【流されやすい…】ASD受動型の特徴4選【大人の発達障害】

ASD(自閉スペクトラム症)には4つの対人関係のタイプが存在します。そのうちの一つである「受動型」について、今回は詳しくご紹介いたします。受動型ASDの特徴を知ることで、ご自身やご家族、職場の同僚がより良い人間関係を築けるよう、理解を深めるきっかけとなれば幸いです。

【ASDの4つの対人関係タイプ】

ASDと一口に言っても、その対人関係の取り方には大きな違いがあります。一般的に、次の4つのタイプに分類されます。

  1. 孤立型 このタイプは周囲への関心が薄く、人と関わることをあまり好まない傾向があります。雑談が苦手で、人と話す際に目を合わせることができないなどの特徴があり、結果として孤立しやすくなります。
  2. 受動型 自分から積極的に人と関わることは少ないものの、他人から話しかけられた場合には素直に応じることができるタイプです。一見すると協調性があり「良い人」と見られがちですが、頼まれごとを断れずトラブルに巻き込まれることもあるのが特徴です。
  3. 積極奇異型 人との関わりに積極的ですが、距離感を掴むのが苦手で、自分の価値観やマイルールを他人に押し付けてしまうことがあります。そのため、一方的なコミュニケーションになりがちで、人間関係のトラブルが多い傾向にあります。
  4. 尊大型 こだわりが強く、それを他人に押し付けたり、他人を見下すような言動が見られるタイプです。学力や論理的思考力に優れる人が多いですが、対人関係の構築には困難を伴うことがあります。

今回はこの中でも、「受動型」に焦点を当ててその特徴を掘り下げていきます。

対人関係の取り方には大きな違い

【受動型ASDの特徴4選】

受動型の方は、対人関係において一見トラブルが少ないように見えるものの、内面には多くのストレスを抱えていることがあります。その主な特徴を4つ紹介します。

  1. 周囲に合わせすぎる 受動型の方は他人の働きかけに対して素直に応じる傾向があります。この性質は協調性があるように見える一方で、悪意ある人間の影響を受けやすく、詐欺や違法行為などに巻き込まれてしまうリスクもあります。断ることが苦手なため、望まない状況に巻き込まれやすい点は注意が必要です。
  2. 自己表現の困難さ 自分の考えや感情を表に出すのが苦手なため、無理な仕事でも断れずに引き受けてしまいます。周囲からは「頼りになる人」と見られがちですが、本人は限界を感じていることも多いのです。このような状態が続くと、過労やメンタル不調を引き起こす可能性があります。
  3. 空気を読みすぎてしまう ASDの人は「空気が読めない」とされることが多いですが、実際には「空気を読もうとしすぎて疲れる」こともあります。自分が他者と異なることを自覚しているため、必死に周囲に合わせようとし、その努力がかえってストレスになるケースが多く見られます。
  4. 二次障害のリスクが高い ストレスが蓄積されやすい受動型の方は、うつ病や適応障害などの二次障害を発症するリスクが高いとされています。限界まで我慢してしまい、助けを求めることが難しいため、周囲が気づいてサポートすることが重要です。
内面には多くのストレスを抱えている

【寄せられたご相談への見解】

「26歳の娘がどこへ行っても喧嘩をして職場が長続きしません。事務処理能力は高いのですが、理解のある職場があれば…」というご相談をいただきました。

喧嘩の原因が本人にあるのか、職場環境にあるのか明確ではありませんが、繰り返し人間関係のトラブルが起きているということは、ご本人にも何らかの課題がある可能性が高いです。

正直なところ、他者との関係を乱す行動に対して配慮してくれる職場は少なく、社会の中では他人と良好な関係を築くことも重要なスキルとされています。もしその特性が大きな負担となるのであれば、他者と関わる機会の少ない職種や働き方(在宅勤務など)を選ぶことも一つの方法です。

【周囲の理解と支援の大切さ】

周囲の理解と支援の大切さ

受動型ASDの方は、一見すると「問題がないように見える」ため、苦しんでいることに周囲が気づきにくいことがあります。断ることができない、自己主張ができないという特性に対し、周囲が以下のような対応を心がけることが大切です:

  • 本人に無理をさせないよう注意する
  • 明確な業務の範囲を設定する
  • 定期的に話を聞き、変化に気づく

また、本人自身も「自分の限界を知る」「少しずつ自己表現を練習する」といった取り組みを続けていくことが、長期的に健康的な社会生活を送るためには不可欠です。

【まとめ】

ASDには様々なタイプが存在し、その中でも受動型の方は「良い人」に見える反面、内面に多くのストレスを抱えているケースが多いということを知っておくことが大切です。自己理解と周囲の配慮が合わさることで、無理のない安定した生活を送ることができるようになります。ASDに対する正しい知識と理解が、誰もが生きやすい社会の実現に繋がると信じています。