発達障害の休日は全然休まらない

発達障害のある方が休日でも休まらない理由とその対策

発達障害を抱える方の中には、「せっかくの休日なのに、全く休めた気がしない」「仕事の疲れが抜けないどころか、逆に疲れてしまう」と感じる方が少なくありません。
休日は本来、心身のリフレッシュを図る大切な時間ですが、発達障害特有の特性がその休息を妨げてしまうことがあります。

本記事では、発達障害のある方が休日に休まらない主な理由と、それを少しでも快適な時間に変えるための具体的な方法についてご紹介します。

休日に休まらない主な理由

休日に休まらない主な理由

1. 仕事のミスを引きずってしまう

発達障害のある方の中には、仕事とプライベートの切り替えが苦手な方が多くいらっしゃいます。
特に、職場でのミスやトラブルを引きずりやすく、休日であってもその出来事を何度も思い返してしまうことがあります。

「なぜあんな失敗をしたのか」「また同じことを繰り返すのではないか」といった思考が頭を巡り、心が休まることなく過ぎてしまいます。
その結果、自分を責めて落ち込んだり、憂うつな気持ちになったりして、せっかくの休日が台無しになってしまうのです。

2. スケジュールが過密になりやすい

ADHD(注意欠如・多動症)傾向の強い方は、衝動的に行動をしてしまうことがあります。
そのため、思いつきで日帰り旅行に出かけたり、予定を詰め込みすぎたりして、体力的にも精神的にも疲弊してしまうことがあります。

旅行や外出自体は楽しいものですが、無計画な行動は「休日なのに仕事より疲れた」という事態を招きかねません。
結果として、せっかくの休日がリフレッシュの場ではなく、疲労の蓄積となってしまいます。

3. 趣味に没頭しすぎる(過集中)

ADHDやASD(自閉スペクトラム症)の傾向を持つ方は、好きなことに対して非常に強い集中力を発揮する「過集中」の状態に陥ることがあります。
例えば、趣味のゲームや動画視聴に何時間も没頭してしまい、食事や睡眠、休憩を忘れてしまうことが少なくありません。

過集中中は疲労を感じにくいため、本人も無自覚なまま長時間を過ごしてしまいます。
しかし集中が途切れた瞬間に、一気に疲れを感じてしまうのです。
そのため「休日なのに疲れが取れない」「逆にぐったりしてしまった」という結果に繋がりがちです。

4. ルーティンの変化がストレスになる

特にASDの傾向を持つ方に多いのが、生活のルーティンが崩れることで強いストレスを感じるという特性です。
平日は仕事を中心に一定の生活リズムが保たれているため安心感がありますが、休日になるとそのリズムが崩れ、「何をすればいいのか分からない」と不安になってしまうことがあります。

また、休日中に起きたトラブルや感情の揺れを引きずり、翌週の月曜日に体調を崩す方も珍しくありません。平日は安定して過ごせても、休日の過ごし方に課題を抱えている方は多いのです。

快適に休日を過ごすための4つの工夫

快適に休日を過ごすための4つの工夫

では、発達障害の特性を理解しながら、心身ともに休まる休日を過ごすためには、どのような工夫ができるのでしょうか。
ここでは、具体的な対策を4つご紹介します。

1. 悩みは勤務時間内に整理・相談する

仕事でのミスや悩みを、可能な限りその日のうちに整理することが大切です。
上司や信頼できる同僚に相談するなどして、問題を抱え込まず、対処の方向性を見つけておくことがポイントです。

もちろん、気持ちの切り替えは簡単ではありません。
しかし、「仕事の悩みを休日に持ち込まない」ためには、少しでも早く気持ちを整理し、「次はこうしよう」と前向きに考えられる状態で帰宅することが大切です。

また、逆にプライベートの問題を仕事に持ち込まないよう、どちらの領域でも「引きずらない工夫」を心がけることが大切です。

2. スケジュールを事前に立てて行動する

衝動的な行動を避けるためにも、休日の計画はあらかじめ立てておきましょう。
特に旅行など外出を伴う行動は、移動時間や休憩の時間も含めてスケジュールを立てることで、過度な疲労を防ぐことができます。

他人と一緒に行動する場合は、無理のない行程になっているかを確認し合うと安心です。
計画を立てておくことで、気持ちにも余裕が生まれます。

3. アラームを活用して過集中を防ぐ

過集中による疲労を防ぐために、タイマーやアラームを活用するのは有効です。
たとえば、ゲームを始める前に「1時間でアラームを鳴らす」と設定しておくことで、自分を一度現実に引き戻すことができます。

食事や入浴、睡眠など、日常生活に必要な行動が疎かにならないよう、時間を意識する工夫を取り入れましょう。好きなことを適度に楽しむことが、長い目で見て健康的な過ごし方につながります。

4. 自分なりの休日ルーティンを作る

平日に比べて自由度が高い休日こそ、自分に合った「休日ルーティン」を作ることが有効です。
たとえば、「午前中は読書、午後は散歩、夕方からゲーム」など、あらかじめ過ごし方をパターン化しておくと、ストレスが軽減されます。

このルーティンは、あくまでも“目安”であり、無理に縛る必要はありません。
しかし「何をしていいのか分からない」という不安を減らし、過ごし方に一定の見通しを持つためにはとても役立ちます。

おわりに

発達障害のある方が休日に疲れてしまうのは、その人自身のせいではなく、特性に起因する自然な反応でもあります。
大切なのは、自分の特性を責めるのではなく理解し、少しずつ対策を講じていくことです。

毎日の生活の中で「自分なりの休み方」を見つけていければ、きっと今よりも少し穏やかで、充実した休日を過ごせるようになるはずです。
焦らず、自分に合ったペースで取り組んでいきましょう。