【ASD】他人との距離間がつかめない積極奇異型が仕事で困ること4選【大人の発達障害】

現代の職場では、多様な個性や働き方が受け入れられつつありますが、依然として発達障害を持つ方にとって働く環境は簡単なものではありません。特に、自閉症スペクトラム障害(ASD)の中でも「積極奇異型」と呼ばれるタイプの方は、対人関係における独特の困難さに直面することが多く、長く安定して働き続けるためには、周囲の理解と本人の工夫が必要です。

対人関係における独特の困難さに直面することが多く、長く安定して働き続けるためには、周囲の理解と本人の工夫が必要です。

この記事では、ASD積極奇異型の方に多く見られる特性と、仕事における具体的な課題、そして長期的な就労を実現するために心がけたい4つのポイントを丁寧に解説していきます。


ASD積極奇異型とは

ASD(自閉症スペクトラム障害)は、一人ひとり症状や特性が異なる「スペクトラム」として理解されています。その中でも「積極奇異型」とは、対人関係において積極的に他者に関わろうとするが、空気を読まず、自分本位な関わり方になりやすいタイプを指します。

ASD積極奇異型とは

このタイプの方は、悪意があるわけではありませんが、結果として相手を疲れさせたり、不快にさせたりすることがあり、周囲とのトラブルや孤立を引き起こしやすい傾向があります。
特に、知的障害のないアスペルガー型のASDの方に多く見られる特性でもあります。


積極奇異型の方が仕事で困りやすいこと

1. 会話が一方的になりやすい

積極奇異型の方は、自分の興味関心のある話題を一方的に話し続ける傾向があります。相手の反応を読み取ることが難しく、つい同じ話を何度も繰り返したり、率直すぎる表現で相手を驚かせてしまうこともあります。

相手の表情や言葉から「今は話を聞きたくない」といったサインを読み取るのが苦手なため、自覚がないまま相手を不快にさせたり、時間を奪ってしまうことも少なくありません。

2. 他者との距離感が近すぎる

初対面やまだ親しくなっていない相手にも、まるで旧知の友人のように話しかけたり、馴れ馴れしい態度を取ってしまうことがあります。また、プライベートな話題――たとえば、お金、恋愛、家族の話など――を遠慮なく持ち出してしまうこともあります。

それにより、相手が戸惑ったり、距離を置こうとするなど、人間関係の摩擦が生まれやすくなります。悪気はまったくないのですが、場面にふさわしい話題選びや適切な距離感が求められる場面では注意が必要です。

3. こだわりを押し付けがち

ASDの方は、自分なりのルールや手順に強いこだわりを持つ傾向があります。職場でそのこだわりが発揮されすぎると、「自分のやり方が正しい」と他人に押し付けてしまい、協調性に欠けると見なされることもあります。

3. こだわりを押し付けがち

また、会社の方針やチームのルールと自分の考え方が合わないとき、感情的になってしまい、上司からの指摘に反発してしまうこともあります。これが繰り返されると、職場での信頼関係や人間関係の悪化につながる可能性もあるのです。


長く働き続けるために大切な4つの工夫

積極奇異型の特性は、良い方向に生かせば社交的で親しみやすい性格として活躍できますが、職場では一定の工夫が必要です。以下に、職場でのトラブルを減らし、長く働き続けるために意識すべき4つのポイントを紹介します。

1. 喋りすぎない

自分が「喋りすぎているかどうか」に気づくのは難しいことです。そのため、最初から「喋りすぎないようにする」と意識しておくことが最も効果的です。

仕事の場では、「伝えるべき内容だけを簡潔に話す」ことが重要です。余談や雑談は、信頼関係ができてから徐々に増やしていく方が、職場での印象が良くなります。

2. プライベートな内容は話さない・聞かない

仕事の関係では、お金や恋愛、家族関係、宗教や政治などの話題は、基本的に避けた方が安全です。これらは相手にとってセンシティブなテーマであることが多く、誤解やトラブルの原因になります。

代わりに、天気や地域ネタ、趣味の話など、無難で誰にでも話しやすい話題を選びましょう。もし相手の方からプライベートな話題を出してきた場合は、「この人とは少し踏み込んだ話もして良い間柄かもしれない」という目安になります。

3. 敬語で丁寧に話す

馴れ馴れしさを避けるためにも、常に敬語を使う習慣をつけましょう。年齢や立場に関係なく、丁寧な言葉づかいを心がけることは、職場での信頼を得る大きなポイントです。

また、感情的になったときでも、丁寧な言葉づかいができていれば、周囲から冷静に見られやすくなり、大きな誤解や摩擦を防ぐことができます。意図せず相手を傷つけてしまうような「ディスり」や皮肉の言い回しは特に注意が必要です。

4. こだわりを押し付けない

仕事の場では、「生活のために働く」「組織の一員として役割を果たす」といった目的を忘れないことが大切です。自分のやり方に強くこだわりすぎてしまうと、周囲から孤立し、働き続けること自体が難しくなってしまいます。

もちろん、こだわりを完全に捨てる必要はありませんが、「ここは譲ってもいい」「これは我慢しよう」という優先順位をつけて行動することで、柔軟に対応できるようになります。

長く働き続けるために大切な4つの工夫

おわりに

ASD積極奇異型の方は、その社交的でエネルギッシュな性格から、職場で強みを発揮できる場面も多くあります。しかし、特性によって対人トラブルが生じやすく、長期的な就労の妨げになることもあります。

今回ご紹介したように、「喋りすぎない」「敬語を使う」「プライベートな話題を避ける」「こだわりを押し付けない」といったポイントを意識するだけでも、職場での人間関係がぐっと円滑になります。

おわりに

自分自身の特性を理解し、無理なくできる工夫を取り入れることで、安心して働ける環境が少しずつ築かれていくはずです。決して一人で抱え込まず、必要に応じて周囲の支援や助言も受けながら、自分らしく働き続けられる道を見つけていきましょう。

おわりに