近年、日本の自殺者数は2003年をピークに減少傾向にありました。しかし、2020年に突如としてこの傾向が反転し、自殺者が増加しました。特に、女性や若年層における自殺者が増えており、これはコロナ禍がもたらした社会的な問題、特に女性の雇用問題や学校生活における困難が影響していると考えられています。
2019年の自殺者数は約2万人でしたが、2020年には21,000人を超えています。この数字は、多くの人々が抱える社会的・精神的な苦悩を反映しており、その根深さを示しています。

自殺を選んだ方々の約7割は遺書を残しておらず、そのため、本当の自殺の原因を知ることは困難です。遺された家族の証言や、生活状況から推測してようやく原因が明らかになることが多いですが、その原因は一つに限らず、経済的な問題や家庭内の悩み、職場でのストレスなど、様々な要因が重なって起こることが一般的です。
特に孤独な状況に置かれている方々、例えば一人暮らしや失業中の人々は、自殺のリスクが高いとされています。さらに、自殺者の半数以上は何らかの精神疾患を抱えており、うつ病や統合失調症、アルコール依存症などがその背景にあることが多いです。
精神疾患を抱えているからといって、必ずしも安心とは言えません。治療中であっても、回復の過程で一時的に衝動性が高まることや、病気の告知を受けた際に絶望感を抱いてしまうことがあります。また、治療に使用される薬を、自殺目的で悪用するケースも見られます。
救命センターには、飛び降りや過量服薬などで自殺を試み、一命を取り留めた方々が運ばれてきますが、彼らの多くは自殺を試みた際の状況を覚えていないことがよくあります。辛いことが重なり、パニック状態で自殺を試みたため、冷静な判断ができなかったのです。
借金や仕事の失敗、失恋、いじめなど、様々な辛い出来事が重なることで、生きる意欲を失ってしまうことがあります。特に、信頼していた人に裏切られた時や、恋人との別れ話、友人からの冷たい言葉、家族との口論など、身近な人間関係のトラブルが自殺の引き金となることが多いです。
また、過度の飲酒や薬物の使用によって理性が弱まり、衝動に負けてしまうこともあります。

自殺の危険を示すサインに気づき、それを防ぐために手を差し伸べる人を「ゲートキーパー」と呼びます。ゲートキーパーが増えることで、自殺を未然に防ぐことができる可能性が高まります。誰もがゲートキーパーとなることができるように、ここでは自殺の直前に見られる9つのサインをご紹介します。
自殺のリスクが高まるサインに気づいたら、冷静にその人の話を聞くことが大切です。争いを避け、手を差し伸べることで、自殺を防ぐことができるかもしれません。誰もがゲートキーパーとして、命を救う手助けができるのです。