気分の浮き沈みが激しい精神疾患5つ

気分の浮き沈みが激しい…それって病気かも? 〜代表的な5つの精神疾患と対策〜

「ちょっとしたことでイライラしてしまう」
「昨日は元気だったのに、今日は無気力…」
日常生活の中で気分が上下することは誰にでもありますが、それが短期間で大きく変動し、生活や対人関係に支障をきたすようなら注意が必要です。

気分の浮き沈みが激しい背景には、脳や心の病気が隠れていることもあります。今回は、その中でも特に多くの人が悩む代表的な5つの精神疾患を紹介し、それぞれの特徴と対策について解説します。

気分の浮き沈みが激しいとは?

「気分の浮き沈みが激しい」とは、短期間のうちに感情の状態が大きく変わることを指します。

例えば:

  • 朝は元気だったのに、午後から急に落ち込む
  • ある出来事に激しく反応して感情が爆発する
  • 昨日と今日で気分が全く違う

こうした変化は、ストレスや体調の変化で一時的に起きることもありますが、頻繁に繰り返す場合は、精神疾患の可能性もあります。

気分の浮き沈みが起こる背景

気分が大きく揺れる要因には、以下のようなものがあります:

  • ストレスや環境の変化(対人関係、仕事、学校など)
  • 身体的な影響(睡眠不足、ホルモンバランス、体調不良)
  • 精神疾患による脳の働きの変化

日常の疲れなどで一時的に感情が不安定になることは誰にでもありますが、原因がはっきりせず長く続く場合は、精神疾患の可能性も考えられます

気分の浮き沈みが激しいと、どうなる?

感情の波が大きくなると、日常生活にも以下のような影響を与えることがあります。

  • 対人関係が不安定になる
     → 怒りやすくなったり、急に落ち込んだりして相手を戸惑わせる
  • 仕事や学業で集中力が保てない
     → 気分の波によって行動が安定しない
  • 自己評価が揺れやすくなる
     → 感情に引きずられ、自分を責めたり不安定になったりする

これらの状態が続くと、人間関係のトラブルや社会生活の困難にもつながるため、早めの対処が大切です。

気分の浮き沈みが激しくなる5つの代表的な精神疾患

ここでは、気分の変動が特に目立つ5つの精神疾患について紹介します。

① 双極性障害(躁うつ病)

特徴:
うつ状態(気分が落ち込む)と躁状態(気分が高ぶる)を周期的に繰り返す病気です。

  • 躁のとき:元気すぎる、活動的すぎる、睡眠時間が減る、攻撃的になる
  • うつのとき:無気力、悲観的、自分を責める、動けない

気分の変動のしかた:
一般には数週間〜数か月で交互に状態が変化しますが、短期間で変わる「ラピッドサイクラー」や、躁とうつが混在する「混合状態」もあります。

対策・治療:

  • 医療機関での受診が不可欠
  • 気分安定薬や抗精神病薬の使用
  • 生活リズムを整えることが予防につながる

② ADHD(注意欠如・多動症)

特徴:
集中力の低下、多動、衝動性が特徴の発達障害です。感情の調節が苦手で、気分の波が激しく見えることもあります。

気分の変動のしかた:

  • 些細な失敗や注意で急に落ち込む
  • 興奮しやすく、感情を爆発させやすい
  • 疲れた時や睡眠不足で感情コントロールが難しくなる

対策・治療:

  • ADHD治療薬(コンサータ、ストラテラなど)が効果的なことも
  • 感情の「一歩引く」練習やコーピングの習得
  • 生活リズムの安定と睡眠の確保が鍵

③ 境界性パーソナリティ障害(BPD)

特徴:
感情の調整が非常に難しく、対人関係に強く影響を受けやすいパーソナリティ障害です。

気分の変動のしかた:

  • 人に拒絶されたと感じた瞬間に激しい怒りや落ち込み
  • 自己否定が強くなると気分が急激に落ち込む
  • 愛着や依存、孤独感に伴う情緒不安定

対策・治療:

  • 特効薬はなく、心理療法が中心(DBTなど)
  • 感情が不安定になったときの対応スキルを習得する
  • 少しずつ「自分軸」を育てていく

④ PMS/PMDD(月経前症候群/月経前不快気分障害)

特徴:
月経前に心身の不調が起こるPMS。その中でも精神症状が重く現れるタイプがPMDDです。

気分の変動のしかた:

  • 月経前数日に突然イライラ、不安、落ち込みが強くなる
  • 体調不良や痛みと重なり感情も不安定に
  • 普段は元気でも、月経周期に合わせて変動する

対策・治療:

  • 月経周期の記録と負担の調整
  • ピルやSSRI(抗うつ薬)の使用が有効な場合も
  • 婦人科・精神科の連携が効果的

⑤ 非定型うつ病

特徴:
うつ病の中でも「良い出来事に反応して一時的に気分が上がる」という変動の大きさが目立つタイプです。

気分の変動のしかた:

  • 否定的な出来事で気分が大きく沈む
  • 逆に、肯定的な出来事には一時的に元気になる
  • 過食、過眠、拒絶への過敏さなども特徴

対策・治療:

  • うつ病と同様に抗うつ薬や心理療法を用いる
  • 自分の感情パターンを把握しやすいよう記録をつける
  • 規則的な生活とストレス管理が重要

気分の浮き沈みへの対策

どの病気であっても、以下のような対策は共通して役立ちます。

● ストレスや疲労をためない

→ 自分なりのリラックス方法を見つけておく

● 生活リズムを整える

→ 睡眠、食事、運動のバランスを大切に

● 気分の「逆」をしてみる

→ 落ち込んだ時こそ少し外に出る、無気力な時にあえて体を動かすなど

● 専門機関を受診する

→ 気分の変動が続いたり生活に支障が出ている場合は、早めに受診を

まとめ:気分の波に飲み込まれないために

気分の浮き沈みが激しいと感じるとき、その背景には脳や心の働きの乱れが関係している可能性があります。代表的な疾患としては:

  1. 双極性障害
  2. ADHD
  3. 境界性パーソナリティ障害
  4. PMS/PMDD
  5. 非定型うつ病

があります。

気分の波は、対人関係や自己評価に大きく影響を与えるため、放置せず早めに対応することが大切です。

まずは「もしかして…?」と気づくことから。
一人で悩まず、医療機関や支援者の力を借りて、感情の波と上手につき合っていきましょう。