「治りにくいうつ病」について5つのこと【難治性うつ病】【うつ病が治らない】

 うつ病に対して、2年以上にわたる薬物治療を行っても改善が見られない場合、「難治性うつ病」や「慢性うつ病」と呼ばれます。
 一般的に、うつ病の患者の7割は薬によって症状が緩和されますが、薬で改善しない場合は、電気刺激療法磁気療法といった特殊な治療が効果を示し、さらに1割程度の患者に有効です。

しかし、残りの2割程度の患者は、治療を続けても症状が改善せず、難治性うつ病の状態 に陥ることがあります。
 現在でも、多くの人々が難治性うつ病に苦しんでいます。
ここでは、難治性うつ病について5つのポイントを説明します。

1.薬で発症前の生活が送れていれば難治性ではない

薬で発症前の生活が送れていれば難治性ではない

薬を服用していて、仕事や日常生活が問題なく送れる場合は、難治性うつ病には該当しません。
難治性とは、薬を飲んでも発症前の生活に戻れない状態を指します。
薬を飲み続けている間は治っていないと考える人もいますが、抗うつ薬などは長期服用が可能であり、焦らず少しずつ減薬していけば問題ありません
同じ薬で状態が安定している場合は、減薬には生活習慣の見直しが必要です。

現代社会では、多くの病気の原因は自分の限界を超えた生活にあります。
嗜好品の過剰摂取や運動不足、不規則な生活も避けるべきです。
無理のしすぎを見直し、生活を少しずつ改善していきましょう。
長年薬を飲み続けていても、仕事を引退したり、ローンの完済や良いパートナーとの出会いをきっかけに薬をやめた人も多くいます。薬を飲み続けていても、やめることは可能です。

2.治りにくいうつ病も存在する

現在のうつ病の診断は、原因を考慮せずに、いくつかの症状が出ている場合に「うつ病」とされます。
ストレスや発達障害、出産後のホルモンバランスの変化など、原因はさまざまです。
そのため、うつ病は一つの病気ではなく、症候群のようなものであり、治りやすい場合もあれば治りにくい場合もあります。

特に、難治性の原因の1つに、生きることに対する絶望が難治性の原因となることがあります。
大切な人や物を失う、信頼していた人からの裏切り、大きな事故などが積み重なると、生きる力が失われることがあります。絶望感からうつ病になり、うつ病が絶望感をつくるサイクルとなります。
このような状況では、希望を持つことが難しく、時間が解決するまで待つしかない場合もあります。

3.難治性の患者の経過

難治性の患者の経過

難治性うつ病の患者が一生寝たきりで過ごすわけではありません。
多くの人が、障害年金や生活保護などの経済的支援を受けながら、少しずつ改善していきます
見た目には元気そうでも、うつ病は脳の機能が低下する病気であり、決して怠けているわけではありません。福祉の援助を受けつつ、焦らずに回復を待つことが重要です。

うつ病はまだ十分に解明されていない病気で、思わぬきっかけで良くなることもあります。
例えば、家族関係の変化や病院の変更、簡単な仕事を手伝うことなどで、症状が改善されるケースも多々あります。

4.難治性うつ病の治療は進歩している

難治性うつ病は、過去20年で注目され、少しずつ治療法が進展しています。
かつては、同じ薬を重ねて処方する「多剤投与」の問題がありましたが、現在では解消されつつあります。また、双極性障害Ⅱ型とうつ病の誤診による治療のこじれも改善されています。
今では、難治性うつ病に対して有効な薬の使い方が工夫され、治療法は進化し続けています。

5.とりあえず楽しいことから始めよう

とりあえず楽しいことから始めよう

病気ばかり考えるのは良くありません。早く治したいと焦るのではなく、むしろ病気から意識を逸らすことが大切です。そのためには、気軽にできる楽しいこと、好きなことから始めましょう。
音楽やゲーム、ペットを飼うこと、物づくりやスポーツなど、少しでも「生きていてよかった」と感じられる瞬間を見つけることが大切です。