ASD自閉症スペクトラム症の7つの特徴

自閉スペクトラム症(ASD)は、注意欠如・多動症(ADHD)や特定の学習障害(SLD)を含む発達障害の一つです。主な特徴として、臨機応変な対人関係が苦手であることや、自分のやり方やペースに強くこだわることが挙げられます。

ASDの方は、このような特性のため、どんなに努力してもうまくいかないことが多かったり、周囲から理解されにくいことがあり、それが生活の中での困難さにつながっていることがよくあります。

1つ目の特徴として、言葉をそのまま受け取ってしまう傾向があります。例えば、あるレストランで店長が「キッチンの様子を見てきて」とアルバイトのいかりさんに頼んだとします。いかりさんは店長の指示通りキッチンを見に行ったのですが、なかなかホールに戻ってきませんでした。店長が様子を見に行くと、いかりさんはキッチンをじっと見ていたのです。つまり、いかりさんは「様子を見て」という言葉を文字通りに受け取ってしまい、「キッチンがうまく回っているか確認してほしい」という店長の意図を汲み取れなかったのです。また、抽象的な指示も理解が難しく、たとえば「ざっと片づけておいて」というような基準が曖昧な表現には困ることがあります。そのため、ASDの方には「コピー用紙を200枚発注しておいて」など、具体的で明確な指示が安心感をもたらします。

2つ目の特徴は、自分の意見を伝えることが苦手であることです。ASDの方は、自分の感じていることや思っていることを言語化することが難しく、特に抽象的な概念を伝えるのが苦手です。たとえば、読書感想文を書くのが非常に苦痛だったという経験を持つ人が多いのです。事実を伝えることは得意でも、感情や考えを表現するのが難しいという傾向があります。

3つ目は、こだわりが強いことです。ASDの方は、先が見通せない状況や変化に対して不安を感じやすく、自分なりのルールや習慣を持つことで安心感を得ようとします。たとえば、毎朝同じルーティンを守ったり、テレビのリモコンの位置にこだわったりします。急な予定変更ややり方の変更があると、感情のコントロールが難しくなり、パニック状態に陥ることもあります。また、興味のあることには非常に集中する反面、関心のないことには全く興味を示さないこともあります。

4つ目は、物事を白黒で判断する「白黒思考」です。これは、物事を「良いか悪いか」「完璧か不完全か」といった二極化した考え方をする特徴です。こうした考え方から、仕事や人間関係において極端な判断をしたり、柔軟性に欠けると評価されることがあります。

5つ目は「反すう思考」、つまりネガティブな出来事を何度も繰り返し考えてしまうことです。ASDの方は、この傾向が強く、過去の出来事が長く記憶に残りやすいため、未来に対して不安を感じやすいのです。

6つ目は感覚過敏です。周囲の音や光、温度などに敏感で、集中力が削がれることがあります。こうした感覚過敏は周囲に理解されにくく、「神経質だ」と思われることもあります。

7つ目は、相手の気持ちを想像するのが苦手なことです。目に見えない感情を理解することが難しく、誤解を招く言動をしてしまうこともあります。しかし、ASDの方の中には、相手の気持ちを理解しようと努力することで逆に感情を過剰に感じ取ってしまう人もいます。発達障害の特性は生まれつきのものですが、経験や環境に適応する中で、その表れ方が変化することもあります。