【発達障害】ASDの人はキレやすい!?理由と感情的にならない方法4選

ASDの人は本当に「キレやすい」のか?その実態と感情的にならないための対策

発達障害の一つであるASD(自閉スペクトラム症)の特性について、近年さまざまなメディアで取り上げられるようになりました。その中でもよく耳にするのが、「ASDの人はキレやすい」「怒りっぽい」といったイメージです。しかし、本当にASDの人すべてがそうなのでしょうか?今回は「ASDの人は本当にキレやすいのか?」というテーマについて掘り下げてみたいと思います。


ASDは本当に「キレやすい」のか?

結論から言えば、「人による」というのが正直なところです。ASDと一口に言っても、その特性の現れ方には個人差があります。ネット上では「ASD=怒りっぽい」といった記事や動画も多く見受けられますが、決してすべてのASDの方に当てはまるわけではありません

ASDの対人関係スタイルは、主に以下の4タイプに分類されるといわれています。

  • 孤立型:他者との関わりをあまり求めないタイプ
  • 受動型:相手に流されやすいタイプ
  • 積極奇異型:積極的に関わろうとするが、こだわりが強い
  • 尊大型:自分の考えに強い自信を持ち、他者を見下しやすい

この中で、積極奇異型や尊大型の方は、自分の考えやこだわりを相手に押し付けがちになり、衝突が生まれやすい傾向があります。一方で、孤立型や受動型の方はあまり感情を表に出さず、むしろ「怒ったことがない」と話される方もいます。したがって、「ASD=キレやすい」という見方は非常に一面的であり、個々の性格や特性に応じて大きく異なります。


怒ることは本当に「悪」なのか?

「怒る」という行為自体が悪いわけではありません。大切なのは、“自分が損をしない怒り方”ができるかどうかです。怒りは非常にエネルギーを要する感情であり、ネガティブな印象を持たれがちです。しかし、問題の本質は「怒ること」ではなく、「どのように怒るか」にあります。

たとえば職場で上司や同僚に対して感情的に怒ってしまうと、相手のモチベーションを下げたり、関係性を悪化させる可能性があります。逆に、自分の伝えたいことを冷静に、相手を尊重する形で伝えられれば、感情を爆発させる必要はないのです。


ASDの人が怒りやすくなる要因

ASDの特性として、感情のコントロールが難しい場面があることは事実です。以下に、ASDの方が怒りを感じやすくなる主な理由を挙げます。

ASDの人が怒りやすくなる要因
  1. 感情コントロールの難しさ
    前頭葉の神経活動の低下により、感情や注意のコントロールが困難とされることがあります。また、ワーキングメモリー(短期記憶能力)が弱いと、些細なことで頭がいっぱいになり、怒りが生じやすくなります。
  2. 変化への対応が苦手
    ルーティーンや決まった手順を大切にするASDの方にとって、突然の変更は強いストレスとなります。予定変更などに対応しづらく、それが怒りに繋がることがあります。
  3. 白黒思考
    「こうあるべき」「こうでなければならない」という思考が強く、他者の価値観や行動を受け入れにくい場合があります。自分の基準から逸れた言動を許せず、怒りに変わることも。
  4. 一方的な会話スタイル
    早口でまくし立てたり、圧を感じる話し方になりやすく、相手からは怒っているように受け取られてしまうこともあります。
  5. 冗談や皮肉が通じにくい
    遠回しな表現や社交辞令をそのまま受け取ってしまい、誤解から怒りを感じる場面もあります。

感情的にならないための対策

感情が爆発する前に自制できるよう、以下のような具体的な対策が有効です。

感情的にならないための対策
  1. 自己理解と他者への説明
    「どのような場面で怒りやすいか」「どのような配慮があれば感情が安定するか」を把握し、周囲に伝えることが大切です。変化が苦手であれば、事前に変更を伝えてもらうようお願いするなど、具体的な対処が可能になります。
  2. メリット・デメリットを考える
    自分が怒りをぶつけることで得られるものと失うものを冷静に天秤にかけてみましょう。「自分の意見が通る」よりも「職場での信頼関係を保つ」ことの方が、長期的に見てメリットが大きいかもしれません。
  3. アンガーマネジメントの実践
    怒りを感じた瞬間に6秒待つ、怒りの強さを点数で数値化する(怒り3/10など)、怒りの記録(アンガーログ)を取るなど、自分の感情を客観視する訓練をすることで、感情の爆発を防ぐことができます。
  4. 心を落ち着かせるルーティーンを持つ
    深呼吸、瞑想、静かな場所への移動、リラックスできる音楽や香りなど、自分なりの「落ち着く方法」を事前に用意しておくことも効果的です。感覚過敏がある方は、イヤマフや耳栓の活用もおすすめです。
心を落ち着かせるルーティーンを持つ

まとめ

ASDの人は本当に「キレやすい」のか?という問いに対しては、「一概には言えない」というのが正しい答えです。怒りの感情は誰にでもあるものですが、その出し方、向き合い方によって人生の質は大きく変わってきます。

大切なのは、「自分が損をしない怒り方」を身につけること。そして、自分の特性を理解し、適切な支援や配慮を求める姿勢を持つことです。怒ることは悪ではありませんが、自分と周囲の人が心地よく過ごすためにも、感情との上手な付き合い方を探していきましょう。