ADHD(注意欠如・多動症)は、発達障害のひとつで、主に「不注意」「多動性」「衝動性」といった特徴が見られる障害です。
これらの特性によって、仕事や日常生活でさまざまな困難を感じる人が少なくありません。
「やるべきことがあるのに気が散ってしまう」
「仕事中にぼーっとしてしまう」
「締切やスケジュールを守るのが苦手」
――こういった悩みを持つ方は、もしかしたらADHDの傾向があるかもしれません。
本記事では、ADHDの人が仕事でつまずきやすい「苦手なタスク」と、その対処法について詳しく解説していきます。自分自身の働き方を見直したい方や、職場でADHDの方と接している人にも参考になる内容です。

ADHDは、生まれつき脳の働き方に特徴がある発達障害で、「注意がそれやすい」「落ち着きがない」「思いつきで行動する」といった傾向が強く表れます。この特性が、仕事のパフォーマンスや人間関係に影響することがあります。
1. 不注意
2. 多動性
会議や事務作業など、じっと集中して行う仕事が苦手です。
本人に悪気がなくても、「そわそわしている」「落ち着きがない」と周囲から見られ、誤解を招くこともあります。
3. 衝動性

こうした特性が原因で、ADHDの人が特に苦手と感じやすいタスクにはいくつかの共通点があります。ここでは、よく見られる苦手な業務とその理由を紹介します。
1. 納期が厳しい業務
ADHDの方は、スケジュール管理やタスクの優先順位づけが苦手なため、納期に追われるような仕事はストレスになりやすく、ミスや抜け漏れが発生しやすいです。
2. チェック・検品などの確認作業
集中が途切れやすいため、確認ミスが起きやすく、人のミスを見つける作業にも苦手意識を持ちやすいです。「ちゃんと見たつもり」でも見落としてしまうことがあるため、慎重さが求められる検品業務などは特に難しいと感じる人もいます。
3. 書類作成・管理などの単調な作業
長時間の集中を必要とする単調な作業は、別のことを考えたり、気が散ってしまったりするので、ケアレスミスにつながります。そのため、特に数字や正確性が求められる業務は注意が必要です。

苦手なタスクを完全になくすことはできませんが、自分に合った工夫やツールを活用することで、苦手をカバーしながら働くことが可能です。ここでは、現場で実践しやすい4つの対処法をご紹介します。
1. タスク管理アプリを活用する
ADHDの人は頭の中だけでタスクを整理するのが苦手です。タスク管理には、スマートフォンのToDoアプリを活用するのがおすすめです。期限や重要度に応じて並び替えができるアプリを使えば、優先順位が明確になり、抜け漏れを防ぐことができます。
他人と共有できるタスク管理アプリ(例:Googleタスク、Trelloなど)を使えば、上司や同僚と進捗を共有しながら仕事を進めることも可能です。
2. チェックリストを作成する
確認ミスを減らすためには、事前に手順を整理した「チェックリスト」を用意しておくのが効果的です。頭の中で「たぶん大丈夫」と思っていても、実際には抜けていることがよくあるため、視覚的な確認手段が必要です。
例:請求書作成のチェックリスト
チェックリストを作成するのが苦手な場合は、同僚や上司に相談して一緒に作ってもらうのも良い方法です。
3. メリハリのあるスケジュールを組む
ADHDの人は、長時間同じ作業に集中するのが苦手です。そのため、午前と午後で仕事内容に変化を持たせるなど、メリハリのある働き方を意識するとよいでしょう。
例えば:
こうすることで集中力が保ちやすくなり、「疲れすぎて何もできない」という状態を防ぎやすくなります。
4. 周囲と連携して、ダブルチェック体制をとる
どうしてもミスが起きやすい業務については、同僚や上司と連携して「最終確認」をお願いするのも一つの方法です。たとえば、請求書の金額やメール文面の最終確認を他者に頼むことで、自分では気づけなかったミスに気づいてもらえる場合があります。
ただしこれは「依存」ではなく、「自分でできることはまずやった上での最終確認」であることが大切です。ミスを責められることを恐れるのではなく、ミスを最小限に抑えるための「仕組み」としてとらえるようにしましょう。

ADHDの人は、その特性ゆえに、仕事で苦手に感じるタスクが多く存在します。
しかし、苦手=できない ではありません。
自分に合った方法を見つけて、工夫を重ねることで、多くの困難は乗り越えられます。
また、職場にADHDの特性を理解してくれる人がいることも重要です。自分自身の工夫と、周囲のサポートが合わさることで、「働きにくさ」は「働きやすさ」に変わっていきます。
苦手な自分を否定せず、どうすればうまくいくかを考えていくこと。
それが、ADHDと共に働くための第一歩です。