ASDの人は本当に「キレやすい」のか?その実態と感情的にならないための対策
発達障害の一つであるASD(自閉スペクトラム症)の特性について、近年さまざまなメディアで取り上げられるようになりました。その中でもよく耳にするのが、「ASDの人はキレやすい」「怒りっぽい」といったイメージです。しかし、本当にASDの人すべてがそうなのでしょうか?今回は「ASDの人は本当にキレやすいのか?」というテーマについて掘り下げてみたいと思います。
結論から言えば、「人による」というのが正直なところです。ASDと一口に言っても、その特性の現れ方には個人差があります。ネット上では「ASD=怒りっぽい」といった記事や動画も多く見受けられますが、決してすべてのASDの方に当てはまるわけではありません。
ASDの対人関係スタイルは、主に以下の4タイプに分類されるといわれています。
この中で、積極奇異型や尊大型の方は、自分の考えやこだわりを相手に押し付けがちになり、衝突が生まれやすい傾向があります。一方で、孤立型や受動型の方はあまり感情を表に出さず、むしろ「怒ったことがない」と話される方もいます。したがって、「ASD=キレやすい」という見方は非常に一面的であり、個々の性格や特性に応じて大きく異なります。
「怒る」という行為自体が悪いわけではありません。大切なのは、“自分が損をしない怒り方”ができるかどうかです。怒りは非常にエネルギーを要する感情であり、ネガティブな印象を持たれがちです。しかし、問題の本質は「怒ること」ではなく、「どのように怒るか」にあります。
たとえば職場で上司や同僚に対して感情的に怒ってしまうと、相手のモチベーションを下げたり、関係性を悪化させる可能性があります。逆に、自分の伝えたいことを冷静に、相手を尊重する形で伝えられれば、感情を爆発させる必要はないのです。
ASDの特性として、感情のコントロールが難しい場面があることは事実です。以下に、ASDの方が怒りを感じやすくなる主な理由を挙げます。

感情が爆発する前に自制できるよう、以下のような具体的な対策が有効です。


ASDの人は本当に「キレやすい」のか?という問いに対しては、「一概には言えない」というのが正しい答えです。怒りの感情は誰にでもあるものですが、その出し方、向き合い方によって人生の質は大きく変わってきます。
大切なのは、「自分が損をしない怒り方」を身につけること。そして、自分の特性を理解し、適切な支援や配慮を求める姿勢を持つことです。怒ることは悪ではありませんが、自分と周囲の人が心地よく過ごすためにも、感情との上手な付き合い方を探していきましょう。