今回は、「発達障害の方にとって、ママ友付き合いがつらい理由」というテーマでお話しします。加えて、そうした状況の中で、どのようにママ友と付き合っていけばよいかという具体的な方法もご紹介します。

子どもが小学校低学年くらいまでの間、公園での付き添いや送り迎えの場面で、自然とママ友同士の雑談が始まることがよくあります。いわゆる「井戸端会議」ですね。
この井戸端会議を苦痛に感じる発達障害の方は少なくありません。その理由の一つは、複数人での会話が苦手であること。1対1ならまだしも、数人が一斉に話す状況になると、誰の話を聞けばいいのか、いつ自分が話していいのかといった「会話の流れ」が読みづらく、居心地の悪さを感じてしまいます。
さらに、ママ友同士の会話は「目的のない雑談」であることが多く、それが苦手という方もいます。発達障害のある方の中には、目的を持って会話をしたい、意味のある情報交換がしたいと考える「男性脳的」な思考を持つ人も少なくありません。そうした人にとって、なんとなく話す女子トークは、とても負担に感じることがあります。
また、「空気を読む」「表情を読み取る」「曖昧な表現を理解する」といった、暗黙のコミュニケーションも求められるため、さらに難しさが増すのです。
ママ友との関係が負担に感じるもう一つの理由は、「子ども同士が仲良しだから」という状況です。本来なら、自分が好ましいと感じる人とだけ付き合えばよいはずですが、子どもがその家庭の子と仲良くしている場合、どうしても親同士の付き合いも必要になってきます。
これは多くの親御さんが経験していることだと思います。たとえ自分が苦手だと感じる相手であっても、子どもの人間関係に悪影響が出るのではないかと心配し、無理をしてでも関係を続けようとします。その結果、精神的に疲弊し、ストレスや不安を抱えてしまうこともあります。

ママ友との関係を良好に保つためには、相手の地雷を踏まないように注意したり、空気を読んだり、会話の内容に気を遣ったりと、非常に多くの配慮が求められます。
しかし、発達障害のある方にとっては、こうした高度な対人スキルがとても難しいものです。自分では何気なく発言したつもりでも、相手を傷つけてしまったり、場の雰囲気を悪くしてしまうこともあります。結果として、「自分は何を話せばいいのか」「また何か失敗するのではないか」と不安になり、自信を失ってしまうことが多いのです。
このように、ママ友付き合いには「見えないプレッシャー」が多く、それが発達障害の特性と重なり、大きなストレスとなってしまうのです。
ママ友付き合いを完全に避けることは難しいかもしれません。でも、少しの工夫で負担を減らし、自分らしく付き合っていく方法もあります。

井戸端会議の場で、会話に入るのが苦手な場合は、積極的に子どもと一緒に遊ぶことで自然に会話の輪から離れることができます。公園で子どもと遊んでいれば、「子どもの見守りをしてくれてありがとう」と感謝されることもありますし、それがむしろ好印象につながることもあるのです。
話に無理に入らずとも、その場にいる意味を持たせることができるので、精神的な負担も軽くなります。
自分がどこまで関わるか、あらかじめ「境界線」を決めておくのも大切です。例えば、「LINEは必要な連絡だけ」「深い話には踏み込まない」など、自分の中でルールを設けておくことで、無用なストレスを避けることができます。
また、会話のネタもあらかじめいくつか用意しておくと安心です。たとえば、「最近行った美味しいお店」や「おすすめのレシピ」「子どもの習い事の話」など、無難で誰にでも共通する話題を選べば、会話もスムーズになります。

最後に何より大切なのは、「必要以上に自分を責めない」ことです。
発達障害の特性があってもなくても、人付き合いが得意な人もいれば、苦手な人もいます。ママ友との関係がうまくいかないことがあっても、それは決してあなたの全責任ではありません。
そもそも、ママ友付き合いは長くても子どもが中学生になる頃には自然と終わっていくものです。小学校高学年になれば、親の介入なしに子ども同士で遊ぶことが多くなり、親同士の関係も次第に薄れていきます。
今うまくいかない関係が、あなたの人生にずっと続くわけではありません。だからこそ、無理に自分を追い込まず、あと数年だけの「一時的な関係」と割り切って付き合っていくのも一つの方法です。
ママ友付き合いは、発達障害のある方にとってはとても大きな壁に感じられるかもしれません。ですが、無理をせず、自分らしく、必要以上に気を遣いすぎない形で、少しずつ距離を取りながら関係を築いていくことが大切です。
今苦しんでいるあなたも、一人ではありません。同じような悩みを抱えている人はたくさんいます。だからこそ、自分自身を守りながら、前を向いて歩んでいきましょう。