【自律神経失調症の治し方5つ】〜ストレスと心のケアから始める回復への道〜

検査では異常が見つからないにもかかわらず、体の不調が続く「自律神経失調症」。内科的な薬もあまり効果が見られないこの状態に、悩まされている方は少なくありません。症状は多岐にわたり、日常生活に支障をきたすこともあります。今回は「自律神経失調症を改善するための5つの方法」について丁寧に解説していきます。ポイントは、単に症状を抑えるのではなく、背景にある心と身体のバランスの乱れにアプローチすることです。

自律神経失調症は「心の状態が体に影響を及ぼす」典型的なケースです。
まず、「自律神経」とは、交感神経と副交感神経からなり、体温、心拍、呼吸、消化など私たちの生命活動を無意識に調整する役割を担っています。これが乱れることで、体に様々な不調が現れるのが「自律神経失調症」です。
症状としては、めまい、頭痛、動悸、吐き気、息苦しさ、手足のしびれなど多岐に渡り、しかも症状の出る場所やタイミングが日によって変わるという特徴があります。そのため、検査では異常が出ず、対処に困ることが多いのです。
多くの場合、うつ病や適応障害といった心の病気が背景に潜んでおり、体の症状はその二次的な表れであることが多いです。そのため、治療は単に身体面ではなく、「心の面に働きかけるアプローチ」が重要となります。
① ストレスを減らす

ストレスは自律神経のバランスを崩す大きな要因です。まず、自分の生活の中でストレスの元がどこにあるのかを見つめ直すことから始めましょう。
ストレスを減らす方法としては、環境を変える、ストレスを受け流す心の習慣を作る、自分にとって無理のない自己主張(アサーション)を身につけることなどが挙げられます。また、ストレスを「溜めない」ためには、発散方法も大切です。趣味に没頭したり、信頼できる人に話を聞いてもらうことも効果的です。
さらに、自分のストレス耐性を高めるためには、マインドフルネスなどで自分の感情に気づき、受け止めることも有効です。
② 休養の確保

身体と心に溜まった疲労を回復させるには、十分な「休養」が必要です。単に横になっているだけではなく、「質の高い休養」を意識することが大切です。
具体的には、規則正しい生活リズムの確立、しっかりとした睡眠時間の確保、仕事とプライベートのメリハリ、頭を休ませる時間を意識的に作ることなどが挙げられます。特に現代人は「頭は休めていないけれど身体だけ横になっている」という状態に陥りやすいので、リラクゼーションを意識した休養が必要です。
アクティブレスト(軽い運動による休養)なども有効です。歩く、ストレッチをする、自然の中を散歩するなど、心身をほぐす行動が回復を早めます。
③ リラックスを図る

緊張が続くと、自律神経はさらに乱れ、悪循環に陥ります。その反対に「意識的なリラックス」は回復への第一歩となります。
呼吸を整えることは最も簡単で即効性のある方法です。深呼吸を数回行うことで、副交感神経が優位になり、緊張がほぐれます。
また、軽いストレッチや体操で体の筋肉をほぐすこと、気分転換に散歩や音楽、読書、趣味に時間を使うこともリラックス効果が高いです。自分に合ったリラックス法を探し、意識的に取り入れるようにしましょう。
④ 考え方のくせの調整

自分を追い詰めるような思考のくせが、自律神経の不調に拍車をかけているケースがあります。「こうあるべき」「失敗してはいけない」といった完璧主義や、過度の自責、未来への過剰な心配などがその代表です。
まず、自分の考え方のパターンを振り返ることが大切です。どんな場面で自分を追い詰めているのかを見つけ、その都度立ち止まり、別の視点から考える練習をしていきましょう。
一人での見直しが難しい場合は、カウンセリングや認知行動療法といった専門的な手法の助けを借りるのも有効です。心の習慣を少しずつ変えていくことが、結果として身体にも良い影響をもたらします。
⑤ 背景の精神疾患の治療

自律神経失調症の背景に、うつ病や適応障害といった精神的な疾患がある場合は、その治療を優先することが大切です。
うつ病の場合は、まずはしっかりと休養を取り、必要に応じて抗うつ薬の使用も検討されます。無理に活動を再開するよりも、段階を踏んで回復を目指す姿勢が重要です。
適応障害が背景にある場合には、ストレスとなっている環境に対する調整、たとえば職場の異動や仕事内容の変更なども有効です。そのうえで、心理的アプローチやストレスマネジメントの学習が回復を助けてくれます。

今回は「自律神経失調症の治し方5つ」について詳しく見てきました。
自律神経失調症は、検査では異常が見つからないにもかかわらず、体にさまざまな不調が現れる症候群です。背景にはストレスや精神的な負荷が関係しており、症状だけに目を向けるのではなく、心と生活全体にアプローチする必要があります。
治療やセルフケアの主な柱は、
という5つに集約されます。
自律神経そのものを直接治す薬はなく、だからこそ、自分の生活の中で何を変えられるかを見つけていくことが回復への近道となります。焦らず、一歩ずつ取り組んでいくことで、きっと改善への道は開けるはずです。