ストレスと過敏性腸症候群について

生活に役立つメンタルヘルス:過敏性腸症候群について

内科で精密検査を受けても大腸に問題が見つからないことが多く、悪化するとトイレの確保が難しい乗り物には乗れなくなる。さらに、学校や職場に行けなくなり、引きこもりになる原因となることもある。このような状況は、腸の病気ではなく、自律神経の不調が関係する「過敏性腸症候群」という病気です。

過敏性腸症候群とは?

過敏性腸症候群とは?

 過敏性腸症候群(IBS)は、乗り物に乗る場面だけでなく、緊張を伴う場面、例えば大事なテストや発表、仕事での重要な会議などでも発症します。腹痛と下痢が主な症状である「下痢型」と、腹痛と便秘が起こる「便秘型」があります。また、下痢と便秘が交互に現れる「混合型」も存在します。

これらの症状は、脳と腸の関係が密接につながっていることから起こります。脳と腸は自律神経やホルモンを介して相互に影響を与え合っており、これを「脳腸相関」と呼びます。ストレスが脳に影響を与えると、異常な指令が腸に送られ、過敏性腸症候群の症状が引き起こされるのです。

うつ病との関連

過敏性腸症候群は、うつ病が原因で発症することもあります。腸の不調が続き、内科で検査をしても異常が見つからない場合、精神科で過敏性腸症候群とともにうつ病の診断が下ることも少なくありません。ストレスが原因であるため、ストレス源を取り除くことが改善の鍵となりますが、仕事や学業に関連するストレスは避けることが難しいため、まずは生活習慣の改善が重要です。

改善に向けた取り組み

 規則正しい生活を心がけ、腸に負担をかける食品を避けることが大切です。特に、脂っこいものや香辛料、コーヒーやお酒などは避けるべきです。一方、食物繊維やヨーグルトなどの発酵食品は積極的に摂取しましょう。加えて、適度な運動と十分な睡眠も重要です。

ただし、体質的な問題があるため、生活習慣の改善だけでは症状が改善しない場合もあります。そんな時は、薬を使うことも選択肢の一つです。

薬の利用

下痢型の場合は、市販の下痢止めが有効です。便秘型には、便秘薬や整腸剤が効果的な場合があります。薬を携帯しているだけでも安心感が得られるため、特に外出先での不安を軽減するためにお守り代わりに持っておくのも良いでしょう。

市販薬で効果が見られない場合や薬の量が増えてしまう場合は、病院を受診することをお勧めします。内科では、セレキノンや漢方薬、場合によってはSSRIなどの抗うつ薬が処方されることがあります。生活に支障が出ている場合は、精神科や心療内科での治療が適切です。

過敏性腸症候群は長期的な治療が必要

過敏性腸症候群は長期的な治療が必要

 過敏性腸症候群の治療には時間がかかることが多く、薬の使用を急に中断しないことが重要です。適切な治療を受けずに放置すると、大事なイベントや日常生活に支障をきたすことがあります。

もし、生活が制限されていると感じる場合や市販薬で対処できない場合は、早めに医療機関を受診しましょう。特に、過敏性腸症候群の背後にうつ病が隠れている場合もありますので、専門的なサポートを受けることが大切です。