眠れない精神疾患5つ


眠れない精神疾患5つ ─ 不眠が続くときに考えたい心の病気

「眠れない」――寝つきが悪い、夜中に目が覚める、朝早く目が覚めるなど、不眠は多くの人が経験する症状です。ストレスや生活習慣が原因のこともありますが、背景に精神疾患があるケースも少なくありません。ここでは、眠れなくなる主な精神疾患を5つ紹介し、対処のポイントを解説します。


不眠症とは?──4つのタイプ

不眠は、以下の4つのタイプに分かれます:

  • 入眠困難:布団に入ってもなかなか眠れない
  • 中途覚醒:夜中に何度も目が覚める
  • 早朝覚醒:朝早くに目が覚めてその後眠れない
  • 熟眠障害:寝ても疲れが取れない感覚が続く

これらの症状が続くと、心身に大きな影響を及ぼします。


眠れないことで起こる影響

  • 集中力や判断力の低下
  • 感情のコントロールが難しくなる
  • うつ病や不安障害など精神疾患の発症・悪化リスクが高まる
  • 糖尿病や高血圧など生活習慣病の悪化リスク

不眠を引き起こす代表的な精神疾患5つ

1. うつ病

うつ病は「気分の落ち込み」や「やる気の低下」が続く病気ですが、不眠も非常に多い症状です。

不眠の特徴

  • 夜、過去の失敗や未来の不安が頭から離れず眠れない
  • 昼間の活動が減り、体内時計が乱れる
  • 早朝覚醒や熟眠障害が出やすい

対処と治療

  • 薬物療法(抗うつ薬)と休養、カウンセリングを組み合わせる
  • 睡眠環境や生活リズムの見直しも重要
  • 「寝なければ」と思い詰めすぎない考え方の転換も役立つ

2. 不安障害

不安障害は、過剰な不安や緊張が長く続く状態で、夜間の不眠につながることが多くあります。

不眠の特徴

  • 夜になっても緊張や不安が取れない
  • 将来のことを考えすぎて眠れない
  • パニック発作で急に目が覚めることも

対処と治療

  • 抗うつ薬(SSRI)による治療が一般的
  • 寝る前のリラックス習慣(音楽・瞑想など)を取り入れる
  • 「眠らなきゃ」という焦りを減らす考え方も大切

3. 統合失調症

統合失調症は、幻聴や妄想が見られる脳の疾患で、初期症状として不眠が出ることもあります。

不眠の特徴

  • 緊張や被害妄想により安眠できない
  • 幻聴が眠りを妨げる
  • 不眠が続くと急性の混乱(興奮状態)が起きることも

対処と治療

  • 抗精神病薬による治療が基本
  • 必要に応じて睡眠薬も併用
  • 症状が激しい場合は一時的な入院治療が必要になることもある

4. 急性ストレス反応(適応障害・心的外傷後ストレス障害など)

強いストレスやショックを受けた後、一時的に不眠が起こることがあります。多くは一過性ですが、長引くと他の精神疾患に発展することも。

不眠の特徴

  • ストレス体験を何度も思い出して眠れない
  • 常に緊張していてリラックスできない
  • 体が過覚醒状態になっている

対処と治療

  • 一時的に睡眠薬を用いることもある
  • カウンセリングやストレスマネジメントで心を整える
  • 長引く場合は専門医の受診を検討する

5. ADHD(注意欠如・多動症)

ADHDは発達障害の一つで、不注意や多動性のほか、睡眠障害もよく見られます。

不眠の特徴

  • 生活リズムが不規則になりやすい
  • 寝る前に頭が冴えてしまう
  • 感覚過敏で音や光に過敏に反応してしまう

対処と治療

  • 毎日のリズムを整える(起床・就寝時間を一定に)
  • 感覚過敏への配慮(アイマスク・耳栓など)
  • ADHD治療薬が睡眠リズムを整えることもある

「眠れない」ときの3段階の対策

  1. 薬に頼らない対策
    • 生活習慣(就寝時間・運動・光の取り方)の見直し
    • 寝室の環境調整(温度・音・明るさ)
    • 考えすぎをやめ、「眠れなくても大丈夫」と思う工夫
  2. 依存の少ない睡眠薬の使用
    • メラトニン受容体作動薬など
  3. 必要時には一般的な睡眠薬も
    • 医師の指導のもと、最小限・短期間の使用を心がける

まとめ

「眠れない」という症状が続くと、生活や健康に深刻な影響を及ぼすことがあります。背景に精神疾患がある場合、以下の5つが代表的です。

  • うつ病
  • 不安障害
  • 統合失調症
  • 急性ストレス反応
  • ADHD(注意欠如・多動症)

早期の対処で悪化を防ぐことができます。不眠が続くときは、心のサインとして受け取り、生活の見直しや医療機関への相談を検討してみましょう。