今回は人格障害(パーソナリティ障害)について取り上げます。
人格とは人それぞれの個性であり、誰もが多少なりとも異なる考え方や物の見方を持っています。
この延長線上にある人格障害とは何か、具体的な行動や特徴的な心理状態を交えて解説します。
1980年にDSM-IIIが翻訳されて以来、「人格障害」という用語が使われるようになりました。
それまでは「人格異常」と呼ばれ、犯罪や問題行動が多い人に対してのみ診断されていました。
しかし、「人格障害」という用語が広く使われるようになり、
先進医療や精神医学の研究に携わる全ての専門家がこの問題を念頭に置くようになりました。

日常的な生活をしている人を特徴づける「気持ち(情動)」「行動」の両方、人格とは、
日常生活を送る人々の気持ちと行動の両方によって定義されるものです。
人格は個性であり、誰もが多少は異なる考え方や物の見方を持っています。
しかし、統合失調症のような精神症状がなくても、多くの人にとって普通である気持ちや行動から逸脱している場合に人格障害と分類されます。
そのため、本人は様々な苦労を抱えることが多いです。
初対面では柔らかい態度や明るく素直な様子を見せますが、
関係が続くにつれて境界性人格障害の特徴が現れます。
具体的には、人との関係が長続きせず、些細なことで嫌悪感を抱き、
全く会おうとしなくなることが多いです。
このような不安定な対人関係により、周りの人々は非常に気を使い、振り回されることが多いです。
自己愛性人格障害の人は、非常に強いプライドを持ち、
実績がなくても自分を賞賛することを周囲に伝えます。
この気持ちが強すぎて、周囲との関係がうまくいかないことが多いです。
分裂病質人格障害の人は、社会的に引きこもり、風変わりで孤立しているように見えます。
反社会性人格障害の人は、犯罪行為や反社会的行為を繰り返し、すぐに怒りやすく、
人に危害を加えることを平気で行います。
依存性人格障害の人は、生活の重要な領域を他人に預け、人任せになり、自分では何もできません。
一人でいると不安になり、誰かのそばにすぐに行きたくなります。

アメリカ精神医学会のDSM-Ⅳ-TRでは、人格障害の全般的診断基準を満たす必要があります。
人格障害はA群、B群、C群の3つに大別され、それぞれに特有の診断基準があります。
〈精神療法と薬物療法〉
人格障害に対する支援として、精神療法と薬物療法が挙げられます。
精神療法には様々な方法がありますが、ここでは総論的な支援の仕方について説明します。
初期の治療では、治療者は患者の激しい怒りを受け止め、
共感的に接し関係を構築することが重要です。
また、中立的な立場を保つことも忘れてはいけません。
人格障害そのものではなく、問題行動に対して行う。
薬物療法は人格障害そのものではなく、妄想、不安症状、抑うつ症状、衝動性、
攻撃性などの問題行動に対して行います。
以上が人格障害(パーソナリティ障害)についての説明です。