イライラする精神疾患5つ──怒りっぽさの背景にあるこころの問題とは
「最近、すぐイライラする」「小さなことに腹が立ってしまう」──そんな状態が続いているとき、単なる疲れやストレスでは済まない可能性があります。
精神疾患が関係しているケースもあるため、背景を知り、必要に応じた対処をすることが大切です。
イライラとはどういう状態か
イライラとは、小さな刺激にも怒りや不快感を強く感じる状態です。以下のような影響が出やすくなります:
- 攻撃的になりやすく、人間関係に悪影響が出る
- 集中力や判断力の低下につながる
- 自分自身でもコントロールが難しく、ストレスが悪循環になることも
イライラの原因は?
一時的なイライラの多くは、以下のようなストレスや疲労によって起こります:
- 人間関係や仕事のストレス
- 睡眠不足や体調不良
- ホルモンバランスの変化
しかし、こうした原因以外に、「精神疾患」が背景にあることもあります。ここからは、代表的な5つの精神疾患について詳しく見ていきましょう。
イライラが目立つ精神疾患5つ
1. 双極性障害(躁うつ病)
気分が高揚する「躁」と、気分が落ち込む「うつ」を繰り返す病気です。躁状態のときに特にイライラが目立ちます。
イライラする場面
- 計画が思い通りにいかないとき
- 周囲が自分のスピードについてこられないとき
- 否定や批判を受けたとき
対処と治療
- 気分安定薬による治療が中心
- 医療機関での継続的なフォローが不可欠
- 日常生活では刺激を減らす工夫(予定の詰め込みすぎ回避など)
2. 不安障害
強い不安や緊張が長期間続く疾患で、心配が高じてイライラにつながることがあります。
イライラする場面
- 心配事が頭から離れないとき
- 突発的な変化に直面したとき
- 余裕がない中でストレスが重なったとき
対処と治療
- 抗うつ薬(SSRI)や精神療法による治療
- リラクゼーションや呼吸法などで副交感神経を働かせる
- 睡眠や食事などの基本的な体調管理が重要
3. 月経前症候群(PMS)・月経前不快気分障害(PMDD)
女性に特有の周期的な心身の不調です。特にPMDDは精神症状が顕著で、強いイライラが目立ちます。
イライラする場面
- 月経前の数日間
- 心配事や急な予定変更が重なったとき
- ストレス耐性が落ちているとき
対処と治療
- 婦人科でのホルモン治療(低用量ピルなど)
- 精神的な症状には抗うつ薬の併用も検討
- 月経周期を把握し、負担を軽減する工夫(予定を詰めすぎないなど)
4. ADHD(注意欠如・多動症)
発達障害の一種で、衝動的な行動や感情のコントロールが難しいことが特徴です。イライラしやすく、突発的な怒りが見られることもあります。
イライラする場面
- 退屈すぎる、または刺激が多すぎる場面
- 予定通りに進まないとき
- 他人からの注意や否定に対して
対処と治療
- ADHD治療薬(中枢刺激薬・非刺激薬)によるコントロール
- 環境調整(静かな作業環境、刺激の制御など)
- 怒りの感情が出たときに一歩引く練習やセルフモニタリング
5. 境界性パーソナリティ障害(BPD)
感情が激しく揺れ動きやすく、人間関係にも波が出やすい特徴があります。強いイライラや衝動的な行動が見られることが多い疾患です。
イライラする場面
- 他人から否定されたと感じたとき
- 自己否定感が強まったとき
- ストレス刺激を受けたとき
対処と治療
- 特効薬はないが、感情調整のスキルを身につける精神療法が中心(例:弁証法的行動療法=DBT)
- 衝動的な行動への対処を先に身につけ、その後に感情全体の安定を目指す
- 周囲の理解や支援も非常に重要
イライラへの対処法の基本
精神疾患が背景にある場合でも、以下のような基本的対策が助けになります。
- リラックス法(深呼吸、ストレッチ、瞑想など)
- ストレスマネジメント(予定を詰めすぎない、タスクの分散など)
- 疲労・睡眠不足の改善(休息の質を高める)
- 必要に応じて精神科・心療内科の受診も検討
まとめ
イライラは誰にでも起こる感情ですが、慢性的に続いたり、対人関係に影響を与えるようであれば、精神疾患の可能性を考えることが重要です。以下の5つが代表例です:
- 双極性障害
- 不安障害
- 月経前症候群・PMDD
- ADHD
- 境界性パーソナリティ障害
ストレスや体調管理といった共通の土台を整えつつ、個々の疾患に応じた対処を組み合わせることで、イライラへの対応力が高まります。