現代社会において、働く人々や日々の生活を送るすべての人にとって、メンタルヘルスの重要性は年々高まりを見せています。
ストレス社会といわれる今、心の不調は誰にでも起こりうるものであり、身近な問題となっています。
そのような中で、地域に根ざした「メンタルクリニック」には、さまざまな悩みや症状を抱えた方が訪れています。
今回は、そのようなクリニックでよく見られる代表的な症状についてご紹介しながら、早期発見・早期対応の大切さをお伝えします。

精神疾患は身体の病気とは異なり、目に見える明確な異常があるわけではありません。
しかし、心の不調は実にさまざまな形で私たちにサインを送ってくることがあります。
たとえば、「気分が落ち込む」「夜に眠れない」「不安で仕方がない」などは比較的分かりやすいサインです。
一方で、「原因不明の頭痛が続く」「人と関わるのがつらくなる」「遅刻やミスが増える」など、見逃されやすい症状も心の不調に起因している場合があります。
症状は主に以下の3つのカテゴリーに分類されます。
これらのサインに早く気づき、適切な対応をとることが、症状の悪化を防ぐ第一歩となります。

ここからは、実際にメンタルクリニックでよく見られる7つの代表的な症状について、詳しく見ていきます。
「朝になると体が重くて動けない」「通勤中に吐き気やめまいがする」といった症状で来院される方が多く見られます。これは、職場のストレスに適応できなくなる「適応障害」の典型的な症状です。
そのほか、うつ病、パニック障害、社会不安障害などが背景にある場合もあり、いずれも「我慢の限界サイン」として現れます。
「なかなか寝つけない」「夜中に何度も目が覚める」「眠った感じがしない」といった不眠症状も多くの方が抱える悩みです。
睡眠不足は体調を崩すだけでなく、うつ病や不安障害などの精神疾患のリスクを高めるため、早めの対策が必要です。
背後には、うつ病、適応障害、不安障害などが関与していることがあります。
「何もやる気が起きない」「興味が持てない」「集中力が続かない」といった症状は、うつ病の代表的な特徴です。気づかぬうちに症状が進行し、ご本人よりも周囲が先に異変に気づくこともあります。
類似の症状は、気分変調症、躁うつ病、適応障害などでも見られます。
「急に落ち込んだり、逆に気分が高ぶって止まらなくなる」といった症状は、「双極性障害(躁うつ病)」の可能性があります。典型的には躁と鬱が周期的に現れますが、短期間で変動する場合もあります。
また、ADHD、パーソナリティ障害、適応障害などでも気分の不安定さが見られます。
ストレスが原因となって、「腹痛」「めまい」「肩こり」「動悸」など、体に不調が現れることも少なくありません。これは「自律神経失調症」と呼ばれる状態で、心と体の密接な関係を示しています。
このような場合、うつ病、適応障害、不安障害などの精神疾患が背景に潜んでいることも多いため、心身両面からのアプローチが必要です。
「ケアレスミスが増えた」「物をよくなくす」「約束を忘れる」といった症状は、発達障害の一種であるADHD(注意欠如・多動症)の可能性があります。
特に女性では、不注意優位型で気づかれにくく、大人になってから診断されるケースが多いです。
また、ASD(自閉症スペクトラム障害)、うつ病、境界知能などでも、同様のミスが出ることがあります。
「急に強い不安が襲ってくる」「人前に出るのが怖い」「いつも何かが心配」といった症状は、不安障害の代表的なものです。
症状によって分類されます
そのほか、強迫性障害、うつ病、統合失調症の初期症状としても不安が現れることがあります。

精神疾患の症状は、こころだけでなく、体や行動の変化にも表れます。
一見無関係に思える症状も、実は心のサインであることが少なくありません。
今回ご紹介した7つの症状を振り返ってみましょう。
これらの症状のいずれか、あるいはいくつかが当てはまる場合は、ぜひ一度、専門機関に相談してみてください。「少し気になる」段階で行動することが、よりよい未来への大きな一歩になります。