40代からの再出発――ADHDと向き合いながら選ぶ、自分らしい働き方

「なんでみんなは普通にできるのに、自分はできないんだろう……」
40代という節目の年齢で、自分の特性と向き合い、ようやくADHD(注意欠如・多動症)の診断を受けたという方は少なくありません。それまでの人生では、「忘れっぽい」「集中力が続かない」「段取りが苦手」といった悩みに苦しみながらも、それが病気や障害特性であるとは気づかず、ただ「自分の努力不足」と責め続けてきた人も多いのではないでしょうか。
この記事では、ADHDの特性を理解し、それを活かしながら40代からのキャリアを見つめ直すための視点やヒントをお伝えします。
ADHDは、発達障害のひとつであり、大人になっても症状は続きます。特に以下のような特性が、仕事の場面で困難を引き起こしやすいとされています。

これらの特性は、一般的な「きちんと」「まじめに」働くことが美徳とされる日本社会では、強いプレッシャーや評価の低下につながることがあり、自信を失いやすくなります。
40代は、人生の折り返し地点とも言えるタイミングです。キャリアの蓄積がある一方で、体力の衰えや家庭の事情、価値観の変化も出てくる年代でもあります。
ADHDの特性を自覚したことで、「今までの仕事のやり方は自分に合っていなかったんだ」と気づく人も多いでしょう。この気づきは、自分にとって無理のない働き方を再構築するための大きなチャンスでもあります。

ADHDは「できないこと」が多く感じられますが、視点を変えれば「人とは違う強み」でもあります。以下に、ADHDの特性をポジティブに活かせる仕事選びのポイントを紹介します。
1. 興味を持てる仕事を選ぶ

ADHDの人は、「興味がないことには集中できない」が、「好きなことには驚くほど没頭できる」という傾向があります。この“過集中”は、アイデアが必要なクリエイティブな仕事や、変化の多い仕事で特に強みとなります。
2. ルーティンを避け、変化がある環境を選ぶ

単調な作業や、長時間同じ姿勢での仕事は、飽きやすいADHDの人にとって苦痛になりやすいもの。反対に、日々の仕事内容に変化がある職場では、飽きにくくパフォーマンスも維持しやすくなります。
3. 自由度の高い働き方を目指す

時間管理が苦手な人には、フレックスタイムやリモートワークなど、自分のリズムで働ける環境が向いています。また、タスクを自分の裁量で調整できる職種では、無理なく成果を出せることもあります。
4. サポート体制の整った職場を選ぶ

就労移行支援や障害者雇用など、ADHDなどの特性を理解したうえで支援してくれる制度も増えています。特性を隠して苦しむより、正直に開示し、理解ある環境で働くことは大きな安心感につながります。

ここで大切なのは、「世の中で評価される仕事」ではなく、「自分が自然体でいられる仕事」を選ぶことです。40代からの仕事選びは、「我慢の延長」ではなく、「人生の充実」に直結します。
例えば――
こうした働き方は、昔は「変わった人」のように見られていたかもしれませんが、いまはライフスタイルの多様化により、「当たり前」の選択肢となりつつあります。

ADHDのある人にとって、「普通の働き方」がつらいのは当然のことです。だからこそ、無理に合わせようとするのではなく、「自分に合った環境」を選ぶことが重要です。
40代は、失敗も成功も知ったあなただからこそ、人生の舵を自分の手で握ることができる年代です。ADHDの特性に気づいた今こそが、自分らしい生き方への第一歩なのです。
自分を責めるのではなく、いたわってください。そして、あなたがもっと自分らしく、心地よく働ける未来を、少しずつでも一緒に創っていきましょう。