「朝起きられない……」
そんな悩みを抱えていませんか?
とくに若い世代の方の中には、学校や職場に
行かなければならないとわかっていても、
なぜか布団から出られず、時計の針ばかりが進んでいく……
そんな苦しい朝を過ごしている方も多いのではないでしょうか。
けれども、「怠けている」とか「根性がない」といった誤解で
片づけられてしまうことも多く、なかなか相談する相手も見つからない。
自分でも「どうしてこんなに起きられないのか、理由がわからない」
と思ってしまい、ますます気持ちが沈んでしまうこともあるかもしれません。
今回は、そんな「朝起きられない」という症状について、
3つの代表的な原因と対策を中心に、丁寧にお話していきたいと思います。
おまけとして、少しだけ精神的な背景のお話も加えています。
きっとあなたの今の状態に役立つヒントが見つかるはずです。
まず、最もよく見られる原因は「シンプルな睡眠不足」です。
意外かもしれませんが、日本人は世界的に見ても
「睡眠時間がとても短い」
国民として知られています。
特に学生さんの場合は、8時間以下の睡眠であっても
慢性的に眠気を感じていたり、集中力が落ちていたりします。
社会人であれば、7時間以下の睡眠でも
「何とかなる」と無理をしてしまう方がほとんどです。
この睡眠不足は、初めのうちは
「少し疲れている」「たまに寝坊する」
程度ですが、積み重なると、
ある日突然、朝に全く起きられなくなってしまいます。
最初は休日だけだった寝坊が、次第に平日にも起こるようになり、
昼まで寝てしまう……そんな悪循環が始まってしまうのです。

対策としては、とにかく「十分な睡眠」をとること。
本当は理想的には、14時間ほどたっぷり寝る期間(2〜3週間)
が望ましいのですが、現実的には難しいかもしれません。
まずは最低限、8時間以上の睡眠を2週間続けてみてください。
それだけで、「あ、朝起きやすくなったな」と感じることが
あれば、あなたの起きられなかった原因は睡眠不足だったと考えてOKです。
次に紹介するのは、特に10代後半〜20代の
若者に多く見られる「体内時計の乱れ」が原因の場合です。
本来、人間の体内時計は24時間のリズムで動いていますが、
一部の人ではこれが「27時間周期」などにズレてしまうことがあります。
この状態になると、夜遅くにしか眠くならず、
朝起きるのが極端に難しくなるのです。
たとえば、夜2時にならないと眠れない、
朝は9時でもまだ眠くて起きられない……
といったような状態。
これは「睡眠・覚醒相後退症候群」と呼ばれています。
治療には、毎日の「朝の光」と
「就寝・起床時間の記録」が重要です。
朝日を浴びて体内時計を少しずつ前に
戻していくことで、改善していく可能性があります。
薬を使う場合もありますが、なかなか
決定的なものがないため、治療には時間がかかります。
また、途中で諦めてしまう方も少なくないのが実情です。
そのため、学校や職場で事情を理解してもらうために
医師の診断書を提出し、配慮を求めることも大切3な対策の一つです。
「睡眠スキル」を身につけていくことが、
地道ですが確実な第一歩になります。
3つ目の原因は、「薬の副作用」によって
朝起きられなくなってしまうケースです。
眠気を引き起こす薬は、何も精神科の薬に限りません。
市販のアレルギー薬、胃薬、鎮痛薬などでも
強い眠気を引き起こすことがあります。
実は、慢性痛やアレルギーに使われる薬の中には、
もともと抗てんかん薬や抗うつ薬として
開発されたものも多く、強い鎮静作用があるのです。
もし朝起きられない症状が出ていて、何らかの薬を
服用している場合は、薬剤師さんや処方した医師に相談してみてください。
薬の変更や量の調整で、かなり改善する場合もあります。
特に、市販薬やアルコールとの併用によって眠気が
強くなってしまうこともあるため、
「寝る前に飲んでいるもの」も一度
見直してみると良いかもしれません。

ここまで3つの原因を紹介してきましたが、
実は「朝起きられない」という悩みの背景に、
精神的・心理的な問題
が隠れていることも少なくありません。
たとえば、うつ病や双極性障害、発達特性をもつ方などでは、
症状の一つとして「起きられない」「眠気が強い」ということがあります。
また、強いストレスを感じたとき、人の脳はあらゆる反応を起こします。
その一つが「過度な眠気」や「起きたくない」という感情です。
これを医学的には「身体化」と呼び、心のストレスが体に表れている状態と考えます。
たとえば、学校に行きたくない理由がうまく言葉にできず、
「朝になると体が動かない」「頭が痛い」
といった形で現れることがあります。
こうした場合には、まず本人の気持ちを
しっかり受け止めることが大事です。
無理に起こそうとしたり、叱ったりするのではなく、
「今、何に悩んでいるのか」「何が不安なのか」
を一緒に探っていく姿勢が大切になります。
少し時間はかかりますが、その方に合った方法で
支援していくことで、回復への道は開けていきます。
「朝起きられない」というだけで、自分を責めていませんか?
けれども、それはあなたの怠慢ではなく、
体や心が発している「大切なサイン」
かもしれません。
原因は1つだけではなく、いくつもの要素が絡み合っていることもあります。
だからこそ、焦らず、一つひとつの原因を探りながら、
「今できること」から丁寧に取り組んでいくことが大切です。
・睡眠不足を見直す
・体内時計を整える
・服用している薬を確認する
・心の状態に目を向ける
このような小さな一歩が、きっとあなたの「朝」を変えるきっかけになります。
あなたが今日も、自分らしい一日を始められますように。応援しています。