この問題、わからなければADHDかも?【大人の発達障害】

~大人の発達障害を知るクイズ形式の自己チェック~

発達障害、とくにADHD(注意欠如・多動症)は、子どもの問題と考えられがちですが、実は大人になってから「生きづらさ」として表れるケースも少なくありません。
「どうしていつも忘れ物が多いのか」「気づいたら時間が過ぎていた」「大事な話を聞いていなかった」――そんな経験、あなたにもありませんか?

今回は、大人のADHDの特徴をクイズ形式で紹介しながら、日常の中に潜む“気づき”のヒントをお届けします。


第1問:朝の支度中のあなた。何が起きている?

【場面】

朝、仕事に向かう準備をしているはずなのに、時間が過ぎていく――
ふと気づくと、テレビやスマートフォンに夢中になり、身支度が手つかずのまま。時計を見て驚いて家を飛び出すことに。

【ここに現れているADHDの特徴】

  • 注意散漫(不注意)
  • 時間管理の困難

ADHDの代表的な特徴の一つに「注意の持続が難しい」ことがあります。やるべきことがあっても、目の前の刺激(テレビやスマホなど)に意識が引っ張られてしまい、肝心な準備が手つかずになることがあるのです。

このような行動は、本人の意思の弱さではなく、脳の特性に由来するもの。
「時間の感覚がつかみにくい」「一度注意がそれると、戻すのが難しい」なども、ADHDの人によく見られる傾向です。

【対策のヒント】

  • 朝の支度中はテレビをつけないようにする
  • スマホは別の部屋に置く、または通知を切る
  • 必要なタスクを付箋やタイマーで見える化する

「余計な情報はできるだけ入れないようにする」ことで、注意を本来の目的に戻しやすくなります。


第2問:朝礼中のあなた。どんな様子?

【場面】

会社の朝礼で上司が話している。最初はメモを取りながら聞いていたが、途中で集中が途切れてしまう。気づくと手は止まり、頭の中も別のことを考えている。
また、身体がムズムズして落ち着かず、モジモジ、キョロキョロしてしまう。

【ここに現れているADHDの特徴】

  • 集中力の持続困難
  • 多動・衝動性(じっとしていられない)

ADHDの中でも「多動・衝動性」が目立つ人は、特に会議や朝礼といった“受け身で静かな時間”が苦手です。
集中力が続かず、最初の5分は大丈夫でも、徐々に頭が別のことを考え始め、最後は何の話だったか覚えていないということも。

また、落ち着きがなく、足を組み直したり、背伸びをしたり、周囲を見渡したりといった行動が無意識に出ることもあります。

【対策のヒント】

  • 会議では前もってメモ用紙を用意し、あらかじめ項目を分けておく
  • 立ったままでも話を聞けるような環境調整を会社と相談する
  • 長時間の説明では、途中に意識的な「小休憩」を入れて頭をリセットする工夫を

環境を調整することで、無理なく集中しやすくなることがあります。


第3問:業務中のあなた。頼まれた仕事、どうしてる?

【場面】

上司に頼まれた仕事があることを、すっかり忘れてしまった。
他の作業中に声をかけられ、その場では「はい」と返事をしたものの、次に他のタスクに移った時にはもう覚えていない。
さらに、机の上は書類でいっぱい。どこに何があるのか分からず、必要な資料も見つからない。

【ここに現れているADHDの特徴】

  • タスク管理の困難
  • 優先順位がつけにくい
  • 忘れ物・紛失が多い
  • 整理整頓が苦手

ADHDの人は「マルチタスク」が非常に苦手です。複数のことを同時に処理するのではなく、次々に注意が切り替わってしまうため、ひとつ前の作業の記憶が飛んでしまうことがあるのです。

また、視覚的に情報が多すぎる環境(散らかった机など)では、集中も維持しにくく、さらに混乱しやすくなります。

【対策のヒント】

  • 頼まれたことは即座にメモを取り、タスクリストに追加する
  • 1日の予定はToDoリストやアプリで見える化して優先順位を明確に
  • 机の上には必要なものだけを出すよう、1日1回は整理する習慣を

ADHDの方にとっては、「視覚的な整理」と「やることの見える化」が非常に大きな助けになります。


第4問:帰り道のあなた。お買い物中に…

【場面】

帰り道にスーパーに寄ったあなた。本来は「牛乳と卵だけ」と思っていたはずが、気づくとお菓子や飲み物、雑貨など、かごはいっぱいに。
欲しいと思った瞬間に手が伸びてしまい、支払い時には予想以上の金額に…。

【ここに現れているADHDの特徴】

  • 衝動性の強さ
  • 計画的な買い物が苦手
  • 金銭管理の難しさ

ADHDの人は、「思いついたらすぐ行動」に移す傾向があります。これは日常生活のあらゆる場面で表れますが、中でも買い物は顕著です。
「必要なものだけを買う」という計画を立てても、実際には次々に気になる商品が目に入り、それを我慢することが難しくなります。

クレジットカードのような“後払い”を使ってしまうと、金額の実感が薄れ、支払いに困るような事態にまで発展することもあります。

【対策のヒント】

  • 買い物リストを事前に作成し、それ以外のものは買わないよう意識する
  • 現金のみを使うようにする(使える額に上限をつける)
  • 衝動買いしそうになったら、一度手に取って「5分だけ考える」習慣をつける

「行動をいったん止める」仕組みを自分でつくることが、衝動性との付き合い方のカギになります。


おわりに:気づきは第一歩

ADHDの特徴は、その人の性格や努力の問題ではありません。脳の特性によって「見落としやすい」「混乱しやすい」「集中が続かない」といった困りごとが起きやすいのです。
しかし、特性を知り、自分なりの工夫やサポートを取り入れることで、日常生活はぐっと楽になります。

「これ、自分にも当てはまるかも」と思った方は、一度専門機関や医師に相談してみるのもよいでしょう。
気づくこと、そして向き合うことが、より生きやすくなる第一歩です。