メンタルクリニックの初診で伝えること5つ

メンタルクリニックを初めて受診する際、多くの方が

「何を話せばいいのだろう」
「どんな質問をされるのか不安」


と感じるものです。

心の不調を抱えている状態では、言葉にするのも
難しく感じることがあるかもしれません。

しかし、医師との初診面接は、今後の治療を進めていくための大切な第一歩です。

今回は、初診をスムーズに受けるために
「メンタルクリニックの初診で伝えるべき5つのこと」
を詳しく解説していきます。

初診の目的は「診断と治療方針の決定」

初診の目的は「診断と治療方針の決定」

初診の面接では、医師は限られた時間の中で症状や背景、希望などの情報をもとに、診断や治療方針を検討していきます。診察の流れは、大まかに以下のようになります。

  1. 問診票の記入(事前または来院時)
  2. 医師による面接・診察
  3. 診断(暫定または確定)
  4. 治療方針の相談と決定

この中で患者さんが伝えるべき情報は、主に以下の5つに整理できます。それぞれを順に見ていきましょう。

1. 受診までの経過

1. 受診までの経過

まず重要なのは、「なぜ今、受診しようと思ったのか」を伝えることです。
これは「主訴」と「現病歴」と呼ばれる情報にあたります。

主訴(しゅそ):

今いちばん困っていること、悩んでいる症状を簡潔に伝えましょう。たとえば、
「気分が落ち込んでいる」「眠れない」「不安が強い」などです。
身体の症状や行動面の変化でも構いません。

病歴:

症状がいつごろから出始めたか、どのように変化してきたかも大切な情報です。
以下のような点を整理しておくと良いでしょう。

  • 不調の始まりはいつ頃か
  • 症状の強さや頻度はどう変化したか
  • 社会生活(仕事・家事・対人関係など)への影響

また、受診のきっかけも伝えましょう。自分の意思で受診を決めたのか、それとも家族や職場の人に勧められたのかなど、背景も医師にとって重要な情報です。

2. 今の症状

2. 今の症状

現在出ている症状を、できるだけ具体的に伝えましょう。症状は
心身両方に現れることが多いため、以下のような観点で整理すると伝えやすくなります。

睡眠について:

  • 寝つきが悪い、途中で目が覚める、早朝に目覚めるなど
  • 睡眠時間や質(眠った感じがするか)

気分・感情の変化:

  • 落ち込みの有無や強さ
  • 気分の浮き沈み
  • 楽しみや関心の喪失

不安について:

  • 不安の内容(特定の対象か、漠然としたものか)
  • 不安が発作的に強まることがあるか

身体症状:

  • 食欲の変化、体重の増減
  • 吐き気やめまい、動悸などの身体的な違和感

行動の変化:

  • 仕事や日常生活への影響(集中力の低下、欠勤など)
  • イライラが増えた、人との関わり方が変わった、など

これらの情報は、診断だけでなく治療方針(たとえば薬物治療の必要性)
を検討するうえでも役立ちます。

3. これまでの経過(過去の受診歴・生活歴)

3. これまでの経過(過去の受診歴・生活歴)

過去のメンタルヘルスの経緯は、今後の治療を考える上で大きなヒントになります。

過去の受診歴:

  • 過去に精神科や心療内科を受診したことがあるか
  • 診断された病名、処方された薬、治療の効果
  • 入院歴やカウンセリングの有無

幼少期や学生時代の様子:

  • 子どものころから気分が不安定だったか
  • 学校生活や家庭環境のストレスの有無
  • 不登校や対人関係の困難など

これらの情報が、発達特性や長期的な気分の変化に気づく手がかりになることもあります。

4. 周辺情報(ストレス・家族歴・生活環境など)

4. 周辺情報(ストレス・家族歴・生活環境など)

本人の症状だけでなく、周囲の環境や背景も、診断と治療には重要です。

現在のストレス状況:

  • 職場・学校・家庭でのストレス源
  • ストレスにどう対処しているか(相談相手、趣味など)

身体の病気や服薬:

  • 既往歴(糖尿病、高血圧、アレルギーなど)
  • 現在服用している薬(相互作用や副作用を確認するため)

家族歴:

  • 精神疾患(うつ病、統合失調症、発達障害など)の家族歴(遺伝的背景の可能性を検討するため)

家族構成と関係性:

  • 家族との関係(支えてくれる人がいるか)
  • 現在の生活状況やキーパーソンの存在(介護者や同居人など)

5. 治療への希望や考え方

5. 治療への希望や考え方

患者さんの希望する治療方針と、医師の方針に大きなズレがあると、信頼関係の構築が難しくなります。そのため、希望は遠慮なく伝えて構いません。

治療のスタイルについて:

  • 薬を使いたいか、それとも極力使いたくないか
  • カウンセリングを希望するか
  • 生活改善やセルフケア中心の治療を求めているか

仕事・学業の継続について:

  • 治療しながら仕事や学校を続けたいか
  • 休職・休学の必要性についての考え

ただし、希望がすべて通るとは限らない点には注意が必要です。
たとえば、統合失調症の治療に漢方のみを希望される場合などは、
標準治療と合わないこともあります。

医師とよく話し合い、実現可能な治療の方向性をすり合わせていきましょう。

まとめ

まとめ

メンタルクリニックの初診では、限られた時間の中で多くの
情報を伝える必要があります。初診の目的は、適切な診断と治療方針の決定です。

そのために、以下の5つの情報を事前に
整理しておくと、スムーズな受診につながります。

  1. 受診までのこと(主訴・経過・きっかけ)
  2. 現在の症状(気分、睡眠、不安、身体・行動面など)
  3. これまでのこと(受診歴、生活歴、家庭や学校での様子)
  4. 周辺情報(ストレス・家族歴・既往歴・家族構成など)
  5. 治療の希望(薬・カウンセリングの希望、仕事の継続など)

心の不調を抱えての初診は不安も大きいと思いますが、飾らず、無理のない範囲でお話しいただければ、それが一番の近道になります。

医師との信頼関係を築き、安心して治療に臨めるよう、
ぜひこの記事を参考に準備してみてください。