発達障害のスマホに必ず出る特徴【ADHD.ASD】

発達障害のある方に見られるスマホの使い方の特徴とその対策

現代社会において、スマートフォン(以下スマホ)は生活の中で欠かせないツールとなっています。連絡手段としてのLINEやメール、スケジュール管理アプリ、娯楽コンテンツの動画やゲームなど、多くの機能を一台に集約できるスマホは、非常に便利な存在です。しかし、その利便性の裏で、発達障害のある方にとっては、使い方に困難や偏りが出やすい一面もあります。

本記事では、「発達障害のある方に見られやすいスマホの使い方の傾向」と「スマホと上手に付き合うための工夫」をご紹介します。ご自身や身近な方に思い当たることがあれば、参考にしていただければ幸いです。

スマホの使い方に現れる特徴とは?

スマホの使い方に現れる特徴とは?

1. 注意散漫になりやすい

スマホの通知は非常に便利な反面、注意を逸らしてしまう大きな要因でもあります。発達障害、特にADHDの特性を持つ方の場合、目の前のタスクに集中しているときに通知が鳴ると、それに反応してスマホを操作してしまい、本来行うべき行動から逸れてしまうことがあります。

例えば、朝の出勤準備中にSNSやゲームアプリの通知が目に入り、それを開いたことで準備の時間を忘れてしまい、気づいたときには遅刻していたというケースも珍しくありません。こうした注意の逸れは、定型発達の方でも一定程度起こるものですが、発達障害の方では特に顕著に見られる傾向があります。

2. スマホを紛失・破損しやすい

外出時にスマホを置き忘れたり、落として画面を割ってしまったりすることも、発達障害のある方にはしばしば見られます。うっかり机に置いたまま忘れてしまう、カバンに入れたつもりで入っていなかったなど、物の管理が苦手な傾向が影響しています。

スマホは高額な電子機器であるため、失くしたり壊れたりすると、経済的な負担も大きくなります。また、連絡先や写真、アプリのログイン情報など、大切な個人情報が詰まっているため、紛失による精神的なストレスも少なくありません。

3. スマホの中が煩雑になりやすい

スマホの中に多数のアプリをインストールし、それらを整理せずに使っているという状況もよく見受けられます。発達障害の特性として、情報の整理や分類が難しいという特徴があります。

アプリが多くなることで、通知の数も増え、メールやメッセージが何百件も未読のまま残ってしまうこともあります。必要な情報にたどり着けなかったり、大事な連絡を見逃してしまったりするリスクが高くなるため、本人にとってもストレスになりやすいです。

4. スマホ依存になりやすい

ADHDの特性の一つとして、依存傾向が強いことが指摘されています。これは脳内の神経伝達物質であるドーパミンの分泌や調整に関わる特性と関係していると考えられています。

スマホには、SNSやゲーム、動画など、短時間で快感や達成感を得られるコンテンツが多くあります。そのため、無意識のうちに何度も開いてしまい、気づくと何時間も経っていたということもあるかもしれません。こうした使い方が習慣化すると、日常生活に支障をきたすだけでなく、課金による金銭的トラブルにもつながる可能性があります。

スマホと上手に付き合うための5つの工夫

スマホと上手に付き合うための5つの工夫

スマホは使い方次第で、生活を豊かにする力強いツールにもなります。ここでは、発達障害のある方がスマホとうまく付き合っていくための具体的な工夫を5つご紹介します。

1. 通知を受け取るアプリを厳選する

通知は便利ですが、数が多すぎると逆に重要な情報を見逃してしまいます。通知をONにするアプリは、メッセージアプリやカレンダー、タスク管理アプリなど、本当に必要なものに絞りましょう。目安として、通知を受け取るアプリは10個以内に抑えるのがおすすめです。

また、作業中や休憩時間などは「機内モード」や「おやすみモード」を活用することで、通知による集中力の低下を防ぐことができます。

2. 頑丈なスマホケースを使う

スマホを落としたり、水に濡らしたりすることが多い場合は、防水機能のある頑丈なケースを使用すると安心です。破損を防ぐことで、修理費や買い替えのコストも抑えることができます。頻繁にスマホを壊してしまう方は、高価な最新機種ではなく、コストを抑えた中古端末を使うのも一つの方法です。

3. 紛失防止機能やアプリを活用する

スマホをよく紛失してしまう方には、「端末を探す」機能の活用が有効です。iPhoneでは「探す」、Androidでは「デバイスを探す」といった機能があり、位置情報をもとにスマホの所在を特定することが可能です。

また、Bluetoothタグなどの紛失防止アイテムも活用できます。スマホとタグが一定距離を超えるとアラームで通知してくれるものもあり、忘れ物の防止に役立ちます。スマホショルダーやストラップを使って、常に身につけておくのも効果的です。

4. アプリの整理と断捨離を習慣化する

定期的にアプリを見直し、使っていないものは削除しましょう。端末によっては使用頻度の低いアプリを知らせてくれる機能があるため、それを参考に整理するのも良い方法です。

また、ジャンルごとにフォルダ分けしてホーム画面を整理すると、目的のアプリを見つけやすくなり、使いやすさが向上します。

5. スクリーンタイム機能で使用時間を管理する

「スクリーンタイム」や「デジタルウェルビーイング」といった機能を使えば、アプリごとの使用時間を把握し、制限を設けることができます。自分で制限を解除してしまうのが不安な場合は、信頼できる家族や支援者にパスコード設定を依頼するのも一案です。

また、課金に関する制限設定も可能です。無意識のうちに高額課金してしまうのを防ぐためにも、あらかじめ制限をかけておくことをおすすめします。

おわりに

スマホは正しく使えば、日々の生活を助けてくれる強力なツールです。発達障害のある方にとっても、スケジュール管理や情報整理、コミュニケーション手段として大きな助けになります。一方で、その特性からスマホの使い方に困難を抱えることもあるのが現実です。

しかし、使い方を少し工夫するだけで、スマホとの関係は大きく改善します。ご自身に合った方法を見つけ、スマホとの適切な距離感を築くことで、より快適で充実した日常を送ることができるはずです。

困りごとがあれば、一人で抱え込まず、家族や支援者、専門家に相談しながら、上手な付き合い方を見つけていきましょう。