躁うつ病(双極性障害)は、うつ状態と躁状態を繰り返す慢性の精神疾患です。治療やセルフケアを通じてうまく付き合っていくことが大切ですが、その中でも特に重要な課題の一つが「躁状態の影響をいかに抑えるか」です。
躁状態は、時に非常にエネルギッシュで開放的な気分になりますが、その裏には多くのリスクが潜んでいます。だからこそ、自分でその兆候に気づき、必要に応じて自発的に入院を決断することが、自分自身や周囲の人々を守るために大切です。本記事では、「躁になったら自分で入院する」ことの意味や難しさ、そしてそのための具体的な対策について詳しく見ていきます。
躁状態とは、気分が異常に高揚し、活動量が増え、自己評価が過剰に高まる状態です。このような状態になると、自分では何でもできるように感じるため、過度な自信からさまざまな行動に走る傾向があります。

代表的な影響としては以下のようなものが挙げられます:
これらは本人だけでなく、家族や友人、職場の同僚など多くの人々にも大きな影響を及ぼすことになります。

躁状態の影響は、その場限りでは終わりません。症状が落ち着いた後にも、次のような深刻な“後遺症”が残ることがあります。
だからこそ、躁の影響はできる限り早い段階で抑えることが重要なのです。
躁状態の悪化を防ぐための対策として、特に有効なのが「早期の自発的入院」です。自分の意思で病院に行き、必要に応じて入院治療を受けることで、トラブルを未然に防ぐことができます。
精神科専門の病院では、薬の調整や刺激の少ない環境の中で回復を促進できます。通常は1〜3か月ほどの入院になるケースが多いです。

理想としては「自分で異変に気づき、自分で入院を決める」ことですが、実際にはこれは非常に難しいのが現実です。
躁状態には「病識の喪失」が起こりやすいという特徴があります。つまり、自分が病的な状態にあるという自覚そのものが薄れてしまうのです。
そのため、以下のような事態に陥ることがあります:
これらはすべて症状を悪化させ、より大きなトラブルへと発展させる原因になります。
だからこそ、平常時から「意識的な準備と対策」をしておくことがとても大切になります。以下の4つのポイントを押さえておきましょう。
まずは「躁うつ病とは何か」「躁状態にはどのようなリスクがあるか」について、正しい知識を持つことが第一歩です。また、躁状態では病識が失われやすいことも事前に理解しておくことが重要です。
過去のエピソードを振り返り、「あの時どんな前兆があったか」「どこでブレーキが利かなくなったか」を分析しておくと、次に同じような兆候が出た時に早く気づけます。
自分では気づけなくても、周囲の人が変化に気づくことは少なくありません。家族や医師、信頼できる友人からの助言を素直に受け入れる姿勢を持っておくことが予防に直結します。
躁状態は進行するほど自己判断が難しくなります。だからこそ、できるだけ早い段階で「いつもと違う自分」に気づくことが重要です。
さらに理想的なのは、「入院が必要な状態そのものを予防する」ことです。そのためには、次のような早期対応がカギとなります。
人によって躁の前触れは異なりますが、「妙に気分がいい」「眠らなくても平気」「活動的すぎて落ち着かない」などが挙げられます。これらを自分自身で把握しておくことが大切です。
前兆を感じたら、なるべく刺激を避けて休養を取りましょう。外出を控えたり、スマホやSNSの使用を控えるなど、「動きすぎないこと」がポイントです。
躁状態を抑える薬の調整は、早ければ早いほど効果が出やすい傾向があります。兆候が見えた段階で、すぐに主治医に相談するよう心がけましょう。
躁うつ病において、「躁状態」の管理は非常に重要なポイントです。大きなトラブルになる前に、自分で気づき、自分で対処することは、回復のためだけでなく、自尊心や人間関係を守るためにも大きな意味を持ちます。
もちろん、躁状態になると冷静な判断が難しくなることもありますが、だからこそ平常時に「自分で入院する準備」をしておくことが大切です。
そして、可能であればさらに早く、兆候の段階でセルフケアや医療的対応ができれば、入院そのものを防ぐことも可能になります。
「自分を守る」ということは、「周囲の人々を守る」ことにもつながります。長い治療の道のりを、少しでも穏やかに乗り越えていくために、ぜひこの記事が参考になれば幸いです。