うつ病は徐々に症状が現れ、やがて本格的に発症します。少しでも違和感を覚えたら、早めに病院を訪れるべきですが、日常生活が辛くても何とか続けられるため、受診のタイミングをつかむのが難しい場合があります。多くの場合、病院に行くべきか迷っている間に、家族や職場の人から勧められてようやく受診に至るケースが少なくありません。
現在、うつ病と診断されて医療機関に通っている人は日本で100万人いますが、実際には診察を受けていない潜在的な患者がその倍以上、つまり200万人以上存在すると言われています。
心には自然治癒力があります。うつ病になっても、適切な療養環境が整っていれば、医療機関を利用せずとも改善する場合があります。しかし、放置すると悪化するケースもあり、その場合は早めに受診することが重要です。また、治療が遅れると回復までの時間も長くなる可能性があります。ここでは、うつ病の危険な7つのサインを紹介します。
これらは、早めの受診が必要な深刻な症状です。
1.眠れない
うつ病は、脳内のセロトニンなどの物質が減少している状態です。これらの物質の乱れは、適切な睡眠によって回復が期待できますが、不眠症が続くとその乱れが改善されず、病状が悪化してしまいます。不眠を感じたら早めに病院を受診しましょう。軽度の段階であれば、短期間の睡眠薬の服用で改善することがあります。

2.死にたい気持ち
うつ病で最も危険なのは、自殺願望が現れることです。自分には価値がない、役に立たないと感じ、衝動的に行動に移してしまうことがあります。こうした思いが出てきた場合は、すぐに病院を受診するべきです。

3.不安や焦りで落ち着かない
うつ病は元気がなく静かなイメージがあるかもしれませんが、強い不安や焦燥感からそわそわし、じっとしていられなくなることもあります。この状態は衝動性が高まり、予期せぬ行動を取る可能性があるため非常に危険です。

4.気分の大きな変動
うつ状態に見えたかと思うと、突然テンションが高くなり、夜通し活動したり、多額のお金を使ったり、怒りっぽくなって周りの人とトラブルを引き起こすことがあります。これは、双極性障害(かつて躁うつ病と呼ばれたもの)の可能性があります。この病気は自然に治ることが少ないため、早期の受診が必要です。

5.被害妄想
うつ病でも「自分はみんなに迷惑をかけている」「価値がない」といった被害妄想が現れることがあります。これが進行すると、自殺のリスクが高まる場合もあります。また、統合失調症の初期症状としてうつ状態が現れることがあり、この場合も早めの診察が重要です。気分の落ち込みとともに、幻聴や妄想などの症状が現れる場合は、早めに受診しましょう。

6.アルコール摂取の増加
アルコールは脳内のドーパミンという物質を増やし、一時的に気分を改善させますが、依存性が高いため、うつ病が原因で飲酒量が増えていくと危険です。過度の飲酒は、うつ病だけでなくアルコール依存症や肝臓病のリスクを高めるため、早めの対処が必要です。

7.経済的支援の必要性
うつ病が悪化すると仕事が続けられなくなり、経済的な問題が生じます。経済的なストレスが病状を悪化させることがあり、こうした問題を抱える前に病院に相談し、傷病手当、自立支援医療、障害年金などの経済的な支援を受けて、障害手帳で福祉を利用できるようになりましょう。

うつ病の症状は人それぞれ異なりますが、ここで紹介したサインは特に危険なものです。疑わしいと感じたら、早めに医療機関に相談しましょう。うつ病は早期治療が早期回復につながります。