発達障害は自分の意見がない!?意見を出すメリットと方法3選【ADHD・ASD】

 発達障害のある人が「意見がない」と誤解されることがありますが、実際にはさまざまな理由から意見を伝えるのが難しいだけで、何も考えていないわけではありません。以下に、主な背景と対策をまとめます。

発達障害のある人に意見がないと誤解される理由

1. 情報不足による意見形成の困難

ASD(自閉スペクトラム症)の特性の一つに「興味の偏り」があり、関心のない分野については情報が入ってこず、意見を持ちにくくなります。たとえば流行に関心がないと、話題にされたときに意見が出せず「何も考えていない」と見られがちです。

2. とっさに意見をまとめるのが苦手

突然の質問や会議で即座に意見を求められると、頭の中を整理して言語化するのが難しいと感じる人もいます。特にASDの方は抽象的な質問に対応しにくく、「聞く」「考える」「話す」というマルチタスクに強い負荷がかかります。

3. あえて発言しないという選択

過去に「伝わらなかった」「否定された」といった経験を持つと、意見を言うこと自体に消極的になる場合があります。これは意見がないのではなく、「言っても無駄」という気持ちから発言を避けているのです。

4. 意見が変わることで「軸がない」と思われる

ADHD傾向のある人は思考の移り変わりが早く、話しているうちに意見が変わることがあります。その結果、周囲からは「結局何が言いたいのか分からない」と思われることもありますが、これは思考の展開が活発であることの表れです。

5. 会話に集中できない

ADHDの不注意傾向やASDの感覚過敏によって、会議や会話に集中できないことがあります。話の内容が頭に入っていなければ、当然意見を出すことは難しくなります。

意見を伝えるメリット

意見を伝えるメリット

1. ストレスの軽減

本心を我慢して周囲に合わせる生活は、ストレスの蓄積につながります。自分の気持ちを適度に伝えることで、不満をため込まずに済み、心の安定が保たれます。

2. 周囲の理解が得られる

どれほど親しい人であっても、言葉にしない限り真意は伝わりません。「うまく話せない」という悩みも含めて共有することで、理解や配慮を受けやすくなります。

3. 信頼関係が築きやすくなる

意見を伝えることで、自分という人間像が明確になり、相手に安心感を与えることができます。結果的に、仕事や人間関係の中で信頼を得やすくなります。

意見を伝える工夫

1. 書き出して整理する

考えを頭の中でまとめるのが難しいときは、紙に書き出してみましょう。書くことで思考が整理され、自信を持って伝えやすくなります。

2. 考える順番を決める

「何について聞かれているか」「自分の結論は何か」「なぜそう思うか」といったステップを意識することで、論理的に意見をまとめやすくなります。

3. アサーションを活用する

アサーションとは、相手を尊重しながら自分の意見も適切に表現する方法です。「私はこう思う」と自分を主語にすることで、攻撃的にならずに伝えることができます。

まとめ

まとめ

 発達障害のある人が「意見がない」と見られる背景には、情報へのアクセスの偏り、即答の難しさ、過去の経験によるあきらめ、思考の変化の速さ、注意の維持の困難さなど、さまざまな要因が関係しています。実際には多くの人が意見を持っており、それを「うまく伝えられない」状況にあるだけです。

相手に意見を求める側にも、問いかけ方やタイミングに配慮が求められます。特性を理解し、意見表明の方法やペースを尊重することが、円滑なコミュニケーションと共生社会の実現につながるのではないでしょうか。