業への集中力が高まり、ミスの軽減につながります。
周囲の雑音や頻繁な人間関係のやり取りが少なく、自分のペースで取り組める仕事は、特にASDやADHDの方に向いています。聴覚過敏などの感覚過敏がある方にとっても、静かな環境で黙々と作業できる仕事は安心です。
発達障害の方の多くは、自分の「好きなこと」「強い興味」を持っている分野では、飛躍的なパフォーマンスを発揮することがあります。ASDの方は、特定の分野に対して深い知識を持っていたり、論理的な思考が得意だったりします。ADHDの方も、興味を持ったことには驚くほどの集中力を発揮します。

マニュアルにないトラブル対応や、状況に応じた判断を求められる仕事は、発達障害の方にとって大きなストレスとなることがあります。特にASDの方は「想定外の事態」への対応が難しく、ADHDの方も同時に複数のことを処理するマルチタスクに苦手意識を持ちがちです。
ASDの方にとって、対人関係の構築や曖昧な指示への対応は大きな負担になります。ADHDの方も、興味のない会話や人間関係の摩擦には苦痛を感じやすく、継続的な信頼関係を築くことが難しい場合があります。
具体例:
サポートを得られない職場環境では、苦手な部分をカバーすることができず、ミスやストレスが重なる原因となります。特に起業やフリーランスなどの自営業では、すべての業務を一人でこなす必要があり、発達障害の方にとっては非常に難易度が高い場合もあります。

まずは、自分の「得意・不得意」を正しく理解することが第一歩です。過去の経験を振り返り、どんな職場環境や業務で力を発揮できたのか、逆に困難を感じたのはどんな場面だったのかを分析しましょう。職種だけでなく、「環境」や「人間関係」も含めて考えることが重要です。
不得意なことを完全に避けるのではなく、道具や工夫によってカバーすることが可能です。
例:
3. 周囲の支援を得る
どうしても自分一人では対処できないことは、職場の上司や同僚、あるいは外部の支援機関に相談しましょう。就労移行支援事業所のような専門機関を活用することで、自分の特性に合った職場を見つけたり、必要なスキルを訓練したりすることができます。

仕事選びにおいて大切なのは、「自分の特性を受け入れ、適した環境で活躍できる道を探すこと」です。たとえ一見苦手に見える職種でも、環境調整や周囲の理解があれば、活躍の可能性は大いにあります。ぜひ一度立ち止まって、自分にとって本当に働きやすい職場とは何かをじっくり考えてみてください。