発達障害の心を壊す人間の特徴5選【ADHD・ASD】

発達障害の心を壊す人間関係とは?〜ASD・ADHDの「怒りやすさ」と向き合うために〜

発達障害の特性の一つとして、「怒りやすい」「キレやすい」といったイメージを持たれることがあります。特に自閉スペクトラム症(ASD)と診断された方の中には、日常のちょっとした刺激や変化に過敏に反応し、怒りやすくなる傾向が見られることもあります。しかし、「怒りやすい=悪い人」「キレる=社会に適応できない」といった決めつけは、本人の苦しみを見落とす原因となりかねません。

今回は、発達障害のある方が「キレやすい」と言われてしまう背景やその原因、そして適切に感情をコントロールするための工夫や、周囲に求めたい配慮について詳しく解説していきます。

発達障害の人は本当に「キレやすい」のか?

まず初めに確認しておきたいのは、「怒る」という感情そのものが悪いわけではないということです。誰しも、不快なことや理不尽なことがあれば怒りの感情が湧くのは自然な反応です。ただ、発達障害のある方の場合、その怒りの表現が突発的だったり、感情のコントロールが難しかったりすることがあるため、周囲から「キレやすい」「感情的」と受け止められてしまうことがあります。

特にASDの方は、脳の中でも感情の制御をつかさどる前頭葉の働きが弱まっているとされており、そのために感情の抑制が難しくなる場合があります。感情を処理したり、論理的に整理したりするための「ワーキングメモリ」も限られているため、情報の過負荷に陥りやすく、結果として感情が爆発するということが起こり得ます。

ASDタイプ別にみる怒りやすさの傾向

ASDタイプ別にみる怒りやすさの傾向

ASDといってもそのタイプはさまざまで、性格や対人関係のスタイルによって「怒り」の出やすさには差があります。

  • 孤立型・受動型:人と関わる機会が少なく、自分の感情を外に出すことがあまりないため、怒りが表に出にくい傾向があります。
  • 積極奇異型・尊大型:人と関わりたいという気持ちは強い一方で、自分の価値観を押し通そうとしたり、相手をコントロールしようとしたりする傾向があり、摩擦が生まれやすくなります。このようなタイプでは、感情が表に出やすく、結果的に「キレやすい」と見なされることがあります。

このように、「怒りやすい」とされる背景には、もともとの性格傾向やコミュニケーションスタイルの違いが関係しています。

怒りを引き起こしやすい4つの特徴

では、発達障害のある方がどのような場面で「怒り」を感じやすくなるのか、代表的な特徴を4つ紹介します。

1. 感情のコントロールが苦手

前述のとおり、前頭葉の機能低下などにより、感情の制御が難しいという生理的な要因があります。そのため、刺激やストレスに対して反応が過敏になりやすいのです。

2. 変化への対応が難しい

ASDの方は「いつも通り」に安心を感じる傾向があります。そのため、急な予定変更や環境の変化に対して強い不安や怒りを覚えることがあります。変化を受け入れるのに時間が必要なのです。

3. 白黒思考が強い

自分なりの「こうあるべき」という価値観が強く、それから外れることに対して違和感や拒否感を抱きやすくなります。たとえそれが社会的に問題のない行動であっても、自分のルールに反していると感じると、強い怒りに変わることがあります。

4. コミュニケーションのズレ

冗談や皮肉、遠回しな表現が理解しづらく、相手の意図を誤解してしまうことがあります。結果として、悪意がないにもかかわらず「バカにされた」「攻撃された」と受け取ってしまい、怒りにつながることがあるのです。

周囲に求めたい「怒りを避けるための配慮」

周囲に求めたい「怒りを避けるための配慮」

怒ってしまった本人が「自分が悪い」と責めてしまうことも少なくありません。しかし、怒りを感じる場面そのものを減らすために、周囲の理解と配慮が大きな助けになります。

たとえば、以下のような配慮が有効です。

  • 変化は事前に伝える
     いきなり変更を伝えるのではなく、「いつ、どう変わるのか」を事前に説明することで、不安を減らすことができます。
  • 変更の理由やメリットを伝える
     なぜその変化が必要なのか、どんな利点があるのかを具体的に説明することで納得感が高まります。
  • 率直でわかりやすい表現を使う
     遠回しな言い方や曖昧な表現は避け、ストレートに意図を伝えることで、誤解が生まれにくくなります。
  • 一度に多くのことを言わず、一つずつ伝える
     指示はシンプルに、一つずつ出すようにすると、情報の処理がスムーズになります。

このような配慮があるだけで、「キレやすい」場面を未然に防ぐことができるのです。

怒りと上手に付き合うために:セルフケアとアンガーマネジメント

怒りの感情は、完全に消すことはできませんが、上手に付き合っていくことは可能です。以下のような「アンガーマネジメント」の方法を活用することで、自分の怒りと向き合いやすくなります。

● 6秒ルールを実践する

怒りのピークは最初の6秒と言われています。カッとした瞬間に深呼吸をするなど、6秒だけ気持ちを落ち着ける工夫をしてみましょう。

● アンガーログをつける

「何に」「どんな状況で」怒りを感じたかを記録することで、自分の怒りのパターンに気づくことができます。

● 気持ちを落ち着けるルーティンを持つ

例えば、音楽を聴く、コーヒーを飲む、5分散歩するなど、自分なりのリラックス法を決めておくと、怒りが湧いたときの対処がしやすくなります。

まとめ:怒りは「コントロール」できるもの

「発達障害だから怒りやすい」「感情的だから問題だ」と短絡的に捉えてしまうのではなく、その背景には認知や感情の処理の特性があることを理解することが大切です。

怒りは誰しもが持つ自然な感情です。それを否定せず、適切な表現で伝える方法を身につけること。そして、周囲の理解や配慮があれば、「怒りやすさ」は大きなトラブルにならずに済むはずです。

ご自身や身近な人が怒りのコントロールに悩んでいると感じたら、まずは「怒ってしまう背景」を冷静に見つめ直してみてはいかがでしょうか。