夏休みの宿題をやらなかった方へ

1,はじめに

本コラムは、発達障害の「ADHD」の人には、とくに、読んでいただきたい文章となっています。また、そうでない人でも、「先延ばし癖」がある方でしたら、ぜひ目を通していただければと思います。私も、「先延ばし癖」のあるADHDです。

さて、本題に入りますが、皆さんは、子供の頃、期限までに夏休みの宿題を終えていましたか?期限に遅れたり、結局逃げたりしませんでしたか?

私は、「先延ばし癖」がすごすぎて、8月21日くらいから焦り始めるものの、8月26日の段階で、一番簡単な一個しか終わっていないような状況でした。当然、31日までに終えられるような状態でなく、宿題のいくつかは先生が忘れるまで、やらないことを貫き通すような学生でした。

 大人になってからも、先延ばし癖が治ることはなく、大学ではレポートの提出や試験勉強に手をつけるのが遅すぎて、結局は退学しました。そして、今でも、公共料金の支払いがギリギリになったりしています。

 今回は先延ばしの癖のある方に向けて、日々の「先延ばし癖との付き合い方」や「先延ばし癖があっても、豊かな人生が送れる」ということについてお伝えしていきたいと思います。先延ばし癖は、脳の器質的な問題ですので、根本的に改善する方法はありませんが、悲観的にならず、「個性」や「特性」ととらえることが重要です。

このコラムを通じて、「先延ばし」が単なる悪癖でないことをお伝えし、うまく「先延ばし癖」と付き合っていただければ幸いです。

2,「先延ばし」の利点

2,「先延ばし」の利点

 まず、先延ばし癖の利点についてまとめてみたいと思います。

「いまやっているゲームに集中できる」「試験前の部屋の模様替えが捗る」

以外の利点がなさそうに思いますが、この二点は非常に重要です。

「先延ばし癖」は、自分の趣味の時間や自由時間を確保して、リラックスしたり、楽しんだりするうえで、大いに役に立っています。私は、ワークライフバランスにおいて、趣味であるゲームの時間を非常に大事にしているので、家事や公共料金の支払いは後回しにしがちです。ですが、そのおかげで、ゲームに集中できるなら、ある意味それは利点といえるのではないでしょうか?

 また、「試験前の部屋の模様替え」は、一種の「現実逃避」であるということができると思います。生きる上で、現実逃避は大切です。辛い試験勉強や、面倒なレポート提出から、少しの間でも思考を逃がすことができるというのは、心の健康を保つうえでとても重要なことです。仕事や学業では日々の積み重ねが大事ですが、物事はすべて完璧に最速で行う必要はなく、張り詰めた気持ちで行うひつようはありません。

休み休みタスクを処理すると気が楽ですし、時には後回しにした課題にがむしゃらに取り組むのも楽しいこともあります。

 以上のことから、先延ばし癖は、自分の楽しみや心のゆとりのために役立つ行為であることがお伝え出来たと思います。

 一方で、デメリットは、先ほど挙げたメリット以外の全てと言えるでしょう。

先延ばしにして、自分を追い込むことによって、作業効率が上がる場合もありますが、大抵はギリギリになって焦ったり、遅れたりしてしまって痛い目を見ることになるでしょう。

 次の章では、「先延ばし」との上手な付き合い方をお伝えします。

3,「先延ばし」との付き合い方

3,「先延ばし」との付き合い方

 ここからは、「先延ばし」との付き合い方について考えていきましょう。

まず、自分にとっての「先延ばし」の限界点、最低ライン、ここだけは守りたいというラインについて考えてみましょう。

 私は、「ガスが止まるところまではセーフ」と考えています。

ガスは、水道や電気より先に止まるサービスです。水道と電気は、止まったらさすがの私でも生活できません。また、「ガスが止まるところまで」というのが、ミソです。ガスが止まるのは、「他にも、なにか支払いを滞納していないか」ということを考えさせてくれる良いきっかけになります。また、ガスは、たとえ止まったとしても、生活できます(私の場合)。真冬でなければ水風呂で我慢できる人間だからです。

そこまで、限界な人がいると考えたうえで、あなたの守りたいラインについて、

ぜひ一度考えてみてください!

 自分が守りたいラインが、決められたら、あとは目標決定と、そのための方法をいくつか考えてみることをおすすめします。

 例えば、「毎日、後回しにせず風呂に入る」という目標があったとしたら、自分の中でルールを決めておくと良いでしょう。「帰宅したら、寝転がる前にまず風呂に入る」や、「朝起きたら必ずシャワーを浴びる」などです。ADHDの人は、後回しにしている作業を始める事や、今やっている趣味や作業を中断することが苦手です。

そのため、一番おすすめなのは、活動力の残っているうちにやってしまう(帰宅直後など)ことと、タスクを途中までやっておくということです。

 後回しにしがちならば、趣味の時間に入る前に、翌日にために必要最低限のことをやっておき、あとはぜんぶ後回しにするくらいの気持ちで良いと思います。

 そうして、後回しにしたものの期限だけ把握しておき、時間の空いた時にまとめて行うほか、期限が迫ったときに必死でやればOKです。「先延ばし」を0にすることを目指すのではなく、「先延ばし」で問題が起きるのを0に近づけるように努力しましょう。

4,まとめ

 以上が、「夏休みの宿題をやらなかった方」へ贈る、「先延ばし癖」の捉え方と「先延ばし癖」との付き合い方です。

 まず、自分に「先延ばし癖」があることを把握できたら、あとは、「自分の性質とどう向き合うか」を考えて、目標を決めて、少しずつ改善すると良いでしょう。

 「先延ばし癖」は、人から見るとだらしなく見えるかもしれませんが、生来の脳の器質が起因しているものなので、深く悩みすぎず、楽観的に、

「最低限のことができて、私偉い!」

と考えるようにしましょう。人と比べるよりも、自分が問題やタスクに対してどう向き合ったかを考えられれば、自分に優しくなれるし、

「電気が止まる前に対処できてよかった!」と思えるはずです。

本コラムをご覧いただき、ありがとうございました。