適応障害になりやすい人9種

適応障害になりやすい人9種

適応障害になりやすい人の特徴9タイプとは?背景と対策を丁寧に解説します

メンタルクリニックでは、うつ病と並んで多く見られる「適応障害」。この病気は、ある特定のストレスをきっかけに心身の不調が現れるもので、ストレスとの関係が非常に深いとされています。今回は、「どんな人が適応障害になりやすいのか」「その背景には何があるのか」を9つのタイプに分けて詳しく解説していきます。

適応障害とはどんな病気?

適応障害とはどんな病気?

適応障害とは、ある出来事や環境によって強いストレスを受けた際に、気分の落ち込み、不安、不眠、意欲の低下、身体の不調などが現れる状態です。大きな特徴は「原因となるストレス源から離れると症状が改善する」という点で、うつ病や不安障害とは異なり、脳内の恒常的な変化はみられないと考えられています。

適応障害の発症メカニズムをイメージするために、「ストレスをお湯にたとえた浴槽モデル」で考えてみましょう。日常生活を送るなかで、誰しもさまざまなストレスを受け、それは浴槽に注がれるお湯のように溜まっていきます。一方で、趣味や休息、相談などによってストレスを外に流す排出口も存在します。しかし、ストレスの流入量が多すぎたり、排出がうまくいかなかったりすると、ついには浴槽があふれてしまいます。これが、適応障害の発症です。

では、どういった人がこの「あふれやすい浴槽」を持っているのでしょうか。以下に、適応障害になりやすい9つのタイプをご紹介します。

適応障害になりやすい人の9つの特徴

適応障害になりやすい人の9つの特徴

1. 【過酷な環境で働いている人】

もっともシンプルにストレスの「量」が多いタイプです。長時間労働や過剰な責任、対人関係のトラブルが日常的にある環境では、ストレスの蓄積量が非常に大きくなります。特に、やりがいやモチベーションを感じづらい職場では、耐える力も低下しがちです。

2. 【マイノリティとしての葛藤を抱えている人】

性的マイノリティ、外国籍、発達特性など、社会的に少数派に属する人は、外部からの偏見や差別に加え、自身のアイデンティティに関する内面的な葛藤という二重のストレスを抱えることがあります。この“ダブルバインド”状態は非常に大きな心理的負担をもたらし、適応障害のリスクを高めます。

3. 【ストレスを抱え込みやすい人】

人に頼るのが苦手だったり、仕事を任せられなかったり、悩みを相談できなかったりする方は、ストレスの排出がうまくできません。結果として、浴槽があふれやすくなります。

4. 【自己肯定感が低い人】

「自分はダメだ」「もっと頑張らないと」と自分を追い詰める思考は、自らストレスを増幅させる結果になりがちです。また、自分を信じる力が弱いと、ちょっとした失敗や周囲の反応にも強いストレスを感じやすく、結果としてキャパシティ(ストレスの許容量)が低くなります。

5. 【自分の軸に迷いがある人】

価値観や目標が不明確で「自分がどうしたいのか分からない」という状態は、判断や行動の迷いを生み、環境や人間関係に振り回されやすくなります。その結果、他人の意見に過剰に反応してしまい、ストレスが増大する傾向があります。

6. 【ASD(自閉スペクトラム)の傾向がある人】

ASDの傾向がある方は、対人関係での不適応が起きやすく、それに伴うストレスを強く感じやすい傾向があります。また、こだわりが強いため、一度ストレスに陥ると切り替えが難しく、悪循環に陥りやすいのも特徴です。

7. 【ADHD(注意欠如・多動症)の傾向がある人】

ADHDの方は不注意や衝動性から対人トラブルや失敗を繰り返し、それが大きなストレスになります。さらに、感情の起伏が激しくストレスに対して敏感なため、精神的な負荷がさらに増幅されることがあります。

8. 【HSP(繊細で敏感な気質)の人】

音、光、匂い、人の感情などに強く反応してしまうHSPの方は、ストレスを感じやすい傾向があります。また、深く考え込む性格傾向から、内面でのストレスも強く抱え込みがちです。これが重なることで、適応障害のリスクが高まります。

9. 【境界知能の人】

境界知能とは、知的障害と健常の境に位置する知的能力のことです。この特性がある方は、複雑な問題処理やプレッシャーへの対応が苦手で、無理な負荷がかかるとすぐに限界を迎えやすくなります。知的な対処が難しい場面が続くと、結果として適応障害に至ることがあります。

適応障害を防ぐための3つの基本対策

適応障害を防ぐための3つの基本対策

以上のように、適応障害になりやすい人には共通する「ストレスのたまりやすさ」があります。ただし、あらかじめリスクを知っておけば、十分に対策することが可能です。以下に3つの基本的な対策をご紹介します。

1. ストレスをためない

  • 嫌なことを受け流す力をつける
  • 自分にとって負担の少ない環境を選ぶ
  • 考えすぎを避ける認知の癖を整える

2. ストレスを発散する

  • 趣味や運動、誰かに話すなどの方法を習慣化する
  • 定期的に休息をとり、疲労をためない
  • 自分自身に対する思いやりある声かけを心がける

3. ストレス耐性を高める

  • マインドフルネスで自分の状態を客観的に把握する
  • 生活リズムを整え、余力を持つ
  • 自分の価値観・目標(人生の軸)を明確にする

おわりに:自分の傾向を知ることが最大の予防

おわりに:自分の傾向を知ることが最大の予防

適応障害は誰にでも起こり得る身近なメンタル不調です。しかし、自分がどのタイプに当てはまりやすいかを知り、日々のストレスに意識を向けることで、発症のリスクを大きく下げることができます。

「私はもしかすると抱え込みすぎるタイプかも」「環境が厳しすぎるのに無理してないか?」——そんなふうに、自分のストレス浴槽を点検してみることが、適応障害を防ぐ第一歩となるでしょう。