「大人になってから発達障害がわかることはありますか?」
このご質問に対しての答えは「少なからずあります。そして、二次障害に注意が必要です」となります。発達障害というと、幼少期に見つかるイメージが強いかもしれませんが、実際には大人になってから診断されるケースも少なくありません。
本記事では、大人になってから発達障害が見つかるケースやその背景、注意すべき「二次障害」について、わかりやすく解説していきます。

発達障害は、生まれつき脳の働きに特徴があり、「得意」と「苦手」の差が大きい状態を指します。主に以下の2つのタイプが代表的です。
① ADHD(注意欠如・多動症)
ADHDは、不注意・多動・衝動性が目立つタイプの発達障害です。具体的には、忘れ物や失言が多い、思いついたことをすぐ口に出してしまう、イライラしやすい、といった特徴があります。
② ASD(自閉スペクトラム症)
ASDでは、社会的なコミュニケーションの困難さや、強いこだわりが目立ちます。「空気を読まない」「場にそぐわない言動をしてしまう」など、対人面でのズレが生じやすいタイプです。

発達障害の多くは、幼少期に気づかれることが一般的です。
幼少期に見つかる主な場面
このような場面で、「他の子と違うな」と周囲が感じて受診につながるケースが多くあります。
幼少期に気づかれるADHDの特徴
幼少期に気づかれるASDの特徴
このように、発達障害は「目立つトラブル」として現れることが多いため、子どものうちに発見されやすいのです。

一方で、目立つ行動が少ないタイプの発達障害は、気づかれにくく、大人になるまで見過ごされがちです。代表的なのは以下の2つです。
① 受動型ASD(女性に多い)
自分から積極的に関わることは少なく、周囲に合わせようと努力するタイプです。いわゆる「いい子」と思われがちで、周囲から問題視されることが少ないため、診断が遅れる傾向にあります。
しかし、無理に周囲に合わせる「過剰適応」により、内面では強いストレスを抱え込みがちです。その結果、大人になってから不調をきたし、診断につながるケースがあります。
② 不注意優勢型ADHD(女性に多い)
こちらもトラブルが少ないタイプです。忘れっぽさやうっかりミスが目立つものの、学生時代は家族や先生のサポートによって大きな問題にならずに過ごすことがあります。しかし、社会人になるとサポートが減り、環境の変化についていけずに困難を感じるようになります。

大人になってから発達障害が発見されるケースでは、すでに「うつ病」や「不安障害」といった二次障害を伴っていることが少なくありません。
発見のきっかけ
このように、精神的な不調をきっかけに発達障害の存在が明らかになることが多いのです。

二次障害とは、発達障害の特性からくる困難やストレスが原因となって、後から現れる精神的な不調を指します。
よく見られる二次障害の例
中には、社会からの孤立感や人間関係への絶望から「ひきこもり」状態になる方もいます。
「重ね着症候群」に注意
発達障害にうつ、不安、衝動性などの精神疾患が重なっていく状態は、「重ね着症候群」と呼ばれることがあります。
これは、一つの障害だけでなく、複数の症状が層のように重なり、本人にとっても周囲にとっても非常に対応が難しくなる状態です。早期の発見と支援が、重症化を防ぐ上でとても重要です。

今回のテーマ、「大人になってから発達障害がわかることはありますか?」というご質問に対しては、次のようにまとめられます。
発達障害は「気づくこと」が何よりも大切です。診断を受けることは、ラベルを貼られることではなく、「自分を理解し、対策を取る第一歩」です。生きづらさを感じている方は、ぜひ専門機関やカウンセラーに相談してみてください。