発達障害は注意されると超傷つく!?傷つきやすい理由と対処法

発達障害のある方は、日常生活や職場などで注意された際に、他の人よりも深く傷ついてしまう傾向があります。「たった一言注意されただけで落ち込んでしまう」「他の人は気にしていないようなことがどうしても頭から離れない」といった経験に心当たりのある方も多いのではないでしょうか。

発達障害のある方は、日常生活や職場などで注意された際に、他の人よりも深く傷ついてしまう傾向があります。「たった一言注意されただけで落ち込んでしまう」「他の人は気にしていないようなことがどうしても頭から離れない」といった経験に心当たりのある方も多いのではないでしょうか

本記事では、発達障害のある方が傷つきやすい理由を丁寧に解説し、注意や叱責を受けた際に心を守るための対処法についてご紹介します。

本記事では、発達障害のある方が傷つきやすい理由を丁寧に解説し、注意や叱責を受けた際に心を守るための対処法についてご紹介します。

発達障害の人が傷つきやすい理由

自己肯定感が低くなりやすい

発達障害のある人は、幼少期から「他の子と違う」と感じられるような場面を経験することが多く、定型発達の子どもよりも怒られたり叱責されたりする回数が多い傾向にあります。ある研究では、そうした否定的なメッセージを受け取った回数が2万回以上多いとも言われています。

このような環境で育つと、「自分はダメなんだ」「また失敗してしまった」といった自己否定的な思考が癖になり、自己肯定感が低くなっていきます。自己肯定感が低い状態では、ちょっとした注意でも「自分は役に立たない存在だ」と極端に捉えてしまい、深く傷つきやすくなるのです。

自己肯定感が低い状態では、ちょっとした注意でも「自分は役に立たない存在だ」と極端に捉えてしまい、深く傷つきやすくなるのです。

また、自己肯定感が低いと「自分が悪い」と自責的になりがちで、注意されたことを何度も反芻し、心を疲弊させてしまう傾向があります。一方で、「自分は悪くないのに注意された」と怒りの感情に転じてしまう“他責的”な反応を取る人もおり、いずれにしても精神的なダメージは避けられません。

コミュニケーションの特性

特にASD(自閉スペクトラム症)の特性が強い方は、相手の言葉を文字通りに受け取りやすく、冗談やニュアンスを読み取るのが難しい場合があります

特にASD(自閉スペクトラム症)の特性が強い方は、相手の言葉を文字通りに受け取りやすく、冗談やニュアンスを読み取るのが難しい場合があります。

例えば、上司が軽く笑いながら「お前、何やってんだよ(笑)」と言ったとしても、それが冗談だと受け取れず、「本気で怒られた」と感じて深く傷ついてしまうことがあります。これは、言葉の裏にある感情や意図を読み取る力が弱いために起こる、コミュニケーション上のミスコミュニケーションです。

また、発達障害のある方の中には、物事を極端に捉える傾向がある人もいます。上司が「このミスは改善してほしい」と伝えただけなのに、「私は人格ごと否定された」と思ってしまうことがあります。これは事実の否定と人格の否定を混同してしまうために起こる誤解であり、感情のコントロールが苦手なためにそのまま落ち込みに直結してしまいます。

傷ついたときの対処法3選

発達障害の特性を持つ人が職場で注意を受けた際、傷ついてしまうのは避けがたいことかもしれません。しかし、落ち込んだ気持ちをそのままにしておくと、うつ病適応障害といった二次的な精神疾患を発症するリスクも高くなります

ここでは、心を守るための具体的な対処法を3つご紹介します。

注意された内容を冷静に書き出す

注意された内容を冷静に書き出す

怒られた直後は感情が昂っており、冷静に受け止めることが難しいものです。しかし、時間が経って少し気持ちが落ち着いた段階で、注意された内容を客観的に書き出してみましょう。

その際、次の3つのポイントを意識すると効果的です。

注意された理由や状況を明確に書く

多くの場合、注意には理由があります。相手は事実に対して注意しているのであって、人格を否定しているわけではありません「何故その注意が必要だったのか?」を冷静に整理することで、過剰に自分を責めることを防げます。

自分の感情は一旦脇に置く

「自分はダメだ」「怒られて辛い」などの感情は一旦抜きにして、あくまでも“事実ベース”で書き出すことが大切です。感情に流されてしまうと、実際に言われていないことまで脳内で付け足してしまうことがあります。

少し時間を置いてから取り組む

感情が昂っている時に書き出すと、どうしても主観的になってしまいます。30分〜数時間程度時間を空けて、冷静に物事を捉えられる状態になってから取り組みましょう

加えて、自己肯定感が低くなりやすい人は、自分の悪いところばかりに注目してしまう傾向があります。だからこそ、ミスしたことだけでなく「今日は最後まで仕事をやり切れた」「朝、ちゃんと起きられた」といった小さな成功体験にも目を向けて、自分を褒めてあげることが心の安定に繋がります。

自分を褒めてあげることが心の安定に繋がります。

自分なりの気分転換を取り入れる

落ち込んだ気分のままで過ごしていると、注意されたことが頭から離れず、作業効率が落ちてしまい、またミスを招くという悪循環に陥ることがあります。これを防ぐには、「気持ちを切り替えるための行動」をあらかじめ自分の中に用意しておくことが有効です。

たとえば以下のようなものがあります。

  • 昼休みに好きな音楽を聴く
昼休みに好きな音楽を聴く
  • コンビニで自分へのご褒美スイーツを買う
コンビニで自分へのご褒美スイーツを買う
  • 休日に小旅行やカフェ巡りをする
休日に小旅行やカフェ巡りをする
  • 好きな香りのアロマやお風呂でリラックスする
好きな香りのアロマやお風呂でリラックスする

仕事中であっても、数分だけ外の空気を吸う、温かい飲み物を飲むなどの短時間の気分転換は効果的です。気分をリセットする習慣を持つことで、ストレスとの付き合い方も上手になっていきます。

身近な人に気持ちを話してみる

辛い気持ちを自分の中に閉じ込めておくと、余計に心が疲れてしまいます。発達障害のある方は「どうせ理解されない」「迷惑を掛けてしまう」と感じてしまうかもしれませんが、まずは信頼できる人に思い切って話してみましょう。

身近な人に気持ちを話してみる

話し相手は職場の人でなくても構いません。家族、友人、カウンセラー、支援機関の相談員など、“あなたの味方”であることが前提の相手に、愚痴や不安、辛さを吐き出すことで、気持ちが大きく軽くなることがあります。

誰かに話すことで「そんなに自分を責めなくていいんだ」と気づけたり、「その対応は仕方なかったよ」と言ってもらえたりすることで、気持ちが前向きに戻ることも多いのです。

おわりに

発達障害のある方が注意や叱責に対して傷つきやすいのは、その人の弱さではありません。生まれ持った認知の特性や過去の経験から、そう感じやすくなっているだけなのです。

だからこそ、自分を守るための「対処法」や「気分転換の術」を知っておくことがとても大切です。心が壊れてしまう前に、少しずつでも自分を肯定し、回復させていけるような行動を積み重ねていきましょう。

おわりに

あなたが自分らしく、安心して過ごせる環境に少しでも近づけるよう願っています。